マウスピース矯正ができない7つの例とは?対処法もご紹介

マウスピース矯正ができない7つの例とは?対処法もご紹介

「マウスピース矯正を考えているけど、できない場合はあるのかな?」
と、自分自身はマウスピース矯正ができるかどうか気になる方も多いのではないでしょうか。

マウスピース矯正は、すべての症例に対応できるわけではありません。
以下のタイプに当てはまる方は、マウスピース矯正を受けられない可能性があります。

・抜歯や大幅な歯の移動が必要
・多くのインプラントが入っている
・虫歯がある
・歯周病になっている
・埋まっている歯がある
・あごの骨格に問題がある
・自己管理ができない

なぜこれらに当てはまるとマウスピース矯正が受けられないのか、また解決方法はあるのかをお伝えします。

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目次

  1. マウスピース矯正ができない7つの例
  2. 抜歯や大幅な歯の移動が必要
  3. 多くのインプラントが入っている
  4. 虫歯がある
  5. 歯周病になっている
  6. 埋まっている歯がある
  7. 顎の骨格に問題がある
  8. 自己管理ができない
  9. マウスピースが矯正ができない場合の4つの対処法
  10. ワイヤー矯正にする
  11. セラミック矯正にする
  12. 指示された治療を終わらせる
  13. 外科手術を行う
  14. まとめ

マウスピース矯正ができない7つの例

マウスピース矯正 できない 例


マウスピース矯正のメリットは装置をつけているのが目立たないことですが、歯を動かすパワーの弱さがデメリット。そのため、大きく歯を動かすケースでは治療が難しくなるのです。

マウスピース矯正ができないのはどういった場合なのか、7つの例を紹介します。

抜歯や大幅な歯の移動が必要

マウスピース矯正は大きく歯を動かす矯正治療には適していないといわれています。

抜歯をして空いたスペースを作る場合は大きく歯を移動しなければいけないため、マウスピース矯正は適応できない可能性が高いでしょう。

必ずしもできないわけではありませんが、時間がかかったり隙間が埋まり切らないこともあります。
抜歯矯正をマウスピースで行う場合は、担当の歯科医師とよく相談してください。

多くのインプラントが入っている

インプラントは顎の骨に直接埋め込みます。自分自身の歯(天然歯)とは異なり歯根膜(歯と歯を支える歯槽骨の間にあるクッション的役割の膜)がないほか、顎の骨にネジのように埋め込まれて強固にくっついているためインプラントを移動させることはできません。

1本だけのインプラントであれば、インプラントを基準としてほかの歯を動かすことで対応できる場合もありますが、多くのインプラントが入っていると、矯正歯科治療は難しいでしょう。

虫歯がある

虫歯がある場合は虫歯治療を優先します。
虫歯がある状態でマウスピース矯正を始めてしまうと、虫歯が進行してマウスピース矯正の途中で虫歯治療をしなくてはいけなくなる可能性が高いでしょう。

虫歯の治療方法によっては治療後に歯の形が変わり、事前に型取りをして作製したマウスピースが装着できなくなる場合があります。
再作製している間はマウスピースの交換ができず矯正治療が滞ってしまったり、追加で費用がかかってしまうことも。

また、虫歯治療の内容によっては虫歯治療が終わるまでマウスピース矯正を中断して虫歯治療をしなければならないこともあります。
その間矯正治療が中断してしまい、矯正治療期間が長くなってしまいます。

マウスピース矯正を治療計画通りにスムーズに進めるためにも、虫歯は矯正治療前に事前に終わらせておきましょう。

※小さな虫歯の場合はそのまま矯正治療を続けて、一段落したあとに虫歯治療を行う場合もあります。

歯周病になっている

歯周病があるとマウスピース矯正に限らず、矯正治療が難しくなります。
歯茎が腫れたり歯槽骨が溶けていると歯を動かすリスクが非常に高くなるため、矯正治療が受けられない可能性があります。

軽度の歯周病の場合は、矯正治療をして歯並びや噛み合わせを整えることで歯磨きがしやすくなったり歯への負担を軽減することができ、お口の中の健康を保つことにも繋がります。
まずは歯周病の治療をしてお口の中の状態を小康状態(症状がある程度改善し落ち着いている状態)にしてから矯正治療を行うことで、その後の歯周病のコントロールがしやすくなるでしょう。

重度の歯周病の場合、まずはしっかり歯周病治療をしてお口の中の状態を改善し、歯槽骨や歯茎の状態がある程度改善するかどうかを経過観察します。
その後、矯正治療が可能な状態であると判断されればマウスピース矯正を開始できます。

矯正治療中は虫歯や歯周病になりやすい・悪化しやすいため、歯周病をそのままにして治療を始めることは困難です。
まずはしっかり歯周病の治療をしてくださいね。

埋まっている歯がある

埋伏歯(※1)がある矯正治療は、マウスピース矯正は適応していません。
埋まっている歯を引っ張って歯茎から出すためには、ブラケットやワイヤー、ゴムを用いてけん引(※2)必要があります。
マウスピース矯正では埋まっている歯へのアプローチが難しいのです。

ただし、埋まっているのが親知らずの場合はマウスピース矯正でも適応できる可能性が高いでしょう。
また、埋伏歯を抜歯して矯正治療を行う場合も、マウスピース矯正で適応できる傾向にあります。

※1「埋伏歯(まいふくし)」:歯茎の中に埋まっていて、自然に生えてこられない状態の歯
※2「けん引」:歯茎に埋まっている歯を器具を使用して引っ張り出す治療方法

顎の骨格に問題がある

マウスピース矯正は歯を動かすことができますが、顎の骨を動かすことはできません。
出っ歯や受け口、悪い歯並びが顎の骨格に起因する場合、マウスピース矯正に限らず歯列矯正のみを行っても根本からの治療ができないのです。

顎の骨格に問題がある場合は、外科矯正(外科手術)が必要です。
外科矯正の前後の歯列矯正はマウスピース矯正で行える場合もありますので、ご自身のお口の中の検査や診断を受け、よく相談して矯正治療を検討してください。

自己管理ができない

マウスピース矯正では1日20時間以上マウスピースを着けていないと、歯並びがよくなりません。
そのため、マウスピースを着けられない時間が長い方や装着の自己管理ができない方には向いていません。

また、マウスピースの紛失が多いと治療がスムーズに進まないほか、再作製のための費用が高額になります。
マウスピースをしっかり自己管理できない場合はマウスピース矯正は難しいでしょう。

マウスピースが矯正ができない場合の4つの対処法

マウスピース矯正 できない 例


「マウスピース矯正をしてみたかったけど、無理そうだからほかの方法で矯正したい」という方に、マウスピース矯正ができない場合の対処法を4つご紹介します。

ワイヤー矯正にする

マウスピース矯正が適応できない症例でも、ワイヤー矯正であれば矯正治療が可能なケースがあります。

例えば、
・抜歯や大幅な歯の移動が必要
・埋まっている歯がある
・自己管理ができない
場合、マウスピース矯正では難しいですが、ワイヤー矯正なら治療ができる可能性が高いでしょう。

ワイヤー矯正であれば自身での取り外しは必要ないため、定期的に通院して装置の調整をしてもらうことで矯正治療が進んでいきます。
また、ワイヤー矯正であれば抜歯矯正や大幅な歯の移動に適応できる範囲が広くなっています。

ただし、ワイヤー矯正はマウスピース矯正に比べて矯正装置が目立ちやすく、装置の取り外しができないため歯磨きも難しくなります。

セラミック矯正にする

セラミック矯正は厳密に言えば矯正治療ではありませんが、歯並びをきれいに見せることができる治療方法です。

歯を削り、製作するセラミック(被せ物)によって歯並びをきれいに見せる方法です。
自分自身の歯を動かす、いわゆる矯正治療とは大きく異なります。

自分自身の歯を大きく削る必要があるほか、被せ物の寿命は10年程度といわれており、定期的な被せ物の作り直しが必要になります。
また、大きく削って被せ物にした歯は、削っていない自分自身の歯に比べて歯の根が折れたり割れたりしやすく、歯の寿命が短くなるともいわれています。

歯並びをきれいにして自分自身の歯やお口の健康をキープしたいと考える方には適していません。

ただし、セラミック矯正であれば歯の移動をしないため、重度歯周病で歯が動かせない場合や複数のインプラントが入っている場合にも治療が可能です。
また、被せ物をすることで歯の色を理想的な色にすることができます。

指示された治療を終わらせる

虫歯や歯周病が原因でマウスピース矯正ができない場合は、虫歯や歯周病の治療を終わらせてしまいましょう。

虫歯の治療が終われば、マウスピース矯正を開始できます。
被せ物が必要な虫歯の治療の場合、矯正治療で歯を動かすと被せ物の形が最適ではなくなることもあるため、虫歯を除去したあとは仮歯にしておいて矯正治療後にきちんとした被せ物をするケースもあります。

マウスピース矯正中に再度虫歯ができてしまったら治療が中断してしまうので、矯正中の歯磨きや口腔ケアを徹底しておきましょう。

歯周病の場合は、歯周病が小康状態になったら矯正治療を開始できます。
ただし、歯周病が重度の場合は歯槽骨の状態によっては矯正治療ができないと診断できる可能性もあります。

外科手術を行う

顎の骨格に問題がある場合は、外科矯正(外科手術)を行うことで治療が可能になるかもしれません。
歯並びを整えるだけの矯正治療より大がかりになり、場合によっては入院が必要になりますが骨格から治療をすることでより理想的なお口の中にすることができるはずです。

外科矯正は、顎変形症であると診断された場合(あるいは厚生労働省が定めた59の疾患のいずれかに当てはまると診断された場合)は、公的医療保険が適用されます※3。

※3 公的医療保険を適用した外科矯正の場合、術前・術後矯正はマウスピース矯正は保険適用外となり、ワイヤー矯正で行う必要があります。

まとめ

マウスピース矯正 できない 例


マウスピース矯正は大幅に歯を動かすことは苦手で、顎の骨格を変えることもできません。
マウスピース矯正は目立ちにくくメリットも多くある治療方法ですが、適応できない症例も多いことを覚えておきましょう。適応外の症例を無理にマウスピース矯正で治療すると、思うような治療結果を得られない可能性があります。

ただ、自分自身で「マウスピース矯正をできないかも…」と思っても、実は対応可能な症例なことも多くあります。
まずはマウスピース矯正を取り扱っている歯科医院で検査や診断を受け、本当に適応外なのか確認してみてはいかがでしょうか。

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