いこさんの相談

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先天性欠如歯の矯正について

先天性欠如歯のため、2つの矯正専門歯科に欠損箇所を矯正で閉じることができるか相談しましたが、どちらでも「やってみなければわからない」という回答をされました。
理由として「抜く歯が比較的大きく奥歯を前に移動するのは困難」、「大人の男性なので顎が頑丈で移動距離に不安がある」などを挙げていました。

私は矯正で対応できるのであれば健康な歯を抜くことにも抵抗はなく、できればインプラントは利用したくないのですが、
やってみなければ成功するかわからず、失敗したら中途半端な隙間が残ってしまうとなると不安です。

5番目の歯が先天性欠損歯で歯並びに問題ない場合は矯正での治療は困難なものなのでしょうか?

おそらく乳臼歯が残存しており、後継永久歯が欠損している状態とおもわれます。ご相談にいかれた歯医者さんの言う通りで、閉鎖すべき欠損部位の隙間が非常に大きく、歯が動いたとしても治療に時間がかかります。

最終的に隙間を閉じきることができない場合も考えて治療計画を立てることが多いです。

どうぞご納得したうえで治療を開始していただければと思います。
困難だと判断する先生には困難です。
たしかに成長期は終了していますので、時間はかかりそうですが、スクリュー打ってのんびりやろう的な先生もいるはずです。
先欠で隙間があるとき、その隙間を閉じるのか、残すのか。最も大切なのは自分の顎の骨の大きさと歯の本数が合うかどうかです。もちろんインプラントは避けたいから隙間を閉じるという治療もたくさんやってきましたが、見た目は隙間がなくて綺麗ですが噛みにくくなる場合もあると思います。人間の顎は下顎が動きます。耳の前にある関節が支点。エラの部分の筋肉が力点。歯が作用点です。歯を手前に移動させると支点からの距離が長くなります。ハサミで考えると、切るものを奥まで入れて切っていたのを先の方で切らなければいけないイメージです。
自分の場合どうなのか、それを調べるのが矯正診断です。一度受けてみることをお勧めします。
相談内容から下顎第二小臼歯(5番目の歯)の先天欠如に対して、残っている第二乳臼歯(乳歯の奥歯)を抜去して6番目以降の歯を手前に移動してくるという治療内容と推測します。
歯並びに問題が無いとなると、抜歯でできたすき間(おそらく10〜11mm程度)を奥歯の移動で閉鎖することになると思いますが、このような移動は歯科矯正用アンカースクリューなどの加強固定が無ければまず実現できません。また、下あごの奥歯は動きづらいため、移動には相応の期間が掛かることが予想されます。
一般的に歯科矯正用アンカースクリューは、適切に装着すれば80〜90%以上の成功率が得られますが100%ではなく個人差があります。抜歯したところに奥歯を移動してくる間に骨が痩せてきてしまった場合、歯の移動自体が困難になる可能性も否定はできません。
”治療は困難なのですか?”というご質問に対しては、私の経験上、検査で骨の厚みなどをきちんと確認した上で歯科矯正用アンカースクリューを適切に使用すれば、治療自体はうまく行く可能性の方が高いとは思います(一か八かの治療ではありません)。しかしながら移動がうまく行かない可能性も少しあるのは事実ですし、それを事前に予想することは難しいと考えられます。
色々な意見を聞いてみることも良いですが、検査を受けた上で詳細な治療計画を立ててもらい、移動がうまく行かなかったときの対応まで聞いた上で、治療によるメリットとデメリットを総合的に判断して、治療する・しないの決定することが重要と考えます。
具体的な回答になりませんが、何かの参考になれば幸いです。
いこさん

文面より、
「前歯にはでこぼこがない、かみ合わせにも問題がない、が5番目の歯が先天性欠如なので、その後ろの6番目(第一大臼歯)を前に移動させて永久歯が無いところを埋めることはできないか?」とのご相談とでよろしいでしょうか。

それであれば2つの専門の歯科医師が指摘したように、移動量が多すぎてそもそも完全には寄せきれない、奥歯が倒れてきてしまう、歯茎の下がりが出る、などのリスクはあります。特に下では、乳歯が10ミリ以上あることが多く、さらに難しくなります。

ですので成功率を高めるために
・乳歯を抜歯する方法やタイミングに配慮する
・移動する部位に外科的な補助を加えて動きやすくする
・アンカースクリューというねじを支えとして使う

などを最大限考えないといけませんが、100%保証ということは人の体でやる以上ありませんので、「完全に寄せることができなければ失敗」とみなすのであれば、乳歯をできるだけ使って、将来ダメになってしまったらインプラントにする方が良いかもしれません。

また、あえて
中途半端ではない「小さ目の歯の大きさ分のスペースを残して」矯正治療を終了し、その隙間はインプラントなどで補う
というのを最初から第二の目標としておき、寄せてくる際に奥歯が倒れこんだり、歯茎が下がる兆候があったら、こちらに切り替えることを前提にしておく、というのも一案ではないでしょうか。

参考になれば幸いです。




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