小児の上顎前突の症例(ヘッドギアとバイオネーターを使用)
小児の上顎前突の症例写真です。治療法は一期治療でヘッドギアとバイオネーターを使用した骨格矯正、二期治療でブラケットによる歯列矯正で治療しました。
公開日:2019/10/01 更新日:2021/11/17
記事提供
目次
子どもの成長を利用しながら出っ歯を治療
ヘッドギア(上顎骨の成長抑制を行う装置)とバイオネーター(下顎骨の成長促進させる装置)の組み合わせで、歯を抜かずに出っ歯を改善しました。
患者様:10歳 男子
患者様の状況:小学校低学年
症状:上顎前突(出っ歯)
症例写真
治療前
▲初診相談時の口腔内写真
出っ歯が気になり、当院に来た10歳の患者様。前歯は永久歯ですが、横側の歯はまだ乳歯でこれから生えかわっていく状態です。
10歳という年齢は上顎骨も下顎骨もこれから成長します。このため、子どもの場合は成長を利用した矯正治療をするのが効果的です。そこで今回は、上顎の成長を抑制し、下顎の成長を促進させて噛み合わせを改善することにしました。
治療開始
まずはしっかり治療計画を立てます。上顎骨の成長を抑える「ヘッドギア」と、下顎骨の成長を促進させる「バイオネーター」を組み合わせて治療することにしました。
ヘッドギア装着
図1のように、ヘッドギアで上顎の奥歯を後方へ引っ張り、これ以上、上顎の骨が出ないように成長を抑制します。
バイオネーター装着
下の写真はバイオネーターが装着されている状態です。この装置を装着すると下の顎を前に出している状態が維持できます。そのため下顎頭[かがくとう](図2参照)の成長が促進されて、結果として下顎が前方に成長します。
治療後の横顔写真
治療後の口腔内写真
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