マロニエ矯正歯科クリニック
栗田 容輔先生

父のすすめにビビッときて歯科医師を目指す

歯科医師を目指したのは直感です。親族に歯科医はいませんでしたが、ふと父から歯科医師になるようにすすめられ、その瞬間に「自分に向いているな」とビビビと感じ、志すようになりました。高校3年生の時に文系から急きょ理系に転向しました。僕は頭で考えてから行動に移すタイプですが、大事なことは直感で決めるようにしています。結果として、当時の決断は大正解でした。

歯科医師の中でも矯正歯科医になろうと思った理由の一つは、歯科医師として専門的な武器をつくる必要性を感じたからです。コンビニほど数のある歯科医院の中で潰れないようにするには、普通にやっていては戦えないと思ったからです。

専門性のある歯科ジャンルの中でも、矯正歯科治療はやり直しがきく点が良いと思いました。歯科処置の大半は一発勝負であり、手先の器用さに左右されます。ところが、矯正歯科治療はプランニングにおいて特に頭を使うことができ、かつ長い治療期間の中で軌道修正が可能で、技能依存ではないことが、大きなメリットであると思っています。

また、歯を動かすことができるというのも大きな特徴で、患者様の顔立ちも含めて口腔内を良好な状態にできる可能性があります。すべての歯科疾患は不正咬合に起因していて、より良い口腔内環境を整えることが、究極の予防歯科治療であると思います。一般歯科治療は対処療法が多いですが、矯正歯科治療は悪くなる原因から絶つことができると思うので、より多くの人が将来の健康のためにも矯正治療を受けた方が良いと思います。

もちろん、矯正治療に対して興味があり、実習が楽しかったことも矯正歯科医を志望した理由でもあります。治療において影響を受けたのは、インプラント治療を担当されている飯島俊一先生です。矯正歯科医師ではありませんが、僕が研究医になりたてで矯正科に入る前にお会いし、「どれだけコストをかけたとしても最善の治療をすることが患者様のためになる」ということを学びました。「歯科医師とはどうあるべきか」というスピリッツを若い頃に芽生えさせることができたのは幸運だったと思います。

日々、治療を行えることが楽しみであり喜びでもある

矯正は、歯並びの美しさや口腔機能の健康に関わってくるものです。コンプレックスを解消したい、より良くしていきたいという前向きな気持ちでいらっしゃる患者様も多いので、ウエディングプランナーのような気持ちで患者様の人生を変えるプランニングやアドバイスをしているところもあります。

そうやって日々、治療を行っていることが楽しみであり、喜びです。難しい治療が成功した時や、思った以上にうまく治った時は、誰かに症例を見せたくなります。天職を見つけ、従事できることは幸せなことだと思います。お金をいただいている以上、患者様に満足してもらえるように努力することは当たり前であると思っていますが、実際に患者様に喜んでもらえると嬉しい気持ちになりますね。