[MFT] 口のまわりの筋機能療法とは(1)
口周りの筋肉を鍛える筋機能療法について。口のまわりの筋肉が弱く、バランスが悪いと、舌で前歯が押され歯並びが悪い原因になってしまします。誰でもできる筋肉の状態の確認ポイントをご紹介します。
公開日:2019/11/05 更新日:2021/11/18
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目次
口腔筋機能療法 (MFT:ORAL MYOFUNCTIONAL THERAPY) とは
口腔筋機能療法の本来の目的は
口のまわりの筋肉が弱く、バランスが悪いと、舌で前歯が押され、開咬(前歯が開いている)や上顎前突(いわゆる出っ歯)、あるいは反対咬合(受け口)といった不正咬合を引き起こすことがあります。このような舌癖(舌の癖)があると、矯正治療が順調に進まなかったり、矯正治療後に後戻りすることがあります。矯正装置をつけなくとも、筋機能療法のみで不正咬合がある程度改善することもあります。
また、矯正治療を成功させるために、筋機能療法の併用が必要な場合も多いです。歯ぐきや歯を支える骨が弱ったときに、舌の癖があると、歯並びが崩れたり、逆に舌の癖によって歯ぐきや歯を支える骨が弱る可能性があります。お口の筋機能療法を行って、舌の位置が普段から上顎についている状態で、口唇は楽に閉じることができるようにしたり、正しい嚥下(食べ物の咀嚼や飲み込み)と発音ができるようにするのが目標です。
チェックしてみましょう!
鏡と水を入れたコップを用意して、お口の筋機能の状態をチェックしましょう
チェック方法は簡単です。まずは鏡と水をいれたコップ を用意してください。下記の項目を試してみて、該当したものをチェックしましょう。
1. 普段の舌の位置は歯と歯の間から出ているあるいは下の前歯を押している。
2. 舌の脇に歯形のようなへこみがある。
3. 口唇を閉じて鼻だけでしばらく呼吸をすると苦しい。
4. 普段口唇を開けている。
5. 口唇を閉じると筋肉が緊張し、オトガイ部(下顎の先)にシワができる。
6. 口唇を閉じるとヘの字になる。
7. 水を飲むとき舌が歯と歯の間から出てコップを迎えにいく。
8. 水を飲み込むとき前歯で舌を咬む。
9. 水を飲み込むとき口唇に力が入る。
10. サ行やタ行を発音するとき歯と歯の間から舌が出る (thになる)。
【あなたは、何番にチェックがつきましたか?】
チェックがついた番号によって、以下の症状が考えられます。
・「1」、あるいは「2」にチェックのある人 … 低位舌(舌の先端が下顎前歯の裏側にある)
・「3」にチェックのある人 … 鼻呼吸がうまくできていない※
・「4」~「6」にチェックのある人 … 口唇の筋力が弱い
・「7」~「9」にチェックがある人 … 異常嚥下癖(正しい飲み込みができない)
・「10」にチェックがある人 … 異常嚥下癖(正しい飲み込みができない)
「1」から「10」のどれかに該当する人は、ぜひ筋機能療法をやってみてください。 どれにも該当しな人や、「自分は舌の癖はないぞ!」という人もお勧めです。たとえば、お口の筋力がバテないように口唇や顔面の筋肉をもっと鍛えてたい人や、楽器を演奏している人で舌を鍛えてタンギングのキレをよくしたい人、フェイスラインを引きしめたいと思っている人にはお勧めです。
※ チェック「3」は、鼻で呼吸ができないとうまくいきません。「3」にチェックのある人は、一度、耳鼻科医を受診してみるとよいでしょう。
【注意点、備考】
・長い間、指しゃぶりをしている人は、上記のチェックが多く当てはまりやすいです。小中学生で指しゃぶりをしている人がいらっしゃったら早くやめましょう。
・舌を出すと先が凹んだり、ハート型になる舌小帯が短い方(舌小帯:舌の下の紐のようなひだ)は、舌小帯を切ったほうが良いでしょう。舌小帯が短くて、発音がしずらかったり、食べ物を飲み込みにくい症状がみられるのなら、一度歯科医院や口腔外科を受診してみることをお勧めします。
・なお、歯が出ているために、口唇を楽に閉じられないこともありますし、咬み合わせによっては矯正治療してから筋機能療法をやった方が良いこともあります。
口腔筋機能療法を始めましょう!
筋機能療法はどのように行われるのか
筋機能療法は、通常、矯正歯科医院でセラピストとしてトレーニングされた歯科医師あるいは歯科衛生士が行います。アメリカでは専門のセラピストが自分のオフィスを持ち、矯正医からの依頼で筋機能療法を行っているそうです。プログラムはレッスン1からレッスン10まであり、一回のレッスンにつき、約10分かかります。これを1日2回(2時間以上間隔をあける)毎日行い、2週間行ったら次のレッスンに進みます。
本当はセラピストの指導を受けて行うのが望ましいですが、具体的な注意点をできるだけご紹介するので、「レッスン1」、「レッスン2」 のプログラム説明をよく読んで頑張りましょう。
なお、筋機能療法のプログラムはいろいろありますが、ここではZickefoose氏のテキストを参考にしました。
さあ!はじめましょう
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