マウスピース矯正装置を使ったホワイトニングの注意点と効果
マウスピース矯正の装置を使ったホワイトニングは可能でしょうか?
当記事では、矯正用マウスピースをホワイトニングに使用する場合の注意点やマウスピースの種類についてご紹介します。
公開日:2023/09/04
監修医師
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
目次
マウスピース初心者必見!種類や効果・役割を解説
歯科で使用されるマウスピースにはいくつか種類があります。
それぞれの効果や役割についてご紹介します!
矯正用マウスピース
歯を動かし、歯並びを整えるために使用されるマウスピースです。
治療計画に応じて一定の期間使用したら都度新しいマウスピースに取り替えます。
ホワイトニング用マウスピース
歯を白くするためにマウスピースの中にホワイトニングの薬剤を入れて使用します。
1日数時間装着し、継続使用することによりホワイトニング効果があります。
マウスピースを使用したホワイトニングは、歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」に対して「ホームホワイトニング」と呼ばれています。
スポーツ用マウスピース
ラグビーやボクシングなどコンタクトスポーツをする際に使用するマウスピースです。歯を守るために使用するマウスピースの中でも一番厚みのある素材が使用され、色も数種類から選ぶことができます。お口の中の保護はもちろん、脳震盪の予防としても使用されます。歯医者で型取りをしてオーダーメイドで作製するものや市販のものがあります。
3DSマウスピース
3DSとは、Dental Drug Delivery System(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)の略で、ドラッグリテーナーと呼ばれるマウスピースの中にお口の中の細菌に対して有効な薬剤を入れて装着します。
むし歯治療や歯周病治療と並行して予防に用いられることがあります。
就寝時着用マウスピース
夜寝ている間の歯ぎしりや食いしばりが強い方が装着するマウスピースです。
日中の意識のある間は自分で意識的に食いしばりをやめて歯と歯の接触を避けることができますが、就寝中の無意識下では歯ぎしりにより歯や歯の周りの組織に負担を与えてしまうことがありますので歯科での治療としておすすめされることがあります。
ナイトガードとも呼ばれ、柔らかい素材のものや硬い素材のものがあります。
またほかにもいびき防止のためのスリープスプリントと呼ばれるマウスピースや、睡眠時無呼吸症候群の治療用のマウスピースもあります。
矯正用マウスピースでホワイトニングってできるの?
矯正用のマウスピースでホワイトニングはできるでしょうか。
同時進行すれば治療期間が短縮できるメリットがあります。
矯正用マウスピースにホームホワイトニングの薬剤を入れて装着することで併用はできますが推奨はされていません。
矯正の先生によってはNGが出ることもありますので、一度矯正歯科で聞いてみることをおすすめいたします。
マウスピース矯正とホワイトニングを並行して行う時の注意点
マウスピース矯正とホワイトニングを並行して行う場合は以下のような注意点があります。
アタッチメントがついている歯はムラができる
マウスピース矯正の一環で歯の表面にアタッチメントという樹脂でできた突起をつけることがあります。
アタッチメントをつけていた部分には薬剤が浸透せず、ホワイトニングの効果が得られない場合があります。
ホワイトニング用の薬剤が行き渡らない
ホワイトニング専用のマウスピースは薬剤が行き渡るようにスペースが作られている事がありますが矯正用のマウスピースは歯を移動させるために作られているので薬剤を入れるスペースがなく薬剤が行き渡らない可能性があります。
矯正前の歯並びがガタガタの場合
矯正治療が始まってまもない場合でまだ歯が重なっている部分があればその部分にはホワイトニングの薬剤が行き渡らずにムラになることがあります。
ホワイトニングを行う理想のタイミングはいつ?
ホームホワイトニングを行う理想的なタイミングとしては矯正治療が終わってから、または保定期間中がよさそうです。
歯並びが整ってから維持するための保定期間中もマウスピースを装着する場合があるので、このタイミングから始めるとムラができたりするリスクがなくホワイトニングを始められるかと思います。
まとめ
矯正期間中にホワイトニングも同時進行できればよいですが、思ったような結果にならなかったといったリスクもあります。
またマウスピース矯正中でアタッチメントをつけていない場合は歯科医院でのオフィスホワイトニングが適応になることもありますので気になる方は一度歯医者さんで相談してみましょう。
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