横顔がしゃくれているのを何とかしたい!3つの原因や治す方法を解説
これまで自分では横顔のしゃくれを気にしたことがなくても、最近になって人から「横顔がしゃくれている」と指摘され、外見に自信が持てなくなっている方もいらっしゃると思います。横顔のしゃくれは見た目の良し悪しに大きく関わるため、治す方法があれば知りたいですよね。
この記事では、横顔しゃくれの原因や、治す方法について詳しく解説します。
公開日:2024/11/25
監修医師
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
目次
この記事の要約
・横顔しゃくれは歯並び(噛み合わせ)か骨格に問題があるタイプの2種類。
・横顔しゃくれの3つの原因は、遺伝、生活習慣、癖・顎の発育異常。
・歯並びに問題がある場合は、歯列矯正による改善がメイン。
・骨格に問題がある場合は、外科矯正による改善がメイン。
・しゃくれ具合が軽度の場合は、舌の筋肉トレーニングで改善でき得る。
横顔しゃくれには2つの種類がある
横顔しゃくれは、歯並び(噛み合わせ)か骨格に問題があるタイプに分けられます。
①歯並び(噛み合わせ)に問題があるタイプ
骨格に問題がなくても、歯並びの悪さによって下の前歯が上の前歯より前に出て、横顔がしゃくれに見える場合があります。正常な噛み合わせの場合、上の前歯が下の前歯に数ミリ被さりますが、歯並びが悪いと、上の前歯よりも下の前歯が前に出ます。これを「(歯性)反対咬合(はんたいこうごう)」や「受け口」といいます。
②骨格に問題があるタイプ
歯並びではなく、骨格に問題があるタイプは、下顎の位置や大きさに異常がみられます。上顎よりも下顎のほうが小さい状態が正常ですが、遺伝などによって下顎のほうが大きく成長して、下顎や下の歯が前方に大きく突き出ることがあります。これを「下顎前突症(かがくぜんとつしょう)」や「骨格性反対咬合」といいます。
横顔しゃくれかどうかを確認する方法【Eラインをチェック】
横顔しゃくれかどうかをセルフチェックする方法の一つとして「Eライン(エステティックライン)」があります。Eラインは、横顔の鼻の先端から下顎の先端を直線で結ぶラインのことで、このライン内もしくはライン上に唇が納まっていると美しい横顔だと考えられています。唇がラインよりかなり離れていると下顎が出ている可能性が高いです。
横顔しゃくれの3つの原因
横顔しゃくれがなぜ起こるのかを解説します。
遺伝
骨格や歯並びは、個人差はあるものの、両親から子へ遺伝します。両親のどちらかが横顔しゃくれの場合、子に遺伝する可能性があります。
生活習慣や癖
顎が成長する時期に、生活習慣や癖で顎の発育の悪影響につながり、横顔しゃくれを引き起こすことがあります。具体的には、口呼吸・指しゃぶり・爪噛み・頬づえや、軟らかい食べ物ばかりの食生活です。
顎の発育異常
病気などで下顎が過剰に成長・発育することで、横顔しゃくれを引き起こすケースもあります。上顎に比べて下顎は思春期以降もしばらく成長を続けるため、徐々に横顔しゃくれが目立ってくる場合もあります。
横顔しゃくれを治す方法
横顔しゃくれは以下の方法で改善を目指せます。
歯並びのみに問題がある場合は歯列矯正
上の前歯よりも下の前歯が前に出ている反対咬合は、歯列矯正で整えることができます。
表側矯正
表側矯正とは、歯の表側(唇側)にブラケットとワイヤーを装着して力を加え、歯を動かしていく治療法です。幅広い症例に適応できます。
歯列全体を矯正する場合、費用の目安は600,000円~1,200,000円程度、治療期間の目安は1年~3年程度です。
2024年9月 株式会社メディカルネット調べ
裏側矯正
裏側矯正は、歯の裏側(舌側)にブラケットとワイヤーを装着する治療法です。笑ったときなどにも矯正装置が目立ちにくい点がメリットです。
歯列全体を矯正する場合、費用の目安は1,000,000円~1,700,000円程度、治療期間の目安は1.5年~3年程度です。
2024年9月 株式会社メディカルネット調べ
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、マウスピース型の矯正装置を歯に装着し、少しずつ歯を動かしていく治療法です。マウスピースは薄く透明なため、装着していても目立ちません。また、マウスピースは取り外し可能なため、食事や歯磨きをこれまでどおりにできるという特徴があります。
歯列全体を矯正する場合、費用の目安は600,000円~1,000,000円程度、治療期間の目安は1年~3年程度です。
2024年9月 株式会社メディカルネット調べ
骨格に問題がある場合は外科矯正
骨格に問題がある場合、矯正治療に加えて上下の顎を切って動かす外科矯正という治療が必要になります。
矯正のみで改善できない顎変形症と診断された場合、公的医療保険適用で外科矯正を受けられます。費用の目安は800,000円程度、治療期間の目安は1.5年~3年程度です。自費診療となった場合、2,000,000円以上の高額な費用がかかることもあります。
2024年9月 株式会社メディカルネット調べ
しゃくれ具合が非常に軽度の場合は舌のトレーニング(ミューイング)による改善も可能かも
非常に軽度の横顔しゃくれであれば、「ミューイング」によって改善できる場合があります。
ミューイングは、矯正歯科医師のマイク・ミューと大学教授のジョン・ミューが考案した、口腔姿勢トレーニングです。舌の位置と姿勢を正すことで、顎骨や歯並びをより良い位置へ導きます。
ミューイングのやり方は以下3ステップです。
1.舌の根元を上顎の軟らかい部分にぴったりと付ける
2.舌先を上顎の硬い部分(前歯の裏側付近)に付ける
3.胸を開いて姿勢を正す
*基本的には矯正治療による改善が一般的です。ミューイングの詳しいやり方やメリットについては『ミューイングは本当に効果があるのか?やり方や舌を鍛えるメリットも』の記事をご覧ください。
まとめ
横顔がしゃくれている場合、歯並び(噛み合わせ)のみに問題があるタイプと、骨格にも問題があるタイプに分かれます。横顔しゃくれを治す方法としては、歯並びに問題がある場合は歯列矯正、骨格に問題があるタイプなら外科矯正となります。また、しゃくれ具合が軽度の場合は、舌のトレーニングで改善できるかもしれません。
基本的には、横顔しゃくれを自力で治すことは難しいため、気になる場合は歯科医院の受診をおすすめします。この記事で、横顔しゃくれに関するあなたの悩みが少しでも解消されたら幸いです。
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