表側矯正と裏側矯正でどう歯が動く?(上顎の場合)

表側矯正と裏側矯正の歯の動き方は同じ?(上顎の場合) について説明いたします。

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目次

  1. 表側矯正と裏側矯正の歯の動き方
  2. 図1-①
  3. 図1-②
  4. 図2-①
  5. 図2-②
  6. 図2-③
  7. 図2-④
  8. 図2-⑤
  9. 図2-⑥
  10. まとめ

表側矯正と裏側矯正の歯の動き方

物を動かすには、力をかけなければ動かないのは周知の事実ですが、その力の大きさ、方向、位置によって物の動きかたは変わります。

図1-①

青いboxに力をかけて動かす場合、boxの重心点(赤い点)に力をかければ、boxは平行移動します。

図1-②

重心から離れた位置に力をかけると、boxは回転します。

これが物を動かすときの原理原則です。では、歯の場合はどうでしょうか?

図2-①

1本の前歯を考えてみると、この歯の重心は歯の根の1/3くらいにあります。
左側が表側の矯正装置、右側が裏側の矯正装置として考えてみましょう。

図2-②

前歯を引っ込める為に、後方へ押す力をブラケットにかけた場合は、右回りの回転をして、歯の先端は下方に下がってきます。

図2-③

歯の重心に力をかける事ができれば、この歯は平行移動させることができます。しかし、骨の中にある歯の重心に直接力をかける事はできません。

図2-④

ブラケットに上方への力をかけた場合はどうでしょう?

図2-⑤

左側の表側の矯正装置では、歯は左回転の力が加わります。

右側の裏側矯正では、重心点より後方に力(上方への力)がかかるので、右回転を呈します。

図2-⑥

この後方と上方の力の合力が歯の重心を通れば、平行移動を。

裏側矯正の場合は、合力が重心の後方に位置するので、右回転の力が常にかかります。

まとめ

実際の治療では、ブラケットに様々なワイヤーを屈曲、結紮して動かすわけですが、表側の矯正法と同じ考えで治療を行なうとあらぬ方向に動いてしまう場合もあります。

ブラケットの位置が表と裏側では、単に「見える」「見えない」だけでなく、歯の移動様式も異なるのです。

実際の矯正は歯並び全体を動かすので、歯の1本だけの重心点を考えるのではなく、前歯6本の重心と力の作用方向、歯列全体の重心と作用方向を考えて治療しています。

※治療結果は患者様によって個人差がございます。

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