リテーナーの費用が知りたい! 矯正治療完了後にかかる費用は?
長い長い矯正治療が終わり、矯正治療から解放される!と思ったのに…リテーナーを渡されて「1日中付けていてください」!
リテーナーの装着は、矯正治療の一部。
動かした歯が元の位置に戻ってしまわないように歯の位置を保つ(保定)ための矯正装着です。
リテーナーをしっかり使うところまでが矯正治療ですが、リテーナーは一体いくらするのでしょうか?
なくしてしまったり、壊れたら作り直してもらえるのでしょうか。
リテーナーの費用についてご紹介します!
公開日:2023/04/24
監修医師
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。
歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。
2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
目次
リテーナーにはどんな種類があるの?
リテーナーの費用を知りたい場合、まずはリテーナーの種類を確認しましょう。
一口にリテーナーと呼びますが、いくつかのタイプのリテーナーがあり使用方法や費用が異なります。
リテーナーの種類や費用を知りたい場合、場合、歯科医院のホームページなどに記載されていないかチェックしてみてください。
ベッグタイプ
歯全体をワイヤーで取り囲むタイプのリテーナーで、取り外しができ、自分自身で管理することが必要です。
抜歯を伴う矯正治療が終わった後に歯を抜いて閉じた隙間が開かないように用いられることが多いのも特徴です。
上の前歯の表側をワイヤーが通るため、いわゆるブラケットやワイヤーが外れた後も見える状態が続きます。
ホーレータイプ
ワイヤーが前歯を取り囲むタイプのリテーナーです。
歯全体をワイヤーが通るベッグタイプリテーナーよりは目立ちにくいですが、口を開けたときに前歯を通るワイヤーが見えます。
前歯を固定するのが主目的であり、抜歯を伴わない矯正治療の後に用いられることが多いです。
マウスピースタイプ
矯正治療直後の整った歯並びを型取りして作製されたマウスピースをリテーナーとして使用する方法です。
マウスピースは透明なため、リテーナーをしていても気付かれにくいのが特徴。
ベッグタイプリテーナーやホーレータイプリテーナーとは異なり、歯の噛む面も覆うことが多いため食事の時は必ず外します。
フィックスタイプ
前歯の裏側に細いワイヤーを直接貼り付けて歯を固定する方法です。
歯に接着してしまうため、患者さん自身での取り外しはできません。
また、歯に直接貼り付けているため、フィックスタイプリテーナーの回りに汚れがたまりやすかったり歯磨きがしづらい、フロスが通らないなどのデメリットもあります。
ただし、取り外しができないので後戻り防止に有効的です。
スプリングタイプ
下あごの前歯に装着するリテーナーです。
ガタつきが強い下あごの前歯は矯正後に後戻りが起こりやすいです。、下顎の前歯(犬歯から犬歯まで)をしっかりと固定すれば全体的な後戻りも最小限に抑えられるという考え方もあり、非抜歯症例の保定装置や矯正後の前歯のわずかなガタつきがみられる場合の矯正治療に使われることもあります。
小さくまとまった形をしているため、使用感に優れている点も特徴です。
矯正完了後のリテーナーの費用はいくら?
それでは、リテーナーを作るための具体的な費用は、いったいどれくらいになるのでしょうか?
種類別の平均的な費用としては、ベッグタイプとホーレータイプが約3万円、マウスピースタイプが約5500円(片顎)、フィックスタイプが約22000円、スプリングタイプが約25000円となっています(クリニックにより大きな違いがありますので、お問合せください)。
ですが、矯正治療後に初めて作るリテーナーは矯正治療費に含まれていることもあります。
矯正治療後のリテーナーは欠かせないものであり、矯正治療の一環だからです。
しかし、最初に作ったリテーナーをなくしてしまったり壊してしまった場合、再作製の費用がかかることがあります。
壊れた、リテーナーが適合しなくなった場合の再作製費用についても事前に確認しておきたいですね。
リテーナーの作り直し期間はどうしたらいい?
リテーナーを作り直す時は、費用だけでなく再作製期間がかかります。
修理が可能な程度のわずかなリテーナーの破損であれば、通院当日に歯科医院で修理をしてもらえることもあるでしょう。
ですが、リテーナーの破損部位や破損程度によってはリテーナーの作
り直しや、歯科技工士と呼ばれる被せ物やリテーナーを作るプロに修理を依頼しなくてはいけないこともあります。
多くの場合、外注による再作製となるため、リテーナーが医院に届くまで短くて2~3日、長いと1週間ほどかかるでしょう。
また、リテーナーを紛失してしまった、大きく壊れてしまった場合は、当然リテーナーの作り直しが必要です。
この場合も、リテーナーが作りあがるまで期間がかかります。
修理や再作製期間中に患者さんはリテーナーを使うことができません。
すなわち、後戻りしてしまう可能性が出てきます。
1週間ほどであれば大きな後戻りはしないといわれていますが、不安な場合は担当の歯科医師に不安であること、代わりに何かできないか聞いてみてくださいね。
マウスピースを即日作成できる歯科医院の場合、一時的なリテーナーとしてマウスピースを作ってもらえることもあります。
もしリテーナーをなくしたり壊してしまった場合は、修理や再作製期間がかかることも考慮して、できる限り早く歯科医院へ行きましょう!
リテーナーを作り直すのはどんな時?
リテーナーを作り直すシチュエーションとしては、リテーナーが壊れた、あるいはなくしてしまった患者さんが多いようです。
稀に、汚れやにおいが気になってきたので新しいリテーナーに交換したい、と作り直すこともあるようです。
また、念のためリテーナーの予備を用意しておきたい、あるいは違う種類のリテーナーに変更したいといった理由で、新しいリテーナーを作ってもらうこともあります。
リテーナーはいつまで使うの?
矯正治療終了直後は食事や歯磨き以外の時間にリテーナーを装着するよう指導されることが多いです。
矯正治療直後はまだ動いた歯が安定しておらず、後戻りしやすい状態です。
また、抜歯矯正など歯を大きく動かした患者さんほど、注意が必要です。
一般的に矯正で歯を動かした期間と同じ期間はリテーナーをしっかりと使う必要性があることを教科書に記載されています。その後は徐々に使用時間が短くなっても良いので後戻りしないように使用し続けることをお勧めします。
外出時以外、日中以外、就寝時のみ…など無理のない範囲でリテーナーの装着時間を調整していきましょう。
リテーナーは矯正治療後も一生使うべきであるという意見もあり、歯科医師の考え方によってはリテーナーを付ける時間を短くしない・リテーナーの装着をやめないこともあります。
でもリテーナーも大変だからいつかは外したい…という場合は、本記事を参考に装着時間を減らしたり、違うリテーナーを試してみても良いかもしれません。
※リテーナーを歯科医師の指示通りに使用せず、ご自身で調整された場合に起こった後戻りやトラブルは患者さんの責任となります。
本記事を参考にされた場合も責任は負いかねますのでご了承ください。
まとめ
リテーナーの種類はさまざまで、作製に必要な費用も期間も異なります。
また、使用期間や使用方法もリテーナーや患者さんのお口の状態によって変わってきます。
インターネット上でリテーナーに関する一般的な情報が見られますが、必ずしも使用方法がご自身に当てはまるとは限りません。
間違った使い方をしてしまうと、リテーナーが壊れてしまう可能性があるほか、自分自身の歯を傷付けてしまったり矯正治療で整えた歯並びや嚙み合わせが狂ってしまうこともあり得ます。
リテーナーの使い方は歯科医師とよく相談し、壊れてしまった・なくしてしまったときは、できる限り早く歯科医師に連絡して再作成してもらってくださいね!
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