ひろさん(北海道)の相談
カテゴリ:時間と期間
はじめまして。
小学5年生(10歳)の男児の母です。
子供は前歯が出ていて、噛みあわせが悪く、顎も小さかったため、一年生の終り頃から顎を広げながら歯並びを治す床矯正を始めました。
上と下それぞれ取り外せる装置を、食事や運動しているとき意外なるべくつけるようにしていました(登校中はつけていません)。
歯科医院での説明では、「個人差はあるが、早く始めるほど治療も短期間で終わる」という話で、早いお子さんならば、2〜3年と言われいました。
しかし、今日まで、広がりも思うようにいかない様子で、成長に合わせて小さくなってしまった装置を二度作り変えています。
先日、再度、「装置を作り直しましょう」と説明されたので、「あとどのくらいの期間がかかるのか」と尋ねてみたところ、「成長によって骨格も変わるので歯が永久歯に生え変わるまで」とのことでした。
主人の転勤もあるので、当初は2〜3年のつもりで始めたのですが、これから、見通しがたたず困っています。
今は歯並びもきれいになり、噛み合わせもよくなっているのですが、このままやめてしまったら、最初のように顎が小さくなってしまったり、今までの矯正がすべて無駄になってしまうのでしょうか。
アドバイスをお願いいたします。
ご親切な、回答ありがとうございました。早速、知り合いが治療中の矯正歯科専門の先生に相談してみました。やはりこのまま床矯正を続けるのはやめて、今は成長を見守り、成長後に第二期として治療をした方が良いとのお話でした。子供にも、今まで頑張ってきたことは無駄にはならないから心配しないでやめて大丈夫だよと声をかけていただき、肩の荷が下りたようなほっとした気持ちです。矯正について何も知らない状態で、子供のためと思い、一般歯科の先生の勧めるまま矯正を始めてしまいましたが、やはり始める前に調べたり、専門の先生にも相談してみればよかったと思いました。これからは、子供の成長を見守りながら必要になった時に専門の先生にまた相談したいと思います。
- 佐伯デンタルオフィス矯正歯科医院
- ( 宮城県 仙台市 )
- 2008年11月27日22時54分
ご質問を拝見しました。歯ならびや咬み合わせは百人百様で一概に言えない点もありますが、一般的な意見としてお答えします。
まず床矯正装置は、専門の立場からすると否定できないもののあまり多くの出番はありません。なぜなら対処できる範囲に限界があり、顎の土台を広げる場合にも個々人において同じく限界があることや、けっしてそれだけで治療が終わることは少なく、最終的な仕上げが必要となりがちだからです。顎の成長を利用できる点ではメリットもありそうですが、それもわずかな場合のみ。顎だけをどこまでも拡大できるわけではないことは容易にご想像できると思います。
ここからは個人的なスタンスも加わりますが、私どもの場合は小学生の頃の第1期治療は長くとも1年、そしてすべて永久歯にはえかわり骨組みもほぼ大人の大きさになる高校生以降に必要により仕上げの第2期治療(0〜2年弱)を設定する2段構えで長期的な管理計画を立てることが多いです。永い人生を考えた場合、その先の安定性が見込めるのはどうしても成長終了後になりますから、そこから逆算して、たとえ治療時期が2回に分かれたとしても、それぞれの装置をつける期間をできるだけ短縮し、ご負担も軽減するほか、適切な時期に最小限の介入で最大限の効果を得るために達したコンセンサスです。
ところで、「早くはじめれば早く終わる」「早くはじめれば低料金で簡便に終わる」「今はじめないと後でたいへんなことになる」などは矯正歯科にまつわる迷信と言える場合が少なくありません。ただし中には、わずかな乱れを早期かつ短期に治し、正常な成長発育に誘導できる場合も皆無ではありませんので念のため。
床矯正装置については、「ディズニーランドのスペースマウンテンでほんものの宇宙に行けると錯覚するようなもの」と断言した専門医もいるほどです(某雑誌の矯正歯科特集にて)。
ここで話を戻しますと、治療計画や見通しについて、主治医の先生とよく相談されることをお勧めします。また場合によっては他の矯正医に第三者的な話を求めることもときには有益で、セカンドオピニオンは患者さんの大事な権利のひとつでもあります。
現時点で歯ならびが良くなってきたことは何よりで、仰るようにもし治療を中断した場合に、すべてが水の泡になることはないでしょう。
ただし小学5年生ですと、これから永久歯も増え、からだもグンと大きくなる思春期性成長を迎えます。そのような中学生の時期をすぎ、高校生になった頃に最終的な仕上げが必要になるかもと想定のうえ、しばしゆったりお子さまのご成長を見守る構えも大事かも知れません。
まず床矯正装置は、専門の立場からすると否定できないもののあまり多くの出番はありません。なぜなら対処できる範囲に限界があり、顎の土台を広げる場合にも個々人において同じく限界があることや、けっしてそれだけで治療が終わることは少なく、最終的な仕上げが必要となりがちだからです。顎の成長を利用できる点ではメリットもありそうですが、それもわずかな場合のみ。顎だけをどこまでも拡大できるわけではないことは容易にご想像できると思います。
ここからは個人的なスタンスも加わりますが、私どもの場合は小学生の頃の第1期治療は長くとも1年、そしてすべて永久歯にはえかわり骨組みもほぼ大人の大きさになる高校生以降に必要により仕上げの第2期治療(0〜2年弱)を設定する2段構えで長期的な管理計画を立てることが多いです。永い人生を考えた場合、その先の安定性が見込めるのはどうしても成長終了後になりますから、そこから逆算して、たとえ治療時期が2回に分かれたとしても、それぞれの装置をつける期間をできるだけ短縮し、ご負担も軽減するほか、適切な時期に最小限の介入で最大限の効果を得るために達したコンセンサスです。
ところで、「早くはじめれば早く終わる」「早くはじめれば低料金で簡便に終わる」「今はじめないと後でたいへんなことになる」などは矯正歯科にまつわる迷信と言える場合が少なくありません。ただし中には、わずかな乱れを早期かつ短期に治し、正常な成長発育に誘導できる場合も皆無ではありませんので念のため。
床矯正装置については、「ディズニーランドのスペースマウンテンでほんものの宇宙に行けると錯覚するようなもの」と断言した専門医もいるほどです(某雑誌の矯正歯科特集にて)。
ここで話を戻しますと、治療計画や見通しについて、主治医の先生とよく相談されることをお勧めします。また場合によっては他の矯正医に第三者的な話を求めることもときには有益で、セカンドオピニオンは患者さんの大事な権利のひとつでもあります。
現時点で歯ならびが良くなってきたことは何よりで、仰るようにもし治療を中断した場合に、すべてが水の泡になることはないでしょう。
ただし小学5年生ですと、これから永久歯も増え、からだもグンと大きくなる思春期性成長を迎えます。そのような中学生の時期をすぎ、高校生になった頃に最終的な仕上げが必要になるかもと想定のうえ、しばしゆったりお子さまのご成長を見守る構えも大事かも知れません。