TOP

研究・教育者から開業まで

林 一夫先生のホームページを見る

教育・研究者として、矯正治療へのデジタルシステムについて研究をされていた林先生が、開業した理由などを、それまでの経験と合わせてお話ししてくれました。

歯科医師を目指して

医療職への憧れと、両親からのサポートもあり、いずれ社会貢献ができる職種なのではと考え歯科医師を目指しました。

大学時代に、私自身の矯正治療の経験がありますので、患者様のお気持はよくわかります。

学生時代は、法歯学などにも興味を持ちました。部活動は、空手のひとつである躰道をやっており、二段位を持っています。今では乗っていませんが、オートバイの免許を取り仲間と北海道内をツーリングしたり、ウエイトトレーニングをしていました。

教育・研究者として/意志あるところに道はある

教育・研究者として/意志あるところに道はある

▲ 熱意を込めた手紙が、留学に繋がりました

大学を卒業後、認定医を取るためには5年の期間が必要だったので、どうせなら大学院にまで進み、そのまま教育研究者という道を選択しました。

歯科理工学と法歯学でキャリアを迷いましたが、歯科理工学で基礎研究を行いながら、矯正臨床の道に進みました。デジタル矯正システムに出会う以前から、CTから3Dモデルを作成して外科矯正のシミュレーションをするようなことをしていました。

大学院当時は、色々なソフトウェアの良いところを少しずつ組み合わせて、なんとか一つのモデルを作っていたのですが、自分がまだ基礎研究を行っていたレベルのことが、すでに商業ベースで開発されてることを学術誌で読み、様々なソフトを組み合わせなくても機能が一つににまとまっているものがあると知った時には、かなりの衝撃を受けました。

デジタル矯正システムには先進性があると感じ、強い興味と関心を持ったので、この分野の研究者としてキャリアを進めたいと思いました。そこで海外の大学をたくさん調べたところ、当時ミネソタ大学では、デジタル化を進める研究が始められていて、オーラルスキャナーをはじめとする矯正治療に改革をもたらすような研究機関・教育がされておりました。
ミネソタ大学へ熱意を込めた手紙を書いて送ったら、なんとこれが受け入れられ、研究のために留学をすることができたのです。今思うと、ペンをとったあの時に運が味方してくれたのかもしれません。

開業まで/インストラクターとしての使命

デジタル矯正に出会い、自身で手掛けるようになって5年ほど経ちますが、日本ではまだ知られておらず基礎的な研究データを加えながら臨床研究という形で使ってきました。論文もある程度書かせていただき、それをオーラメトリックスの研究陣の方々が認めてくださって、ありがたいことに、日本でインストラクターとしてやって欲しいとオファーをいただきました。

大学に残っていた時はどうしても、学生の臨床教育・研究といった学生が中心となる教育が中心で時間がとられてしまっていました。本腰を入れてデジタル矯正を広めるためには、一旦注力してやっていった方が良いのではと感じたことが開業を決意した点でもあります。

  • 開業まで/インストラクターとしての使命

    ▲ 原点に立ち返れる場所/オーラメトリックス本社

  • 開業まで/インストラクターとしての使命

    ▲ インストラクターとしての活動/オーラメトリックス本社にて

また、日本でのインストラクターを取得し、これから日本をベースとして一緒にデジタル矯正を広めていく仲間を増やしていきたい、自分でやりたいようにフットワークよく動くには開業をした方が良いと考えたのも、開業を決意した理由です。
インストラクターとしての仕事は、私にとってはライフワークとなっております。オーラメトリックス社からデジタル矯正システムの認可を取得した医院のドクターたちは、どの方も熱心で意欲のある方々ばかりですので、私としても気持ちを高めてレクチャーに臨んでおります。アメリカ・テキサスの本社で行われるのですが、海外のインストラクター達とも交流しますので、情報交換をしながらも、私自身の原点を見つめなおす場であり気持ちを新たにする機会になっております。

教育・研究者として/意志あるところに道はある

▲ 現在も研究に携わっています

開業して感じたことは、デジタルを応用した技術の優れた点を、患者様に噛み砕いて伝えていくことが難しいことです。まだ知名度の少ない治療ですので、これからさらなる普及に向けて努力が必要だと感じています。

開業した現在でも北海道医療大学に非常勤講師として勤務しますので、臨床で得た知見を研究にも役立てることができるのは大きいと考えていますし、今日まで研究の場を与えてくださった北海道医療大学には、恩を返していきたいと思っております。