親知らずや抜いた歯は保存できる!歯を失った時に活用する方法
親知らずがあって歯磨きが難しく虫歯になるなどの悪影響が出た場合は親知らずを抜歯したほうが良いかもしれません。親知らずを抜いてそのまま捨ててしまうのは、健康な歯なのにもったいないと感じますよね。
この記事では、親知らずや抜いた歯を保存する方法について詳しく解説します。保存にかかる費用や、将来の活用方法なども参考にしてみてください。
公開日:2024/06/13
監修医師
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
目次
親知らずや抜いた歯は「冷凍保存」できる
抜歯した親知らず・その他の歯は冷凍保存が可能です。
歯を保存するには-196℃の液体窒素に入れ、歯を生きたまま冷凍保存しなければいけないため、歯の冷凍保存事業をしている専門の機関などに預ける必要があります。
自宅で歯を保存できるわけではないことに注意しましょう。
また、昔抜いた歯を自宅で保存していた場合に、改めて歯を冷凍保存することもできません。
冷凍保存をしていた歯は、将来虫歯・歯周病・事故などで歯を失った際に、歯が抜けた部分に保存していた自分の歯を移植することができます。これを「自家歯牙移植」といいます。
どの歯でも保存できるの?
冷凍保存の対象となるのは、親知らずと小臼歯のみです。
小臼歯とは、前歯から数えて4番目と5番目の歯のことで、上下左右合わせて8本あります。親知らずは生えない人もいますが、最多で上下4本、小臼歯と合わせて計12本の歯が冷凍保存の対象となります。
それ以外の歯は、基本的には保存できません。
歯を失ったときに、保存した歯を活用する2つのメリット
親知らずや抜いた歯を冷凍保存する必要はあるのでしょうか?
歯を保存した場合に得られる2つのメリットをご紹介します。
噛み心地や歯ざわりを感じることができる
自家歯牙移植が成功すると、歯根膜も再生することができます。
歯根膜とは、歯根と歯槽骨(歯を支える骨)の間にある薄い膜のことで、食べ物を噛む際にクッションの役割を果たします。
歯根膜があることで、快適な噛み心地や歯ざわりを感じることができ、インプラント以上に歯の機能を取り戻すことができるといえるでしょう。
矯正治療で動かせる
自家歯牙移植によって再生された歯は、通常の歯(天然歯)と同様に矯正治療によって移動させることができます。
移植後、歯並びが気になった場合に矯正治療で治すことができる可能性が高いでしょう。
抜いた歯を保存する2つのデメリット
抜いた歯を冷凍保存して将来的に活用する場合、以下のようなデメリットもあります。
自分自身の歯なので虫歯になる
自家歯牙移植の歯は自分自身の歯のため、移植後に歯が虫歯になる可能性があります。
インプラントは虫歯にならないため、インプラント治療との大きな差といえます。
治療に活用するには一定の条件がある
自家歯牙移植をするには、一定の条件を満たす必要があります。
具体的には、顎の骨や歯肉の中に埋まっている・神経が生きている・歯根が複雑に絡まるなどしていない・歯根の湾曲が少ない、などです。被せ物をするなど大きな虫歯治療をしていると保存・活用できないと診断されることがあります。
また、歯を保存していても、次に歯を失った際に必ず活用できるわけではありません。
抜いた歯のサイズや病状によっては歯を保存しても移植できないこともあります。
親知らずや抜いた歯の保存はいくらかかる?
親知らずや抜いた歯の冷凍保存は、公的医療保険が適用されません。
全額患者さんが自己負担する自由診療であり、費用の目安は、検査費用・冷凍保存料(20年間の場合)・輸送費用を合計して、1本あたり約12万円前後です。
2024年6月 株式会社メディカルネット調べ
親知らずや抜いた歯を保存するにはどうしたらいい?
まずは、歯の保存を行っている・提携している歯科医院で相談してみましょう。
相談・検査・診断を受けて歯を保存できるとなったら、以下の流れで保存します。
①抜歯
歯科医院にて親知らずなどの保存したい歯を抜きます。
②輸送
抜いた歯を専用の容器に入れ、保存先の病院などへ輸送します。
歯科医院側で作業・輸送してくれることがほとんどです。
③保存
輸送された先で、液体窒素やプログラムフリーザーなどの中で冷凍保存されます。
保存した歯を活用する際には保存先に連絡し、治療を受ける歯科医院へ送り返してもらうことになります。
この際、保存している機関と提携している・自家歯牙移植に対応している歯科医院でしか自家歯牙移植が行えない点に注意しましょう。
親知らずや抜いた歯の保存方法~よくある質問Q&A~
最後に、親知らずや抜いた歯の保存方法についてのよくある質問をまとめました。
すぐに保存できる?
血液検査で感染症の有無を確認後に保存できます。
「今日この後歯科医院で抜く歯を保存したい」「抜いて手元にある歯を保存したい」などは対応できないため注意しましょう。
以前抜いた親知らずの保存は可能?
歯の保存は、抜いた直後に専用のケースに入れ、専用の機関へすぐに輸送、冷凍保存する必要があります。
抜いてから時間が経過した歯は保存できません。
保存できる年数はどのくらい?
保存先によりますが、10~20年、最長40年間預けられる場合もあります。
更新制のこともあるので、よく確認してください。
自分以外にも移植できる?
保存した自分の歯は、自分にのみ移植可能です。
家族や血縁関係者であっても移植はできません。
移植はいつでもできる?
まずは抜歯した歯科医院にて、移植についてご相談ください。
保存していた歯が歯科医院に配送されれば、移植を受けることができます。
まとめ
歯の保存は、親知らずと小臼歯のみが対象です。
保存した歯は、将来歯を失った場合などに自分に移植できますが、メリットだけでなくデメリットもあります。歯の保存にも費用がかかりますので、移植のメリットデメリットを治療前によく確認し、将来的に移植を希望するかどうかを考えてから保存しましょう。
抜歯する予定があり、将来のために保存したいと考えている方は、歯科医師に相談してみてはいかがでしょうか。
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