【小児】歯を抜かずに過蓋咬合を治療した例(非抜歯咬合誘導)
前歯が下の歯を覆ってしまう深い噛み合わせを過蓋咬合といいます。子どもの矯正で、抜歯せずに治療を終えた過蓋咬合の例を経過の説明と写真と一緒にご紹介します。
公開日:2019/10/01 更新日:2021/11/18
目次
かみ合わせが深い11歳の症例
患者様 : Mさん 11歳1ヵ月(初診時) 男性 中学生
症状と悩み : 上の歯のかみ合わせが深く、下の歯を覆ってしまう。(過蓋咬合)。
抜歯 : なし
治療期間 : 一期治療 2年2ヵ月、二期治療 1年3ヶ月
装置・治療方法:一期治療 リンガルアーチ、二期治療 ブラケットによる治療
治療前
前歯が下の歯を覆ってしまう深いかみ合わせを過蓋咬合といいます。
舌は、11歳の中学生の過蓋咬合を治療した症例です。
【解説】
下顎は3Dリンガルアーチ(人目には見えない内側の矯正装置)を用いて下顎大臼歯の前方への傾斜を修正し大臼歯を整直させることにより、犬歯、小臼歯が萌出するスペースを獲得します。下顎前歯の叢生も改善し、非抜歯症例へと咬合誘導を行います。上顎は3Dクワッドヘリックス(人目には見えない内側の矯正装置)を用いて上顎大臼歯の捻転の修正と犬歯間を拡大することで犬歯、小臼歯が萌出するスペースを獲得します。また、前歯の咬み合わせも浅く(下の前歯が見えてきています)下顎の後退も改善され顎関節症も改善されてきました。
1期治療 2年2ヶ月
装置装着2ヵ月後
下顎は3Dリンガルアーチ(人目には見えない内側の矯正装置)を用いて下顎大臼歯の前方への傾斜を修 正し大臼歯を整直させることにより、犬歯、小臼歯が萌出するスペースを獲得します。下顎前歯の叢生も改善し、非抜歯症例へと咬合誘導を行います。上顎は 3Dクワッドヘリックス(人目には見えない内側の矯正装置)を用いて上顎大臼歯の捻転の修正と犬歯間を拡大することで犬歯、小臼歯が萌出するスペースを獲 得します。また、前歯の咬み合わせも浅く(下の前歯が見えてきています)下顎の後退も改善され顎関節症も改善されてきました。
矯正終了時 15才5ヶ月(2期治療 1年3ヶ月)
最終的にフルブラケットを各歯牙に装着し仕上げを行い矯正治療を終了します。今回は4本の小臼歯を間引き(抜歯)せずに非抜歯咬合誘導を行って治療しました。
下顎の臼歯部を整直させることで、各歯牙の歯軸は平行性が保たれ、咬合力に強い症例と仕上げることが出来ました。
矯正治療で歯並びを改善させることで、歯槽膿漏・虫歯になりにくい咬み合わせになります。この咬合を維持するようにメインテナンスを行うことで8020(80歳で20本の歯を残す)また、 6024(60歳で24本歯を残す)が達成を目指します。
また、今回の治療は顎の骨の中で歯牙の根先の移動が少ない為、歯根歯根吸収も最小限に抑えられました。前歯の 咬み合わせも浅く顎関節症も改善されてきました。
※治療方法・治療結果は、患者様によって個人差があります。
資料提供
吉本歯科医院
院長:吉本彰宏 先生
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