かおるさんの相談
28歳、歌や演技等、発声を生業とする者です。
最近、自らの下顎が後退、後方回転しているのではと悩んでいます。
私は下顎が小さく、恐らく睡眠時無呼吸症候群かと思っています。(母と祖父はそうです)
上向き寝では寝入り端に呼吸が止まり、苦しさに必ず目が覚めてしまうので、いつも横を向いて寝ています。(20年以上そうしています。)
小学生の高学年時、3年間ほど上の歯のみ歯列矯正をしていました。上の歯は前歯が特に大きく、一方下の歯は全体的に小さく、前歯が3本しか生えて来ませんでした。(当時の矯正担当医さんには、下顎が小さいため生えてこなかったのだろうと言われました)
下顎の問題に気付き始めたのは、成人してから通ったボイストレーニングの先生にご指摘頂いてからでした。まず、下顎が奥に入ってしまっている。噛み合わせた時の、上下の前歯間の隙間が大きい。そして舌の位置も喉の方に落ち込んでしまっていると。(指摘されるまでは気付きませんでした)
その先生の指導では、口を大きく開け軟口蓋を持ち上げて、下顎とベロをなるだけ前に出す訓練をよくやりました。私はそれを短時間やるだけでいつもドッと疲れ、頭全体と顎が重だるく、緊張感を伴うので辛く感じていました。
ですが、下顎と舌を前に位置づける訓練を続けたところグッと声は良くなり、高音が歌いやすくもなり、2年ほどその先生に師事し続けました。ただその間も、下顎を前方位置に持っていくのに伴う顎、頭部全体の緊張と辛さはいくら訓練を続けてもなくなりませんでした。
ある日、朝起きると口が全く開かなくなっていました。入っても横にした指一本分。無理やり開けようとしても何かがつかえて開かない。駆け込んだ近場の接骨院でレントゲンを撮ってもらうと、左の顎の円板が外れてしまって定位置に無くなっていると言われました。少し前から顎がカクカクいう症状はありましたが(円板が出たり入ったりしていた)、もう自然には戻らない位置(確か前側)まで円板がハッキリ落ちて、それが下顎の軌道上で道を塞いでしまっているため口が物理的に開かなくなってしまったとのことでした。レントゲンで他に分かったことは、円板が本来いるべき空間が、右側は丸い空間なのに対し、問題が起きた左側は三角形のような空間になっており、生まれつき骨の奇形だったのでは、と推測されました。
大学病院の顎関節部門に紹介状を書いてもらい伺いましたが、打つ手はないので、自力で手で口をこじ開ける訓練をしなさい、痛みには慣れなさいと言われました。それに倣って自力でリハビリを続けたところ、半年ほどでなんとか指二本は入るようになりました。もっと開けようとすると、大きなガクッという音と振動が起こりますが、それを乗り越えれば指三本入ります。それから現在まで6年ほど経ちますが、それ以上の快復はありません。
原因がハッキリと分からずじまいで、これ以上良くなることは一生無いのだろうか…と不安のまま時を過ごしていたところ、つい先日こちらの掲示板を見つけ、他の方の投稿を読んで、藁にも縋る思いで投稿することにしました。
件のボイストレーニングの先生には以来通えていないので、発声も舌の位置も元に戻ってしまいました。円板の移動が、顎変形症のまま下顎を無理に動かしたことによって起きたことだったとしたら、その下顎の治療をすることが先決かと思います。今後仕事を長く続けていくためにも、発声を今よりも改善したいと思っています。歯科領域での治療で、下顎及び顎関節症の症状が改善するならば、必ず臨みたいです。
治療のアドバイス、訪ねるべき歯科の方針など御指南頂けませんでしょうか。
何卒、宜しくお願い致します。
(以下補足として)
・日頃は意識しているのですが、寝ている時に歯ぎしり、食いしばりがあります。
・首猫背と言われます。
・ガミースマイルです。
・顎関節症の影響か、顎周り、側頭筋、首の緊張が強くエラが張っています。
・梅干ジワができます。
・下の歯は口内の内側に向かって生えているように感じ、顎は小さいけれど先が尖っていて、斜め下に向かってしゃくれ?ています。
そのため審美的にも大分アンバランスで、エラが張っているため顔全体は大きく見えるのに、顎だけが前に出ていてシャープで存在感があるため、顎だけ整形?とよく聞かれます…。矯正やマウスピースにも関心がありますが、一番の望みは下顎の引っ込み(回転?)と、舌の落ち込みを改善することです。
長文になってしまい、申し訳ありません。宜しくお願い致します…!
※一部内容を修正・割愛いたしました(運営部)
- 太田歯科クリニック
- ( 静岡県 静岡市 )
- 2017-08-04 00:03:00
関節円盤や関節自体に問題があるのでしたら、「口腔外科」の分野だと思います。矯正とかマウスピースとか「末端」の手段ではなく、「外科」的に形態を改善しないと解決しないと思われます。
ここは、「口腔外科」分野でご相談されることをお勧めいたします。
- 医療法人愛美会 アイ矯正歯科クリニック
- ( 神奈川県 横浜市鶴見区 )
- 2017-08-04 17:07:00
ご自身の状態について大変的確な分析がなされていて驚いています。専門家の知識と変わりがありません。説明する必要のないほどよくわかっていらしゃいます。
記載されているように下顎骨が劣成長が原因だと考えられます。できる処置としては下顎を前方に出す手術が適応だと思いますが、顎関節症があると不可能な事もあります。これは矯正歯科専門歯科医院でしかも育成、更生医療指定医療機関の資格を持つ歯科医院か、大学病院の矯正科へ受診してください。
顎変形症という診断がつけば上記2種類の医院では健康保険の適応で矯正治療、外科手術が可能です。相談に行かれる事をお勧めします。前回の大学病院受診は口腔外科での受診だったので、そういった結果だったのだと思います。矯正科への受診をお勧めします。根本的な解決は下顎の小顎症を治すことだと推察できます。
下顎骨が大きくなれば舌の後方への沈下がなくなります。それによって気道がかくほできます。睡眠時に重力によって舌が後方に落ち込んでも隙間が生まれ無呼吸にはなりません。しかしここで一つ問題があります。下顎を前方に出すと顎関節にその反作用での圧が加わります。下顎には多くの筋肉がついていて下顎を前方に出すとその反作用は顎関節を後方に押しつけるような力になります。今の顎関節、特に下顎頭に異常がなければ可能ですが、進行性の吸収などが起きているとできません。どちらにしても検査すればわかることです。
よくご自身の事がわかってらして素晴らしいです。解決出来ることを祈っています。