一本だけ歯の位置の悪い歯並びを治したい！部分矯正やセラミック矯正、費用相場を紹介

歯列の中で一本だけ治したい歯がある、というケースであっても、歯列矯正でその部分だけ治療することは可能です。治療の難易度はやや高くなってしまいますが、お口の中の状態によっては、最小限の歯を動かすだけで歯並びを改善できる可能性があるかもしれません。

ただし、歯並びなどの状態によっては、歯を一本だけ治すのではなく、他の歯も含めた部分矯正が良いケースもあります。無理に歯を一本だけ動かすことに固執しないようにしましょう。

部分矯正は、悪い歯並びの部分だけを動かす治療法です。歯列全体を動かす全体矯正では60~120万円の費用が必要になることも多いですが、部分矯正では動かす歯の数が少ないため、治療費用を10~70万円と比較的安価におさえることが可能になります。
また、治療に必要な期間も全体矯正では1~3年必要となる可能性があり、部分矯正では3カ月~1年と短く済むことも多いです。ただし、場合によっては歯を動かすスペースを生み出すために歯を削る処置（IPR）が必要で、仕上がりにある程度の妥協が必要となる可能性があります。


2024年8月　株式会社メディカルネット調べ

マウスピース矯正はその名の通り、マウスピース型の装置を使って歯を動かす治療法です。治療進捗や歯の動き方に応じて定期的にマウスピースを交換し、3ヵ月~1年かけて少しづつ理想の歯並びに近づけていきます。透明なマウスピースを使用するため、外から見て目立ちにくく、矯正中に気づかれる可能性が低い点が特徴です。

マウスピースは治療中であっても取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際に装置が汚れたり、違和感も少ないです。しかし、マウスピースは歯を動かす力が比較的弱いことに加え、治療中は1日20時間ほどマウスピースを装着する必要があるため、患者さんには担当医の指示をしっかりと守る高い自己管理能力が求められます。

ワイヤー矯正は、「ブラケット」という装置を歯に取り付け、ワイヤーを通すことによって、3ヵ月~1年かけて歯を動かしていく治療法です。歯列矯正の中でも最もポピュラーな治療法であり、治療実績も豊富で、幅広い症例に対応できる点が強みです。

主なデメリットとしては、自分で取り外しができないため歯磨きが難しくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまう点や、歯に金属のブラケットやワイヤーを取りつけることによって、矯正中であることが他の人に気づかれやすい点です。透明や白色の矯正装置を使うことによって、審美的な問題をある程度軽減できます。

裏側矯正は、歯の裏側にブラケットを装着してワイヤーを通し、歯を動かしていく治療法です。歯の裏側に装置を装着するため、通常のワイヤー矯正に比べて外から見て目立ちにくい点が大きな特徴です。裏側に装置があることによって、歯の表面や唇、頬を傷つけにくい点もメリットです。

矯正装置が歯の裏側にあるため舌に当たりやすくなり、舌を傷つけたり、発音の悪化につながってしまう可能性もあります。表側にブラケットがある場合に比べて歯磨きも難しくなるため、虫歯や歯周病のリスクも上昇します。治療期間は2~3年と通常のワイヤー矯正に比べて長くなることもあり、矯正装置がオーダーメイドのため治療費もより高額になりやすい傾向にあります。

セラミック矯正は、歯を削ってセラミックで作られた被せ物を装着することによって、歯並びを整えていく治療法です。他の治療法とは異なり歯を動かさないため、早ければ1カ月程度と治療期間が非常に短い点が大きな特徴です。さらに、矯正器具の装着に伴う痛みも発生せず、素材が目立たないため他の人に気づかれにくいという点も明確な強みとなります。

ただし、セラミックの被せ物を装着する際には歯を大きく削る必要があるため、歯の寿命を縮めることにつながってしまいます。さらに、歯一本につき10万円程度と治療費も高額になりやすいことに加え、歯を動かす治療法ではありません。審美面の改善を主な目的とした治療となる点に注意しましょう。

2024年8月　株式会社メディカルネット調べ

歯並びが一本だけ極端に悪くなってしまう原因の多くは、歯と顎の大きさが合っていないことにあります。例えば、骨格が歯の大きさに比べて小さいと、歯が綺麗に並ぶためのスペースが不足してしまい、歯並びの悪化に直結することになります。

また、両親の顎の骨格が良くない場合、子供に遺伝してしまうことによって、歯並びが悪くなってしまうケースもあります。加えて、指しゃぶり、頬杖、爪や唇を噛む、舌を置く位置の悪さといった悪癖の影響で歯並びや顎の形が歪んだり、食生活の乱れによって顎骨の発達が阻害されて、歯並びの悪化を招くこともあります。

日本矯正歯科学会が定めている認定医の資格は、矯正治療の分野における一定の知識や経験を認めるものです。そのため、この資格を持つ歯科医師が歯科医院に在籍しているか否かは、矯正治療を受ける医院を決める際のポイントの一つとなります。

歯を一本だけ治す矯正治療は、矯正治療の中でも難易度が高いです。そのため、信頼できる歯科医師のもとで治療を受けられるかどうかは非常に大事です。

治療を始める前に担当歯科医との間で相談をしっかりと行い、矯正治療において患者さんが特に重視している点や、最終的な仕上がりの理想像について共有するのは大切です。治療が終わった時のイメージをあらかじめ歯科医師に伝えておくことによって、治療終了後の歯並びが患者さんにとって満足のいく仕上がりに近づきます。

担当歯科医が患者さんにとって気軽に相談がしやすい人物であるかどうかは、治療する歯科医院を決める際に確認しましょう。自分の意見を伝えられなかったことが原因で後悔の残る結果に終わってしまわないよう、担当歯科医の性格が合うかどうかも重視しておきましょう。

最初から一つの歯科医院に決めてしまうのではなく、複数の歯科医院で矯正治療のカウンセリングを受けたうえで、最も自分に適した医院を選びましょう。矯正治療の場合、歯科医院によって治療の可否や治療計画が変わったり、必要な費用が分かり、担当歯科医との相性を確かめることもできます。

コミュニケーションを取りやすい医院であるかどうかは、複数の歯科医院に足を運んで比較しないと把握するのが難しいです。より自分にとって適した治療を受けられるようにするためにも、複数の選択肢から吟味できる状況を作り出すことは重要です。

歯並びの悪さが非常に軽度であれば、一本の歯だけを治すための矯正治療ができます。その際の治療法には大きく分けて、部分矯正とセラミック矯正の2種類があります。治療法によって必要な費用は異なってくるものの、矯正治療は基本的に保険の適用外となるという点には注意が必要です。

ただし、歯並びの状態によっては部分矯正やセラミック矯正では対応できず、全体矯正の必要性が出てくることもあります。専門的な判断を仰ぐためにも、まずは歯科医院に足を運んで歯科医師に相談したうえで、適切な治療計画を立てていくことをお勧めします。