矯正時には親知らずの抜歯は必要?費用はいくら?
公開日:2024/11/26
監修医師
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
目次
親知らずとは?
親知らずとは前歯から数えて8番目(一番奥)に生えてくる上下4本の奥歯を表します。正式名称は第三大臼歯(だいきゅうし)といい、一般的に10代後半から20代前半に生えてくることが多いです。親知らずは生える人と生えない人がおり、4本すべて生える人もいれば1本も生えない人もいます。
親知らずが綺麗に生えてくる人は少なく痛みや腫れや歯並びへの悪影響などのトラブルに繋がってしまう可能性があります(歯ブラシが届きにくい場所であるため虫歯や智歯周囲炎(ちししゅういえん)といったトラブルがみられます)。
抜歯が必須といったわけではなく、真っすぐに生えそろいトラブルがない場合は抜歯不要です。
矯正治療前は親知らずの抜歯が必要?
トラブルが多い親知らずは矯正治療を始めるにあたって抜歯するか悩みますよね。しかし、矯正治療を始めるにあたり必ずしも親知らずの抜歯が必要であるとは限りません。
矯正治療を進めるにあたって親知らずが邪魔となってしまう場合には抜歯となってしまう可能性が高いでしょう。具体的に抜歯が必要となるケースを見ていきましょう。
親知らずが横向きに生えている
親知らずが横向きに生えていて横の歯を押している場合、抜歯が必要となる可能性があります。諸説ありますが隣の歯を押している状態で矯正治療を受けても後戻りするかもしれない恐れがあるためです。
親知らずが虫歯になっている
基本的に矯正治療を始める前に虫歯治療を終えている必要があります。親知らずは位置的に歯ブラシが届きにくい場所であり、虫歯になりやすいリスクがあります。親知らずが虫歯となっている場合は治療も難しく抜歯を選択されることも多くあります。
また、虫歯でなくとも親知らずに痛みを感じた経験やうずいたことがある場合も抜歯が推奨される場合もあります。治療中に痛みを感じると矯正中断の可能性もあるため、注意が必要です。
矯正治療前の親知らずの抜歯はいくらかかる?
親知らずの抜歯は一般的に公的医療保険適用で行うことが可能であり、3割負担であれば平均約2,000円~5,000円前後となります。しかし、矯正治療のために問題がない歯を便宜抜歯する場合は公的医療保険適用外となってしまうことがあるため、注意しましょう。
また、費用に関しては親知らずの生え方によって違います。真っすぐ綺麗に生えている場合は治療費が下がり、親知らずが横向きに生えていて隣の歯を押しているなどの状態であれば口腔外科に紹介されて歯茎を切るなども必要になることがあり、治療費が高くなります。
2023年5月18日 株式会社メディカルネット調べ
親知らずを抜歯せずに矯正した場合のリスク
親知らずを抜歯せずに矯正をすることによって、次のようなリスクが生じることがあります。1つ目は噛み合わせの不良や後戻りです。親知らずが他の歯を押すことによって、歯並びが乱れてしまい噛み合わせ不良や矯正治療後の後戻りが起こってしまう可能性があります。
2つ目は虫歯や歯周病のリスクが高まることです。親知らずは歯ブラシが届きにくい位置にあります。矯正中に虫歯になってしまうと治療が中断されてしまうため、注意が必要です。
まとめ
矯正治療の際に親知らずを抜かなければならないと思いがちですが、必ずしもそういうわけではありません。痛みがあるような場合は矯正治療前に抜歯が必要となってきます。矯正前に抜歯が必要か否かは歯科医院での検査が必要なので、まずは歯科医院に相談しましょう。
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