ナイトガードの装着で歯並びや噛み合わせは変わる?効果やデメリットも

ナイトガード 歯並び変わる

歯ぎしりから歯を守るナイトガード。マウスピースの形状をしており、お口の中に装着します。「ナイトガードを装着すると歯並びや噛み合わせが変わってしまうのでは?」と考えている方がいますが、ナイトガードの役割やメリット・デメリットなども踏まえて解説します。

目次

  1. ナイトガードの装着で歯並びは変わる?
  2. ナイトガードの4つの効果
  3. ナイトガードの4つのデメリット
  4. ナイトガードに関するよくある質問
  5. まとめ

ナイトガードの装着で歯並びは変わる?

睡眠中、無意識に歯ぎしりをすることがあります。歯ぎしりが続くと歯がすり減る原因になり、詰め物が取れやすくなったり、知覚過敏が起きやすくなります。

ナイトガードは、歯ぎしりから歯や歯周組織を守るために使用する装置です。お口の中に装着して寝ている間に歯がすり減るのを防ぎます。マウスピースのように使うものではありますが、歯並びを整えるためのものではありません。

⇒ナイトガードと歯並びの関係性について、矯正歯科ネットの相談室『合わないナイトガードで歯並びが変わることはあるのでしょうか?』をご覧ください。

噛み合わせは変わる場合がある

ナイトガード 歯並び変わる

ナイトガードは歯並びを変えるための装置ではありませんが、噛み合わせが変わることがあります。上下の前歯に隙間ができる「開咬(かいこう、オープンバイト)」などの不正咬合などの副作用が報告された例もあります。

実は、噛み合わせというのは歯並びだけでなく、関節や筋肉も関係します。歯と関節、筋肉のバランスにより噛み合わせが決まります。

ナイトガードで「歯並び」は変わらなくても、持続的な装着によって「噛み合わせ」が変わること自体はまれです。

ナイトガードの4つの効果

ナイトガードを装着することで歯へのダメージを少なくするだけでなく、メリットがあります。

①歯がすり減るのを防げる

ナイトガードを装着すると、顎の力が抜けてややお口が開いた状態になります。筋肉が緩み、歯ぎしりのときの力が弱まります。歯がすり減るのを防ぐことができ、歯の健康維持につながります。

②歯周組織への負担を減らせる

ナイトガードは歯そのものへの負担を和らげるだけでなく、歯根などの歯周組織への負担も軽減します。

③詰め物や被せ物を保護できる

歯ぎしりが強い方の場合、装着している被せ物や詰め物が破損してしまうおそれがあります。ナイトガードを装着していれば上下の歯が直接当たらないので、補綴物(ほてつぶつ)への負担を少なくできます。

④顎の関節や筋肉にかかる負担を軽減できる

ナイトガードには、歯ぎしりによる顎や筋肉の緊張を和らげる効果があります。顎に負担がかかると、顎関節から音がする、顎が痛い「顎関節症」になるかもしれません。

ナイトガードの4つのデメリット

ナイトガードにメリットがある一方で、デメリットもあります。両方を理解して検討することが大切です。

費用がかかる

ナイトガードは歯科医院で作製するものなので、費用がかかります。公的医療保険適用の診療の場合は2,500~5,000円ほどになり、耐久性は1年ほどとされています。それとは別に初診料や検査料もかかります。穴が開くなどしたら作り直しになり、新たに費用が発生します。

2024年7月 株式会社メディカルネット調べ

定期的にメンテナンスを受ける必要がある

ナイトガードをしっかり洗浄して清潔に保たなければ、臭いや汚れがついてしまいます。使用後はすぐに洗う、定期的に洗浄剤できれいに洗うなど、メンテナンスをしっかり行う必要があります。

慣れるまで多少時間がかかる

マウスピースのようなものを装着したことがない方にとっては、慣れるまで時間がかかります。はじめの2~3日は異物感が強く、眠りにくい可能性があります。顎の痛みやお口の渇きなどを感じる場合がありますが、数日して慣れてくれば不快感は和らぎます。

歯ぎしりを治すものではない

ナイトガードは歯や歯周組織などを保護することが基本的な役割であり、歯ぎしりそのものを治すことはできません。短期的には睡眠時の歯ぎしりを減らせるものの、長期的な抑制は難しいとされています。顎やお口の中の機能を保護することを目的としており、あくまで対症療法です。

ナイトガードに関するよくある質問

ナイトガード 歯並び変わる

ナイトガードについてよくされる質問をまとめました。

ナイトガードの装着で顔は変わる?

ナイトガードを装着することにより、噛み合わせの変化が起こります。それによって顔の形が変わる可能性は残ります。また、睡眠時の歯ぎしりそのものが下顎隆起、口蓋隆起、咬筋肥大などにも関係していると考えられています。

ナイトガードを装着するとお口が閉じない?

ナイトガードは、上下の歯の間に隙間ができます。装着したときに口が閉じません。お口が閉じないようにできているかというと、歯軋りの力を小さくするためです。

日常では上下の歯がほんの少し離れていますが、その状態を安静空隙といい、顎関節に余計な力が入らずリラックスします。顎関節や歯に負荷がかかりにくくなります。

ナイトガードの装着で唇を閉じにくくなることでお口の中の乾燥が気になる方や顎が疲れる方もいます。装着により寝苦しく感じる場合もありますが、全て慣れていきます。

まとめ

ナイトガードは歯や歯周組織などを保護するためのもので、歯並びが大きく変わる可能性は低いです。ただし、筋肉や関節などに影響するため、噛み合わせが変わる場合があります。また、ナイトガードはあくまで対症療法であり、歯ぎしりそのものを根本的に治すものではありません。ただし、歯がすり減るのを抑えられる、補綴物を保護できるなどのメリットもあるので、睡眠時の歯ぎしりにお悩みの方は歯科医院で相談してみましょう。

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