インビザライン矯正をやらなきゃよかったと後悔した7つの失敗例と対策

インビザライン矯正

歯並びの悪さがコンプレックスの場合、矯正治療を検討することと思います。そのなかでも、人気といわれているインビザライン矯正に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、ネット上では「インビザライン矯正をやって後悔した」という声もあります。この記事では、具体的にどのような失敗例があるのかを紹介し、その対策についても解説します。インビザライン矯正に対して不安な気持ちがある方は、ぜひご覧ください。

監修医師

歯科医師 古川雄亮先生

歯科医師 古川雄亮 先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

目次

  1. インビザライン矯正をやらなきゃよかったと後悔した7つの失敗例
  2. インビザライン矯正についてよくある質問
  3. まとめ

この記事の要約

・インビザライン矯正は、理想的な仕上がりにならない、後戻りした、歯茎が下がったなどの失敗例があります。
・インビザライン矯正で後悔しないための対策としては、実績や経験が豊富な歯科医院を選ぶことなどが重要です。
・治療開始前に、インビザライン矯正のリスクや仕上がりイメージを確認することも大切です。

インビザライン矯正をやらなきゃよかったと後悔した7つの失敗例

インビザライン矯正を行なった患者さんの7つの失敗例を紹介します。

理想の仕上がりにならなかった

無事に治療が終わったものの、「思っていた仕上がりと違う」という失敗例があります。歯と歯の間に隙間ができたり、歯並びがたついていたりと、細かい部分に納得いかないケースが起こり得ます。そのほか、歯の中心がずれたまま治療が終わったという例もあります。

後戻りした

矯正治療後は、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」という現象が起こります。歯並びをきれいに整えたものの、後戻りが起こって「インビザライン矯正に失敗した」と後悔する患者さんもいます。後戻りはインビザライン矯正に限らず、全ての矯正治療方法で起こります。

計画した期間内に治療が終わらなかった

歯列全体をインビザライン矯正で整える場合、治療期間の目安は1年~3年です。インビザライン矯正は治療開始前にシミュレーションするため、マウスピースの枚数により治療期間の予想ができます。

マウスピースを正しく装着できていなかったり、1日の装着時間が不十分だったりすると、歯の移動が終わらず、計画した治療期間で終われないことがあります。

噛み合わせが悪くなった

歯並びが整ったものの、噛み合わせが悪くなった失敗例もあります。歯科医師が噛み合わせを考慮できていなかったこと、予期せぬ歯の移動が起こったことなどが原因です。

インビザライン矯正終了後に噛み合わせを考慮し、追加の矯正や被せ物治療などをやり直すこともあります。

歯茎が下がった

インビザライン矯正に限らず、矯正治療による歯の移動で歯茎が下がることがあります。歯根が露出したり、歯と歯の間の三角形の隙間が大きくなったりと、見た目に悪影響を及ぼすことがあります。また、歯根が露出することで、歯がしみる可能性もあります。

装着中に痛みを感じた

「思っていたよりも最初の矯正中の歯の痛みが強かった」という声があります。インビザライン矯正は弱い力で段階的に歯を動かしていくため、痛みを軽減しやすいとされていますが、マウスピースに慣れるまでは不快感や痛みを感じることが多いです。

個人差はあるものの一般的には、数日から1週間で慣れてきます。

矯正中に虫歯や歯周病になった

1日のほとんどをマウスピースで歯を覆っているため、自浄作用や再石灰化作用がある唾液が歯に行き届かなくなる問題が起こります。これにより、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。インビザライン矯正であれば、マウスピースを外して通常の歯磨きを行なえるため、歯磨きをこれまで以上に徹底することで虫歯や歯周病のリスクを下げることは可能です。

そのほか、歯が動くことで、隠れていた虫歯が見つかったというケースもあります。

インビザライン矯正で後悔しないための対策

インビザライン矯正

紹介した失敗例は、必要な対策を知らなかったために起きたものも多いです。後悔しないように、これからマウスピース矯正を始める人は以下の対策を検討しましょう。

実績や経験が豊富な歯科医院を選ぶ

インビザライン矯正は、矯正治療に関する専門的な知識や経験がない歯科医師でも、メーカーと契約を結べば患者さんに治療を提供することが可能です。そこで重要なのが、実績や経験が豊富な歯科医院を選ぶことです。

「一般歯科医院」よりも「矯正専門歯科医院」のほうが、症例(実績)が多いです。ホームページなどで実績や経験を確認するほか、実際に歯科医師に症例を見せてもらうという方法もあります。

そのほか、歯科医師の資格を確認するのも一つの方法です。日本矯正歯科学会では、矯正治療に関する十分な学識や経験を持つ歯科医師を「日本矯正歯科学会認定医」としています。歯科医院のホームページなどを見て、日本矯正歯科学会の認定医であるかどうかも確認しましょう。

装着時間を守る

治療期間が延びてしまう主な原因が、マウスピースを適切に装着できていないためといわれています。

マウスピースを1日20~22時間は装着する必要があり、自己判断で装着時間を減らすと歯が計画通りに動かなくなってしまうため、決められた装着時間はしっかりと守るようにしましょう。

口内を清潔に保つ

矯正治療中に虫歯や歯周病が悪化すると、それらの治療を優先するために、矯正治療を中断することがあります。この場合も、計画した矯正期間内で治療が終わらない可能性が高いです。

矯正治療中は口内を清潔に保つことが重要で、磨き残しがないようにデンタルフロスや歯間ブラシなども活用しましょう。また、歯科医院でブラッシング指導を定期的に受けることも大切です。

治療後は必ず保定装置(リテーナー)を装着する

後戻りを防ぐには、保定装置(リテーナー)の装着が必須です。歯科医師の指示通り装着時間・期間を守り、保定装置を使用しましょう。

事前にリスクを確認しておく

矯正治療には、計画通りに治療が進まないことがある・歯茎が下がることがある・後戻りすることがあるなどのリスクがあります。どのようなリスクがあるのかについて、歯科医師から十分に説明を受け、納得したうえで治療を開始することが大切です。

また、仕上がりイメージの確認が不十分だと「思っていた仕上がりと違う」という後悔・失敗につながります。仕上がりイメージについても、治療開始前に歯科医師と認識を共有しておく必要があります。

インビザライン矯正についてよくある質問

最後に、インビザライン矯正についてよくある質問と、その回答をご紹介します。

インビザラインの失敗率・成功率は?

歯科矯正学の研究成果などを載せているアメリカの学術雑誌「AJO-DO」では、インビザライン矯正で計画通りに歯が移動した確率、つまり治療の成功率は50%と発表しています。

患者さんの歯並びによっては、インビザライン矯正での歯の移動が難しい場合もあるため、成功率は約50%にとどまっています。


参考:AJO-DO

インビザラインをおすすめしない人は?

まず、重度の不正咬合(ふせいこうごう)の場合、インビザライン矯正では改善が難しいといえます。自己管理ができない人の場合、装着時間を守れない、マウスピースを無くした、歯磨きを徹底しない、途中で通院しなくなるといったケースは治療に失敗する可能性が高くなります。

インビザラインの弱点は何?

インビザライン矯正だけでは歯の移動が難しい場合、ワイヤーやゴムを併用することもあります。

また、患者さん自身でマウスピースを取り外しできるため、装着時間を歯科医師が完全にコントロールできない点も弱点です。

まとめ

インビザライン矯正では、理想の仕上がりにならなかった、歯が後戻りした・歯茎が下がったなどの後悔をした意見が時々あります。

後悔しないための対策は、実績や経験が豊富な歯科医院を選ぶ・装着時間を守る・治療後は必ず保定装置(リテーナー)を装着する、などです。

矯正治療は一度開始すると「やっぱりやめることは困難なため、歯科医師によく相談したうえで治療を開始しましょう。適応になるかどうか不安な方は、まずはカウンセリングに足を運びましょう。


この記事で、インビザライン矯正に対するあなたの疑問や不安が、少しでも解消されたら幸いです。

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