歯列矯正の費用を抑える3つのコツ|初めての歯列矯正ガイド
歯列矯正って、きっとお高いのでしょ。そのようにお考えの方も多いのではないでしょうか。確かに歯列矯正は一部の症例を除いて健康保険(公的医療保険)が効かない高額医療。では、実際にどのくらいの費用が必要なのでしょうか。ここでは支払い方法や医療費控除など「歯列矯正の費用」について解説しています。お金についての疑問や不安をスッキリ解決させましょう。
更新日:2019/12/2
1.歯列矯正の治療費はいくらかかるの?
歯列矯正の費用相場は600,000円~1,500,000円であるといわれています。以下が治療費の内訳の一例です。
費用 | 内訳 | |
---|---|---|
治療前 | 30,000円~50,000円 | カウンセリング、検査代、クリーニング代、抜歯代 |
治療中 | 500,000円~1,200,000円 | 装置代、技術料、調整・管理料、クリーニング代 |
治療後 | 50,000円~200,000円 | 保定装置代(リテーナー代) |
その他 | 20,000円~50,000円 | クリーニング代、歯ブラシ代など |
表側矯正の費用相場は、700,000円~1,200,000円程度、裏側矯正の場合は1,000,000円~1,700,000円が相場であるといわれています。ただし、歯並びやお口の状態、選択する装置の種類によって費用は大きく変動します。また、場合によっては抜歯代や矯正前の虫歯や歯周病の治療費、インプラント矯正(アンカースクリュー)などのオプション費用が発生することもあります。
治療費の支払い方法は総額制(トータルフィー制)と処置料別支払い制の2つに分かれます。以下にて詳しく解説します。
1. 総額制(トータルフィー制)
総額制(トータルフィー制度)とは、矯正治療に関わる全ての費用が総額に含まれている料金制度のことです。装置代や毎月の調整料も総額に含まれているので、来院回数が増えた場合や治療期間が長引いた場合でも原則として新たに費用が発生することはありません。
追加費用の心配をせずに安心して治療に専念できることが総額制のメリットですが、一度に支払う金額が大きくなるので治療費の支払い方法(現金・カード・ローンなど)はよく検討する必要があります。
また、一般的にはオプション扱いになることが多い「矯正用インプラント(アンカースクリュー)」や保定期間に装着する「保定装置(リテーナー)」も総額内に含まれている場合もあります。医院によって総額に含まれる内容は異なるため、カウンセリング時にしっかりと確認しましょう。
治療費の負担を減らす3つのコツ
歯列矯正の相場は600,000~1,500,000円程度。誰もが気軽に受けられる金額ではありません。金銭的な理由で歯列矯正を諦めてしまう前に、経済的な負担をすこしでも軽くする方法をご紹介していきます。
1. リーズナブルな治療法を選択する
選択する装置の種類によって歯列矯正の費用は大きく変動します。装置が目立たずコスパのよい装置はどれか。以下にて解説します。
メタルブラケット
なるべく費用を抑えたい、価格重視派の方は「メタルブラケット矯正」が良いでしょう。メタルブラケット矯正とは金属の装置を歯の表面に接着し、ワイヤーで歯並びを整えていく一般的な治療法です。他の治療法と比べて目立ちやすいことがネックですが、耐久性が高いうえ、様々な症例にも対応できてリーズナブル。昔はギラギラして目立ちやすかった金属の装置も、現在では歯の表面に取り付けるブラケットのサイズが小型化され、ずいぶん目立ちにくくなっていますよ。
審美ブラケット
できるだけ目立ちにくく、かつ費用も抑えたい方には「審美ブラケット矯正」がおすすめです。「審美ブラケット」とはプラスチックやセラミックを使用したブラケットのこと。白くコーティングされたワイヤー(ホワイトワイヤー)と審美ブラケットを併用することで、装置が目立ちにくくなっています。メタルブラケット矯正よりも値は張りますが、目立ちにくく様々な症例にも対応できるため、コストパフォーマンスが高い治療ともいえるでしょう。
裏側矯正・マウスピース矯正
裏側矯正やマウスピース矯正は表側矯正と比べて価格は高めに設定されています。どちらの方法も「装置が目立ちにくい」ことが最大のメリットですが、費用面や早くきれいに歯並びを整えるスピード感は表側矯正(メタルブラケット・審美ブラケット)に軍配が上がるでしょう。
裏側矯正の平均相場は1,000,000円~1,700,000円。一方の表側矯正の費用相場は、700,000円~1,200,000円程度であるといわれています。表側と裏側では費用面で大きく差が出ることを覚えておきましょう。
部分矯正
治療費を抑える方法として「部分矯正」という手があります。全体矯正と比較して費用を抑えることができるうえ、矯正期間も短く済みます。また、部分矯正であれば費用面に不安のある方以外にも「前歯の歯並びは気になるけど、全体に装置を付けるほどではないな」「被せ物で歯並び整えることに抵抗がある」などといった方のお悩みも解決できるでしょう。ただし、お口の状態や噛み合わせによっては対応できないケースもあります。いずれの場合も歯医者さんとご相談ください。
2.分割払いで負担を軽減する
クレジットカードを利用する
一度にまとまった金額を用意できない時、クレジットカードの分割払い・リボ払いが便利です。
分割払いを利用すれば月々の支払いの計画が立てやすく、無理のない支払いが可能です。また、お手持ちのカードの種類によってはポイントや特典も加算され、お得になることがあるかもしれません。ただし、カードの分割払い・リボ払いを利用する場合は金利手数料がかかることをお忘れなく。ご利用の際はお手持ちのカードをご確認ください。
デンタルローンを利用する
クレジットカードを持っていない方や、クレジットカードでの分割払いよりも、さらに金利手数料を抑えたい方におすすめの支払い方です。デンタルローンは信販会社が患者さんに代わって医院に立替払いをし、患者さんは信販会社に手数料を含めた治療費を月々支払っていく仕組みです。多くの医院では特定の信販会社と提携し、敏速に手続きが進むよう配慮されています。
デンタルローンのメリットは金利手数料の低さです。クレジットカードの金利手数料は10~18%ですが、歯科用ローンは約8.5%~。分割回数も設定できるので余裕をもった返済が可能です。だたし、デンタルローンには審査があり、場合によっては審査や手続きに時間がかかってしまうことがあることを覚えておいてください。
治療費の分割払いについてもっと知る3. 医療費控除を利用する
医療費控除とはその年の1月1日から12月31日までの1年間に、自分や家族の治療のために100,000円以上の医療費を支払った場合に、一定の金額の所得控除を受けることができる制度です。本来、美容目的の治療は医療費控除の対象ではありませんが、歯並びと噛み合わせを整え、健康な身体をつくる目的であれば、歯列矯正も医療費控除の対象として認められています。
また、通院のための交通費も医療費控除の対象です。ご本人の交通費だけでなく、付き添い人の交通費も認められているため、お子さんの通院時に付き添ったご家族の分も申請できます。なお、申請できるのはバスや電車などの公共交通機関のみ。自家用車のガソリン代や駐車場代は対象外です。
さらに、医療費控除は現金払いだけでなく、ローンやクレジットカードなどの分割払いも対象です。ただし、医療費控除を受けるときの支出を証明する書類として、歯科ローンの契約書の写しや信販会社の領収書を添付する必要がありあります。ローンに係る金利及び手数料相当分は医療費控除の対象外となるためご注意下さい。
医療費控除についてもっと知るまとめ
歯列矯正はその高額な医療費が悩みのタネ。歯並びが気になるのに金銭的な問題で二の足を踏んでいる方もいらっしゃるかと思います。しかし、費用が高額になりがちな歯列矯正も、治療法や支払い方、さらには医療費控除の制度を上手に活用することで、治療費の悩みがぐっと減るのではないでしょうか。すぐに治療費が用意できなくても、クレジットカードやローンを利用すればお金が貯まるまで我慢せずに治療をスタートすることも可能ですよ。
健康保険(公的医療保険)が適用しない歯列矯正は、治療費の全額が自費治療。そのため、医院によって治療費にバラツキが出ます。安さだけで医院や治療法を選ばず、信頼できる医院で納得できる治療を受けてくださいね。