【マウスピース・裏側・ブラケット】歯列矯正の種類を知ろう

歯列矯正は選択する素材や治療法によって複数の選択肢があります。一般的なワイヤー矯正(ブラケット矯正)以外にも、「マウスピース矯正」や「審美ブラケット」「裏側矯正」など、装着感や審美面に配慮された治療法も選択できます。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。

更新日:2019/12/03

1.歯列矯正の種類と特徴について

以前はギラギラして目立ちやすかった金属の矯正装置も、現在では小型化され、ずいぶん目立ちにくくなっています。さらに、審美ブラケットやマウスピース型の装置、裏側矯正(リンガル矯正・舌側矯正)などといった「目立ちにくい矯正」の選択肢も増え、装着感や審美面に配慮された治療法も選択できるようになりました。

ここでは装置の種類を中心に、それぞれのメリット・デメリットを交えながら解説していきます。

1-1.ワイヤー矯正(メタルブラケット)

ワイヤー矯正(メタルブラケット矯正)は、金属の装置を使用した一般的な治療法です。

「ブラケット」と呼ばれる装置を歯の表面1本1本に接着し、ブラケットにワイヤーを通して歯を動かします。
ワイヤー矯正(メタルブラケット)は、ほかの治療方法と比べて費用が抑えられ、耐久性もあり、様々な症例にも対応できます。金属なので目立ちやすいことがネックですが、リーズナブルに歯列矯正を受けたい方に適した治療法といえるでしょう。

メリット ・ほかの治療方法と比べて安価
・耐久性が高い
・様々な症状に対応可能
デメリット ・目立ちやすい

1-2.ワイヤー矯正(審美ブラケット)

プラスチックやセラミックを使用したブラケットのことを「審美ブラケット」といいます。審美ブラケットと、白くコーティングされたワイヤー(ホワイトワイヤー)を用いることで装置が歯の色と馴染み、矯正装置が目立ちにくくなります。

また、審美ブラケットを用いた矯正治療は、メタルブラケット(金属性のブラケット)と同様に様々な症例に幅広く対応できます。裏側矯正と比較して費用を抑えることができるため、できるだけ目立ちにくく、かつリーズナブルな治療をご希望の方に適した治療法ではないでしょうか。

ただし、歯の表面に装置を装着するため、裏側矯正やマウスピース矯正と比較すると「目立ちにくさ」は劣ります。

メリット ・様々な症状に対応可能
・メタルブラケット(金属の装置)と比較して目立ちにくい
・裏側矯正(舌側矯正)と比較して費用が安い
デメリット ・メタルブラケット(金属の装置)と比較して費用が高い
・メタルブラケット(金属の装置)と比較して劣化しやすい

1-3.マウスピース矯正

マウスピース矯正とは、透明で薄いプラスチック製のマウスピースを使った治療法です。歯の動きに合わせてマウスピースを交換しながら歯並びを整えます。

歯に密着した薄くて透明なマウスピースなので目立ちにくく、さらにブラケット矯正と比べて装着時の「痛み」や「違和感」が少ないといわれています。また、食事や歯磨きの時は自由に取り外しが可能なため、食事の制限はなく、装置に食べ物がブラケットやワイヤーに引っ掛かるといったストレスもありません。食後の歯磨きも今まで通りに行えます。

一方で、マウスピース矯正は口元をガラリと変えるような大掛かりな矯正には向いていません。対応できる症例が限られているほか、「指示された装着時間を守らないと治療が進まない」というデメリットもあるため、軽度な症例でかつ勤勉にマウスピースを装着できる方に向いている治療法であるといえるでしょう。

メリット ・透明で目立ちにくい
・ワイヤー矯正と比べて違和感が少ない
・取り外しが可能
デメリット ・一定時間マウスピースを装着する必要がある(通常16~20時間以上)
・対応できる症状が限られる
マウスピース矯正についてもっと知る

1-4.裏側矯正(舌側矯正・リンガル矯正)

裏側矯正は歯の裏側に小型のブラケットを装着し、ワイヤーで歯並びを整える治療法です。

装置が目立ちにくく、周囲から気づかれにくいことが最大の特徴です。歯の裏側に装置を接着しているので大きく口を開けない限り、正面から装置が見えることはありません。職業的に歯列矯正がNGの方や装置の見た目が気になる方におすすめの治療法です。

一方で、裏側矯正はブラケット矯正と比べて費用が高い傾向があります。そのほか、「発音しにくい」「食べ物が引っ掛かりやすい」などといったデメリットがあることも覚えておきましょう。

裏側矯正についてもっと知る
メリット ・目立ちにくい
デメリット ・装置に慣れるまで発音しにくい
・食べ物が引っ掛かりやすい
・ほかの治療法と比較し費用負担が大きい

歯列矯正は様々な種類があり、今回紹介した治療法以外にも「インプラントを用いた歯列矯正」や「セルフライゲーションブラケット」と呼ばれる治療法もあります。メリットやデメリットを理解したうえで、自分にあった治療法を見つけましょう。

歯列矯正の治療方法についてもっと見る

歯列矯正で得られるメリット

メリットデメリットまとめ

歯並びの悪さをコンプレックスに感じている方は少なくありません。歯並びが悪いと歯ブラシが届きづらく、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまうほか、発音や噛み合わせなどにも影響を与えます。また、歯並びが悪いことで「歯をみせて笑うことが出来ない」「自分に自信が持てない」など、コンプレックスが与えるメンタル面への影響は大きいといえるでしょう。

歯並びと噛み合わせが改善されると、身体も心も健康に。矯正治療が与える身体と心の健康について解説します。

矯正のメリットは見た目だけじゃない!健康・美容・メンタル面の向上にも期待

歯並びが整うと口元のコンプレックスが解消され、笑顔に自信が持てるようになります。発音もクリアになり、コミュニケーションも積極的になるでしょう。口元の筋肉がバランス良く使えるようになることで表情筋が活性化され、リフトアップやエイジングケアにも期待できます。

また、歯並びがキレイに整うと歯ブラシが届きやすくなり、磨き残しが少なくなります。口腔内を清潔に保てるようになるため、虫歯や歯周病を未然に防ぐことができ、ひいては歯の健康寿命を延ばすことも可能でしょう。

さらに、噛み合わせが改善されると咀嚼能力がグッと高まります。よく噛んで飲み込むことで消化器官への負担が軽減されるほか、噛む刺激が脳に伝わり「記憶力の向上」や「認知症の予防」など、脳の活性化にも良い影響を与えます。また、左右バランスよく噛めるようになることで身体のバランスが整うことで、体の歪みから起きる肩こりや頭痛の改善も期待できるでしょう。

歯列矯正の治療期間を快適に過ごす医院選び

歯並びを整えることは心身ともに健康になるための大切な要素。身体と心の健康にも関係しています。治療を先延ばしにせずにスタートできれば、その分治療で得る恩恵も早く手に入れられますよ。20歳を超えた「大人の矯正」はもちろんのこと、40代からの矯正も決して遅くはありません。

矯正期間は2年程度が一般的。長い矯正期間だからこそ、ライフスタイルを考えた装置選びはとても大切です。短期間で治したいのか、目立たずに治したいのか、どれくらいの予算が上限かなど、目指す治療のゴールと治療スタイルで装置の選択が変わります。
歯科医院によっては対応していない治療法もあるため、歯科医院選びの際は事前の下調べが大切です。

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