himeさん(埼玉県)の相談
カテゴリ:その他
こんにちは。
非抜歯で矯正治療が終わり、リテーナーで固定しています。
矯正を始めて半年程たった時から右の耳から「ドクドクドク」と血液?が
流れているような音が聞こえ、現在も治まりません。
日常生活では、聞こえないので気になりませんが、静かな部屋の中にいる時や、寝起きに伸びをした時など、更に大きく聞こえます。
耳鳴りの一種かしらと思い耳鼻科にかかり診てもらいましたが、異常はありませんでした。
ひとつ気になるのが、右の下奥歯に装置がうまく付かなかったためそこには
何も付けずに動かしていました。
矯正で歯が動いた事で、近くの血管が圧迫されて血流音が聞こえてくることはあるのでしょうか。
現在、音の他に特に不調等はありませんが、これから耳が聞こえなくなったり、もっと血管が圧迫されてきて脳に影響がでるんじゃないかと色々考えてしまいます。
このような例は矯正治療で見受けられますか?
それとも脳外科へ行って診てもらった方がよいのでしょうか?
アドバイスをお願いいたします。
- イデア矯正歯科
- ( 神奈川県 川崎市中原区 )
- 2009年05月28日18時17分
himeさん からの相談について
himeさん。はじめまして。イデア矯正歯科の布留川 創と申します。
「拍動性の耳鳴り」についてと「矯正治療の影響について」のご質問の内容を拝見しました。
まず、矯正治療の影響についてご説明いたします。
一般的なマルチブラケット法の治療過程では、矯正用ワイヤーの力で歯が100−300g程度の弱い力で押されています。その力では歯も骨も直接的な変化は得られません。しかし、歯と骨の間にある「歯根膜」は圧迫され変形します。歯根膜の中の微小な血管では血流に変化が生じます。すると、その血流を再度復活させるように骨が解かされて歯根膜の厚みが復活し、血流も戻ってきます。そういった経過を見ていると、血管というのは身体にとって非常に大切で、その恒常性を維持するためのメカニズムが備わっていることに感心してしまいます。
さて、ご質問ですが
>質問1) 歯が動いたことで、近くの血管が圧迫されて血流音が聞こえてくることはあるのでしょうか?
に対して
答え1) 気になっているのは下顎右側奥歯とのことですね。親知らずを抜歯した後などリンパが腫れている場合、一定期間影響が感じられる可能性はあります。そのようなときは客観的な所見(発熱、腫脹)も得られるはずです。
前述したように、矯正治療の歯の移動は血管血流の恒常性を利用した範囲で行っていますので、ご心配されているような影響の原因となるとは考えにくいでしょう。
>質問2) これから耳が聞こえなくなったり、もっと血管が圧迫されてきて脳に影響が出てくるんじゃないかと色々考えてしまいます。このような例は矯正治療で見受けられますか?
に対して
答え2) まず私の知見では、そのような例はありません。論理的に考えた場合、通常の矯正治療であれば無いと思います。
次に、拍動性の耳鳴りについての一般的な説明です。
この相談室は矯正に関するアドバイスを中心としておりますが、頭頸部に関しては歯学部教育の範囲でも有る程度の知見が求められておりますので、多少のコメントをいたします。
耳の構造は複雑です。周辺に顎の関節もあり、神経も複雑に通っています。
あくびをするときに一時的に「キーン」という感じがして聴覚が失われることや、高速エレベーターや航空機内で違和感を感じることは一般的ですよね。その理由はある程度までは構造的に説明がつくのですが、何でも完璧に説明することはまだできないもののようです。その点を心配してもあまり意味がない場合もあります。
実は私も「拍動性の耳鳴り」を体験したことが数回あります。初めて「ドクドク」と聞こえたときには「あー、体が疲れすぎちゃってるのかな?」とびっくりしました。しかし、連続するものではなかったし、その後特に問題も発生しなかったので気にしていませんでした。
himeさんの場合は頻繁に症状があるとのことでご心配されている様子ですね。その発生の具合と客観的症状から耳鼻科では異常なしと説明をお受けなのですから、耳鼻科では脳外科での検査が必要なほどではないと判断されているのでしょう。私もご質問の内容だけからですと、特に脳外科での検査をお勧めしないといけない条件はありません。
ただし、その後も構造的な異常が一生発生しないとはいえませんので、あまり心配な程度が多いようでしたら、まずは耳鼻科の先生に再相談して、脳外科での検査を希望している旨の依頼状を準備していただくのが良いと思われます。それでも特別な所見が無いようでしたら、安心してお過ごしになれるのではないでしょうか。
また、耳鼻科で示唆されているかもしれませんが、拍動性の耳鳴りの原因は構造的なものとは限らず、精神的なストレスからも多く発生しやすいそうです。その場合、耳鼻科から他の医療機関に紹介をいただいても良いでしょうし、医療に限らずエクササイズやマッサージなどが効果が高かったという方もいるようです。耳鳴りは無くそうとして気にしていると余計に気になってしまうものでしょうから、症状の解消を目標とはせずに、自然にお過ごしになることをお勧めします。いつの間にか、気にならなくなりますよ。
静かな部屋で音が気になって仕方ない場合などは、お好みの音楽をつけておくなどの対処法もありますよ。
なにはともあれ、リテーナーになった段階ということですから、歯みがきがしやすいことが非常に嬉しく感じられていることでしょう。努力して手に入れたあたらしい噛み合わせを大事にお使いいただき、楽しい食生活をお送りになれることを期待いたします。
話が横にそれてばかりで、あまり参考にならない回答となってしまったかもしれませんが、ご容赦願います。
himeさん。はじめまして。イデア矯正歯科の布留川 創と申します。
「拍動性の耳鳴り」についてと「矯正治療の影響について」のご質問の内容を拝見しました。
まず、矯正治療の影響についてご説明いたします。
一般的なマルチブラケット法の治療過程では、矯正用ワイヤーの力で歯が100−300g程度の弱い力で押されています。その力では歯も骨も直接的な変化は得られません。しかし、歯と骨の間にある「歯根膜」は圧迫され変形します。歯根膜の中の微小な血管では血流に変化が生じます。すると、その血流を再度復活させるように骨が解かされて歯根膜の厚みが復活し、血流も戻ってきます。そういった経過を見ていると、血管というのは身体にとって非常に大切で、その恒常性を維持するためのメカニズムが備わっていることに感心してしまいます。
さて、ご質問ですが
>質問1) 歯が動いたことで、近くの血管が圧迫されて血流音が聞こえてくることはあるのでしょうか?
に対して
答え1) 気になっているのは下顎右側奥歯とのことですね。親知らずを抜歯した後などリンパが腫れている場合、一定期間影響が感じられる可能性はあります。そのようなときは客観的な所見(発熱、腫脹)も得られるはずです。
前述したように、矯正治療の歯の移動は血管血流の恒常性を利用した範囲で行っていますので、ご心配されているような影響の原因となるとは考えにくいでしょう。
>質問2) これから耳が聞こえなくなったり、もっと血管が圧迫されてきて脳に影響が出てくるんじゃないかと色々考えてしまいます。このような例は矯正治療で見受けられますか?
に対して
答え2) まず私の知見では、そのような例はありません。論理的に考えた場合、通常の矯正治療であれば無いと思います。
次に、拍動性の耳鳴りについての一般的な説明です。
この相談室は矯正に関するアドバイスを中心としておりますが、頭頸部に関しては歯学部教育の範囲でも有る程度の知見が求められておりますので、多少のコメントをいたします。
耳の構造は複雑です。周辺に顎の関節もあり、神経も複雑に通っています。
あくびをするときに一時的に「キーン」という感じがして聴覚が失われることや、高速エレベーターや航空機内で違和感を感じることは一般的ですよね。その理由はある程度までは構造的に説明がつくのですが、何でも完璧に説明することはまだできないもののようです。その点を心配してもあまり意味がない場合もあります。
実は私も「拍動性の耳鳴り」を体験したことが数回あります。初めて「ドクドク」と聞こえたときには「あー、体が疲れすぎちゃってるのかな?」とびっくりしました。しかし、連続するものではなかったし、その後特に問題も発生しなかったので気にしていませんでした。
himeさんの場合は頻繁に症状があるとのことでご心配されている様子ですね。その発生の具合と客観的症状から耳鼻科では異常なしと説明をお受けなのですから、耳鼻科では脳外科での検査が必要なほどではないと判断されているのでしょう。私もご質問の内容だけからですと、特に脳外科での検査をお勧めしないといけない条件はありません。
ただし、その後も構造的な異常が一生発生しないとはいえませんので、あまり心配な程度が多いようでしたら、まずは耳鼻科の先生に再相談して、脳外科での検査を希望している旨の依頼状を準備していただくのが良いと思われます。それでも特別な所見が無いようでしたら、安心してお過ごしになれるのではないでしょうか。
また、耳鼻科で示唆されているかもしれませんが、拍動性の耳鳴りの原因は構造的なものとは限らず、精神的なストレスからも多く発生しやすいそうです。その場合、耳鼻科から他の医療機関に紹介をいただいても良いでしょうし、医療に限らずエクササイズやマッサージなどが効果が高かったという方もいるようです。耳鳴りは無くそうとして気にしていると余計に気になってしまうものでしょうから、症状の解消を目標とはせずに、自然にお過ごしになることをお勧めします。いつの間にか、気にならなくなりますよ。
静かな部屋で音が気になって仕方ない場合などは、お好みの音楽をつけておくなどの対処法もありますよ。
なにはともあれ、リテーナーになった段階ということですから、歯みがきがしやすいことが非常に嬉しく感じられていることでしょう。努力して手に入れたあたらしい噛み合わせを大事にお使いいただき、楽しい食生活をお送りになれることを期待いたします。
話が横にそれてばかりで、あまり参考にならない回答となってしまったかもしれませんが、ご容赦願います。