アライナー矯正に関する基礎知識
アライナー矯正とはどのような矯正方法でしょうか。
当記事ではアライナー矯正について、適応症や費用、効果などについてお伝えします。
公開日:2023/04/03
監修医師
歯科衛生士:中村 優佳
国立大学歯学部卒業後、歯科衛生士として勤務。
同時取得した養護教諭免許も活かし、患者様の口腔内のケアを通して全身の健康をサポートさせていただいております。
〈取得資格〉
・歯科衛生士国家資格
・養護教諭一種免許状
・ホワイトニングコーディネーター
・日本歯周病学会認定歯科衛生士資格取得
〈所属学会〉
・特定非営利活動法人 日本歯周病学会
・一般社団法人 日本歯科審美学会
目次
アライナー矯正とは
アライナー矯正とはマウスピース矯正のことで、透明のマウスピース型矯正装置を歯に装着して歯並びを整えていく矯正方法です。
理想の歯並びになるまでマウスピースを交換しながら治療が進んでいきます。
アライナー矯正とブラケット矯正の違い
アライナー矯正は、マウスピースを装着して歯並びを整えていくため装置の取り外しが可能です。
歯の表面に金属のブラケットがつかないため、他者に気づかれにくい矯正方法です。
一方、1日20~22時間は装着しておかなければならないので自己管理が必要となります。
ブラケット矯正は、歯の表面にワイヤーを通すためのブラケットという装置をつけます。
ワイヤーもブラケットも取り外しができない矯正方法ですが、表側矯正だけでなく装置を裏側につける舌側矯正もあります。
アライナー矯正はどんな人におすすめ?
アライナー矯正はどのような人に向いているでしょうか?
下記にご紹介します。
アライナー矯正が適している人
抜歯をする必要がない方
歯列不正の状態が著しい場合、抜歯を伴う矯正が必要ですが、抜歯をしなくても歯が並べられそうな軽度の歯列不正の方の場合はアライナー矯正で並べられることが多いです。
自己管理ができる方
マウスピースは1日20~22時間装着する必要があるので、自己管理ができる方が対象となります。
またマウスピースをなくしてしまったり不潔にならないようにお手入れしたりといった管理も必要です。
人前で話す機会が多い方
職業柄、人前でお話する機会が多い方もアライナー矯正だと気づかれにくいのでおすすめです。
短時間であれば外しておくことも可能です。
またブラケット矯正と比べて滑舌にも影響しづらいです。
金属アレルギーがある方
アライナー矯正の場合、金属を使用しないので金属アレルギーをお持ちの方にも安心です。
アライナー矯正が適さない人
抜歯が必要で歯を動かす距離が大きい方
アライナー矯正はマウスピースの装着により歯列全体に比較的弱い力をかけて歯を動かします。
歯列から大きくはみ出た歯がある方や大きな隙間がある方は抜歯が必要なケースもありますのでダイナミックな動きを必要とする矯正治療ではアライナー矯正ではなくブラケット矯正の方が適しています。
自己管理ができない方
ブラケット矯正もセルフケアといった自己管理は必要ですが、アライナー矯正ではマウスピースの装着や清掃を患者様に委ねる治療ですので自己管理ができない方だと治療を成功させることが難しくなります。
骨格的な問題で顎の骨の手術が必要な方
出っ歯や受け口の理由が歯の傾きや位置の異常によるものではなく骨格性のものである場合は顎の骨の手術が必要となりますのでアライナー矯正では改善することができません。
アライナー矯正の期間と費用について知ろう
アライナー矯正の治療期間や費用は動かす歯の本数などによって大きく異なりますが、だいたい約1~2年程度で15~120万円程度となります。
1、2本の歯を動かす場合は10万円程度の場合もあり、上下いずれかだと40万円程度、上下どちらもの場合60~80万円程度が一般的です。
治療の流れは次のようになります。
①カウンセリング
自分の歯はアライナー矯正の適応なのか、概ねの費用や期間についてのカウンセリングを行います。
②診査・診断・治療計画の立案
レントゲン写真の撮影や歯の型取りなどをして歯科医師が診査・診断・治療計画を立案します。
患者様との同意のもと、治療に取り掛かります。
③アライナー製作
型取りをもとにアライナーが作られてきます。
④矯正治療開始
使い方やお手入れ方法などの説明を受け、治療がスタートします。
次回来院分までのマウスピースを受け取り、自己管理のもとマウスピースの装着と交換を続けます。
⑤通院またはアライナーの定期的な交換
歯の表面に歯と同じような色の突起(アタッチメント)を装着したり、その管理をしてもらったり、マウスピースの管理ができているか、歯が予定通り動いているか、お口の中の衛生状態などの確認のために定期的に通院をします。
⑥治療終了
予定していたアライナーを全て使い切った後、調整が必要な部分があれば微調整を行い、治療が終了となります。
歯が並び終わった後は後戻りしないようにするための保定が必要となります。
マウスピースの継続使用や歯の裏側に細いワイヤーを貼り付けて固定する方法がとられることが多いです。
アライナー矯正で後悔しないために
アライナー矯正は自己管理を伴う矯正方法です。
自己管理に自信がなかったり、歯科医院側の適さない症例に対する無理な治療の提案を受けたりしてしまった場合、結果的に理想の歯並びに近づけないこともあります。
目立ちにくい、短期間でできる、費用が安いなどの目先の言葉に惑わされず、ご自身での情報収集や何件かの歯科医院に赴き相談するなどといった方法をおすすめいたします。
まとめ
アライナー矯正は適応症例の方の場合、目立ちにくく痛みの少ない矯正方法のため、メリットが多いです。
一方で、適応しない場合などもありますのでご自身でも責任をもって治療の選択をされることが大切です。
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