高校生でも矯正治療はできる? 費用・支払い方法
口元は顔の印象を左右するので、できれば歯並びは早めに整えておくのがベター。
しかしその分高額の費用がかかる治療です。
高校生が自分でお金を払って矯正治療はできるのでしょうか?
公開日:2022/08/15
監修医師
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。
歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。
2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
目次
高校生でも矯正自体は可能
もちろん、高校生であっても歯列矯正をすること自体は問題ありません。
歯列矯正は長い期間がかかるほか、定期的に通院も必要になるため、大学生・社会人と忙しくなるにつれて、都合がつきづらくなります。
むしろ、比較的時間の融通がきく高校生の頃に治療を済ませておいた方が良いということもあるかもしれませんね。
高校生が矯正治療を払うことは難しい
親御さんにお金を出してもらうのでなければ、自分でお金を出して治療することになりますが、高校生のアルバイト代で歯列矯正の治療費をまかなうのは非常に難しいでしょう。
アルバイト代が103万円を超過すると所得税・住民税の支払い義務が発生し、さらに130万円を超えると親御さんの扶養からも外れることになるため、高校生は103万円以内で稼ぐのが一般的です。
それに対して、歯列矯正の治療費はたいてい100万円前後かかります。
仮にアルバイト代全額を歯列矯正に充てるとしても1年は貯金しなくてはなりませんが、それは結構難しいですよね。
ほとんどの高校生は交際や趣味にもお金を使うでしょう。そうすると、歯列矯正費用を貯めるのには最低2~3年程度かかることが見込まれます。
高校生はローンが組めない
「一括で払えないならローンを組む」といった選択肢も考えられるでしょう。
しかし、高校生が自らローンを組むことは現実的に難しいです。
第一に、高校生は学業が本分で、さらにアルバイトは「シフト制」。月々決まった金額を稼げるとは限りません。
ローンを組むためには「安定した収入」が必要条件です。個人やアルバイト先の都合で収入が変動するアルバイトを職業とする場合、ローンが通りません。
また高校生のローンが通らないもう一つの理由は、ローン会社が損害を被るリスクを避けるためです。
未成年者が独断で結んだローン契約は、「未成年者取り消し」といって、親が無効にすることができます。未成年者は、法律上の決まりを守る能力が低いとみなされているからです。
一度交わした契約を取り消された際、損をするのはローン会社側。このため、リスク回避を目的として、未成年は貸付の対象としていない会社がほとんどとなります。
高校生が矯正費用を払うには?
親にローンを組んでもらう
自分でローンを組めないなら、親に契約してもらいましょう。
書面上は親が契約者になり、親を通してローン会社へお金を支払ってもらう流れです。
実際にお金を支払うのが自分であれば、契約する上での親への説得もできるかもしれませんね。
契約の手間は掛けることになりますが、親の同意さえ得られれば問題はほとんど解決できます。
歯科医院の分割払いを使う
これまで一括支払いを前提として話を進めてきましたが、歯科医院によっては独自の「分割払い」を用意していることもあります。
アルバイトの平均的な月額収入を伝えるなど交渉次第では、高校生でも分割払いを使わせてもらうことができるかもしれません。
ただし、ローン会社と同様、払えなくなった・契約解除となった場合、発生する負担は歯科医院側が背負うことになりますから、分割払いを高校生が使うことは難しい可能性が高いです。
お金を貯めてから始める
歯列矯正を始めるには、まず複数の歯科医院に費用を見積もってもらってください。その中で治療法や医師への信頼感なども加味して、費用の比較的安い歯科医院に頼むのが良いでしょう(ただし、安さだけで選ばないように注意です)。
1番良いのは、自分で支払えるようにコツコツお金を貯めておくことです。
安い矯正に注意!
お金が足りないからといって、比較的安価な矯正や、安さ自体を売り文句にしている矯正治療に安易に飛びつくのは危険です。
最初に請求されるのは安い金額だったとしても、後から追加費用が必要になったり、治療自体の質が著しく悪かったりすることもあります。
このほか、都度払いを適用している歯科医院では、通院が長引いて毎回の治療費を払わされて高くなってしまう、治療がちっとも終わらないといったトラブルもありますので、十分に注意しましょう。
まとめ
歯列矯正は、早めにやっておくのに越したことはないものの、お金のかかる治療。
高校生が治療をする場合は、親とよく相談の上、1番いい選択をできるようにしましょう。
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