小児矯正の費用相場まとめ_公的医療保険適用や安くする方法、支払い方法も解説

小児矯正 費用

まだ乳歯ではあるものの、子供の歯並びの悪さが気になり、矯正治療を検討している保護者の方は多いでしょう。小児矯正の費用相場がわからないと治療に踏み切れないものですよね。

この記事では「歯医者に相談に行く前に、小児矯正の費用相場を知りたい」という方に向け、治療費用を紹介します。保険適用となるのか、安い治療方法はあるのか、などの疑問にもお答えします。

監修医師

歯科医師 古川雄亮先生

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

目次

  1. 小児矯正の費用相場
  2. 小児矯正のトータルでの平均費用はいくら?
  3. 小児矯正の費用は基本的に公的医療保険適用にならない
  4. 小児矯正の費用を安くする方法
  5. 小児矯正の支払い方法
  6. まとめ

この記事の要約

・小児矯正の費用相場は、第1期治療と第2期治療を合わせて、45万円~105万円です。
・治療方針や使用する矯正装置によって費用は大きく変動します。
・小児矯正の費用は、基本的に公的医療保険適用外です。
・医療費控除などを活用すれば、実質的に費用を抑えることも可能です。
・小児矯正の支払い方法は、トータルフィー制と処置別支払い制があり、メリット・デメリットがあります。

小児矯正の費用相場

小児矯正のステップごとにかかる費用相場を紹介します。

治療前にかかる費用

まずは治療開始前にかかる費用です。

初回相談・カウンセリング料

小児矯正の最初のステップとして、初回相談・カウンセリングがあります。お子さんの歯並びや口・顎の状態を歯科医師が確認し、選択できる治療法などを説明します。不安を解消するためにも、気になることがあれば遠慮なく質問しましょう。

初回相談・カウンセリングを無料で行う歯科医院も多いです。費用がかかる場合には、5千円~1万円が相場です。

初回相談・カウンセリング料が無料かにとらわれず、歯医者さんを選びましょう。歯科医師・スタッフの対応や、院内の雰囲気・設備などもチェックすることをおすすめします。

2024年11月 株式会社メディカルネット調べ

精密検査・診断料

診断および具体的な治療計画の立案のために、レントゲン撮影・歯型の採取・噛み合わせチェック・顔と口の写真撮影などが行われます。歯医者さんによって検査内容や設備が異なります。

精密検査・診断料は、無料~5千円のところもありますが、1万円~5万円が相場です。先端的な設備を用いて精密な検査を行えば、相応の費用がかかります。

2024年11月 株式会社メディカルネット調べ

治療中にかかる費用

治療を開始してから以下の費用が発生します。第1期治療だけで終了する場合もあれば、第1期治療(小児矯正)の後に第2期治療(いわゆる成人矯正)が必要になる場合も多いです。

第1期治療の矯正装置代

小児矯正 費用

乳歯と永久歯が混在している混合歯列期の小児矯正を第1期治療といいます。矯正装置を用いて顎を拡大するなど、永久歯が生えるスペースを確保するための治療が行われます。

お子さんの歯並びや癖などによって、以下の矯正装置(治療法)が用いられます。

第2期治療の矯正装置代

小児矯正 費用

第2期治療では、歯に直接力を加えて動かし、歯並びや噛み合わせを整えます。大人の矯正治療とほとんど同じ内容です。

具体的には、以下のような矯正装置(治療法)が用いられます。

調整料

調整料とは、「歯並びの経過観察・矯正装置の調整・歯磨きチェック」などに関する費用です。通院ごとに調整料が必要となります。歯医者によっては、矯正装置の費用などに調整料を含んでいる場合もあります。

調整料が必要な場合の費用相場は、1回3千円~5千円程度です。


2024年11月 株式会社メディカルネット調べ

治療後にかかる費用

治療後も、以下のような費用負担があります。

第1期治療後の保定観察料

第1期治療後、3ヵ月~半年に1回の頻度で、顎の成長や噛み合わせなどの確認が行なわれます。この際に必要なのが保定観察料で、費用相場は1回3千円~1万円程度です。

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第2期治療後の保定観察料

第2期治療後も同様に、3ヵ月~半年に1回の頻度で保定観察が必要です。費用相場は1回5千円~1万円程度です。

2024年11月 株式会社メディカルネット調べ

保定装置代

保定装置は、矯正治療後に歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」を防ぐための装置です。ワイヤータイプやマウスピースタイプなどがあり、材質もさまざまなため、保定装置代の幅は広いです。費用相場は2万円~6万円程度です。

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小児矯正のトータルでの平均費用はいくら?

小児歯科 費用

第1期治療のトータルの費用相場は、20万円~40万円で、第2期治療のトータル費用の相場は25万円~65万円程度です。第1期治療と第2期治療を行なう場合には、100万円程度かかるケースもありますが、第1期治療からの移行であれば費用が安くなるクリニックもあります。

2024年11月 株式会社メディカルネット調べ

小児矯正の費用は基本的に公的医療保険適用にならない

一般的に矯正治療は、見た目の改善を目的とした治療とみなされ、公的医療保険適用外となります。小児矯正も同様です。

一部、口唇口蓋裂や多数歯欠損、顎変形症などの場合には、公的医療保険適用になるケースもあります。公的医療保険適用に該当する場合も、矯正の保険診療を取り扱うことのできる指定医療機関で治療を受ける必要があります。

小児矯正の費用を安くする方法

小児矯正の費用負担をできるだけ抑えたい場合には、以下の方法があります。

医療費控除を利用する

医療費控除とは、同年の1/1~12/31までに支払った医療費が総所得金額の5%を超えている場合、あるいは10万円を超えている場合に、確定申告で所得税の還付を受けられる制度です。

通常、審美目的の医療費には適用されません。小児矯正は機能改善が主より医療費控除の対象となります。

参考:厚生労働省

デンタルローンを利用する

デンタルローンは、歯科治療費用のローンで、一括での費用支払いが困難な場合などに利用できます。ただし、利息が付くため、一括で支払うよりも費用負担が増える点にご注意ください。また、デンタルローンは医療費控除の対象になります。

モニターになる

歯医者さんによってはモニターを募集しています。条件が合致し、モニターとして治療を受けられれば、通常よりも費用負担を抑えることが可能です。ただし、症例写真の掲載・アンケート回答・口コミ投稿など、歯医者が提示した条件を守る必要があります。

小児矯正の支払い方法

小児矯正では、主に以下2種類の支払い方法があります。

トータルフィー制

治療開始(精密検査)から完了(保定期間終了)までに必要な費用を、先に全額支払う方法です。基本的に追加費用がかからないため、トータル費用を把握しやすい点がメリットです。

ただし、必要最低限の治療で終えられた場合、処置別支払い制を選んだほうが費用負担を抑えられるということもあります。また、矯正途中の虫歯の治療費などは、トータルフィーに含まれていません。

処置別支払い制

治療ごとに発生した費用を支払う方法です。スムーズに治療が進めば、トータルフィー制よりも安く済むことがあります。デメリットとしては、総額でいくらかかるのかわかりにくいこと、矯正治療期間が長引くほど費用負担が増すこと、などが挙げられます。

まとめ

小児矯正の費用相場は、第1期治療と第2期治療を合わせて、45万円~105万円程度です。治療方針や使用する矯正装置によって費用は変動します。

また、確定申告の医療費控除などを利用すれば、費用負担を抑えられる可能性があるため上手に活用しましょう。小児矯正についてわからないことがあれば、矯正歯科ネットの「相談室」を利用するのもおすすめです。

この記事で、小児矯正の費用に関するあなたの疑問や不安が少しでも解消されたら幸いです。

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