メジャーな矯正!?エッジワイズ装置
歯の表面にブラケットという四角い装置を接着し、ワイヤーを通して歯を動かすのが皆さんのイメージする歯列矯正でしょう。
歯科では「エッジワイズ装置」という総称で呼ばれていますが、一般の方は実際にどのようなものがエッジワイズ装置なのか分かりませんよね。
本記事では、エッジワイズ装置のメリットやデメリットなども含めて解説していきます。
公開日:2022/10/04
監修医師
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
目次
エッジワイズ装置って何?
冒頭で説明したように、エッジワイズ装置とは歯に四角いブラケットを接着剤で装着し、様々な形体のワイヤーを装着して歯を3次元的に動かしていきます。
ブラケットの材質ですが、昔メジャーであった金属はもちろん、見た目が目立たないプラスチックやセラミック製のものも普及しています。
ワイヤーの形体については、丸形、正方形、長方形のタイプがあり、歯の動かし方に合わせて変更していきます。
ホワイトワイヤーという白い金属でコーティングしたワイヤーもありますので、見た目が目立ちにくいワイヤーを選択することが可能です。
ワイヤー自体は金属製以外ありませんが、様々な材質でできたワイヤーが登場しているので、金属アレルギーがあってもワイヤーでの矯正が全く受けられない可能性は低いです。
エッジワイズ=ワイヤー矯正
エッジワイズ装置は基本的にブラケットとワイヤーを使用した矯正治療であると認識いただいて問題ありません。
実際に矯正治療を受けるために歯科医院や大学病院の一部で実施されている無料カウンセリングを受けると、どのような方法で矯正治療を受ける可能性があるのかを教えてくれます。
その時に「エッジワイズ装置を使って歯列矯正を行う予定です。」のような言われ方をされることは無いでしょう。
エッジワイズという言葉を一般の方が知っていることはまず無いからです。
「歯並びや噛み合わせを治すために、ワイヤー矯正が必要です。」のようなアドバイスを受けると思います。
エッジワイズ装置を選ぶメリット・デメリット
エッジワイズ装置を使った治療のメリットやデメリットを解説します。
メリットは以下の通りです。
・ほぼすべての症例に対応可能
・矯正力が24時間持続する
・転院時の対応が受けられやすい
どんな症例にも対応できる点ですが、抜歯が必要な矯正の場合でもワイヤーによる矯正は可能です(マウスピース矯正でできないわけではありませんが、かなり慎重に歯を動かす必要があります)。
エッジワイズ装置はご自身で取り外しができないため、矯正力が24時間作用します。
放置しても歯は動き続けます。マウスピース矯正の場合、マウスピース自体は取り外しができるので、装着しなければ歯は全く動きません。
さらに、エッジワイズ装置であれば、転勤などによる遠方への引越しの際に転院が必要になった時の対応が受けられやすいです。
ブラケットやワイヤーを装着するための共通の器材を持っていることも多いため、転院した歯科医院で継続して矯正治療を受けられる可能性があります(事前に歯科医院への問い合わせをすることをおすすめします)。
次に、エッジワイズ装置のデメリットを紹介します。
・費用が高い(保険が適応されない)
・毎月の調整が必要である
・取り外しできないため虫歯や歯周病のリスクが上がる
ワイヤーやブラケットなどの必要な器材に加えて、ワイヤーの交換やブラケットの装着し直しなどの調整が毎月必要になるため、費用が高額になりがちです。
また、基本的に矯正治療は自由診療になるため、保険でカバーされません。
ワイヤーやブラケットはご自身で外せないため矯正力が持続的に作用するという大きなメリットがありますが、裏返すと外したくても外すことが出来ないという意味です。
取り外しができないので、歯ブラシで上手く磨くことができず、虫歯や歯周病になるリスクが高いです。
ワンタフトブラシや歯間ブラシなどのツールを活用して矯正装置と歯の間をキレイに磨く必要があります。
まとめ
矯正治療は年単位の長い歯科治療です。
エッジワイズ装置(ワイヤー)による矯正治療を現在検討されているのであれば、本記事に記載されているメリットやデメリットを参考にしていただけると嬉しい限りです。
担当する矯正歯科の先生とよく相談して決めることも非常に大事なので、まずは矯正歯科のクリニックなどで実施されている無料カウンセリングなどを受けて、ご自身のお口の中の状況を把握し、矯正装置の種類、費用、期間などを確認することから始めると良いでしょう!
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