ゆきさんの相談

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再矯正での外科手術の治療について

  • 投稿者 ゆき さん　［23才 女性 ］ 2023/08/03/ 17:18
  • カテゴリー 治療前
  • お悩みの歯 上あご右1番 上あご右2番 上あご右3番 上あご右5番 上あご右6番 上あご右7番 上あご右8番 上あご左1番 上あご左2番 上あご左3番 上あご左5番 上あご左6番 上あご左7番 下あご右1番 下あご右2番 下あご右3番 下あご右5番 下あご右6番 下あご右7番 下あご右8番 下あご左1番 下あご左2番 下あご左3番 下あご左5番 下あご左6番 下あご左7番 下あご左8番

開咬と上顎前突と下の歯の叢生で上下4番抜歯矯正を行った後、噛み合わせに違和感がありセカンドオピニオンしたところCOCRがズレていて、今の噛み合わせは顎を前に出して噛んでいるから噛み合っているけど
本来の顎の位置だと下顎後退と奥歯以外合わずかなりの開咬なので保険の下顎を前に出す外科手術の適応だと初診相談で言われました。
精密検査の結果はまだなので具体的なことは分かりませんが、治るのなら手術したいと考えています。

前の矯正ですでに4番を抜き歯を下げてしまっているのですが、術前矯正はまた歯を前に出し顎に合わせて開咬にするのでしょうか?
また、下顎頭の変形があるのですがその場合は骨が再生するまで手術不可となるのでしょうか。
精密診断後担当の先生とも話し合いするつもりですが似た前例を見かけないためとても不安です。

大体でも良いのでこの様なケースについて分かる先生がいれば教えて頂きたいです。

はじめまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えします。

一度、上４４下４４抜歯で治療したものの、顎位のずれがあるので外科的矯正治療を検討しているということですね。
COは最も咬みあっている状態の顎の位置、CRは顎が一番リラックスしている状態の顎の位置です。
矯正治療の理想は、COとCRが一致して終えることですが、ずれたまま終了せざるを得ないこともあります。
また、下顎頭の変形があるということですが、PCR（進行性下顎頭吸収）の可能性もあり、注意が必要です。

顎位のずれに関しては、上顎前突ケースでは生じやすいです。
そもそも最初からずれがあって、前咬みしている方が安定しているから常に前咬みしている人もいます。
開咬で上顎前突ということは、下顎後退で気道も狭く、前咬みの方が楽な場合もあります。
�教薐楷屮乾爐鮖藩僂垢襪函�下顎が前方に誘導され、COCRがずれたまま終わりやすいです。
下顎後退で開咬の方を、顎位のずれ無く治療するのは、気を付けていても難しいこともあります。

おそらくセカンドオピニオン先でレントゲンを撮影し、その際に下顎頭の変形を指摘されたのだと思います。
その変形が、どのタイミングで生じたのかがポイントですね。
下顎頭が変形（おそらく吸収）すると、顎関節の中に空間が出来てしまい、下顎が時計回りの回転を生じます。
下顎骨全体が後方移動し、顔が長くなり、前歯が開咬になっていきます。
一回目の矯正治療前であれば、そもそも顎位のずれがある状態で治療していたかもしれません。
矯正治療中に生じてしまったなら、咬み合わせがかなり変化し、プラン通りに治療できなくなったかもしれません。
矯正治療後に生じたなら、矯正治療は適切に終了したのに、下顎頭の変形のせいで咬み合わせが狂いました。
また、下顎頭の変形はだれにでも突発的に起こりうるもので、進行性のものをＰＣＲといいます。
原因は不明であり、いつまで続くかわかりませんし、再発する可能性があります。
質問者様がPCRである場合、今吸収中なのかすでに止まっているのかを判定する必要があります。
それは一時点のレントゲンや口腔内所見では判定することが出来ません。
ある程度の期間を開けて、再検査したうえで変化がない事が確認されれば、吸収していないことになります。
吸収し続けている状態で再矯正を行うと、途中で顎位が変化し続けてCOCRの一致が出来なくなります。
再発の可能性も否定できませんが、吸収が停止したことを確認してから再矯正を行うのが安全です。

外科矯正であれば、術前矯正で一度上は上、下は下で歯並びを整え、手術で咬み合わせを合わせます。
なので、術前がどのような咬み合わせでも手術で改善するので、術前矯正の内容を気にする必要はありません。
下顎頭の吸収に関しては、基本的に再生することはありません。吸収の断面が硬化する程度です。
下顎を前に出して手術をすることになりますが、これは下顎頭に負担がかかるので要注意です。
あえて下顎をしゃくれてみればわかると思いますが、顎を前に出すと筋肉が突っ張ります。
突っ張った筋肉は縮もうとするので、下顎骨を後退させようと力がかかり、それが顎関節の下顎頭に集中します。
顎位のずれがある、下顎後退で開咬、すでに抜歯矯正済み、ということで手術で治すのが最適と思いますが、
手術で改善することで、下顎頭が吸収しやすくなるというリスクもあります。
下顎を前に出すだけではなく、上顎を後退することで下顎骨の前方移動量を減らすのもいいかもしれません。
また、手術で移動させてくっつけた骨片（下顎枝部と下顎骨体部）の接合部分に関して、
手術で完璧な位置でくっつかないこともありますし、術後にだんだん骨同士がずれてしまうこともあります。
なので、外科手術をやれば絶対に顎位のずれが治り、下顎頭が吸収しなくなるというわけではありません。
状態によりますが、上顎歯列を全体的に後方移動することで前後のずれを改善する方法もあります。
下顎骨の位置を変えず、下顎頭への負担も変化しないので、そっちの方が安定しやすい可能性もあります。
ただ、手術せずに開咬を改善するのも困難であり、外科矯正の方が治療がやりやすいのは間違いないです。
より確実に治療を成功させ、かつ質問者様が後退した顎を前に出して顔立ちの改善も希望するのであれば手術が良いでしょう。

顎を前に出すと咬んでいるということですが、咬み合わせは全体的にバッチリ咬みあっているでしょうか。
前咬みしても接触面積が少なく咬み合わせが安定していないのであれば、再矯正も必要でしょう。
前咬みの位置でしっかり咬んでいるのであれば、そのままでもいいかもしれません。
というのも、世間の人や矯正治療後の人たちがみんなＣＯＣＲが一致しているわけではないからです。
ＣＯＣＲの一致を理想としながらも、それが達成できないこともあり、矯正していない人はずれている人も多いです。
「良好なＣＯ」が達成でき、簡単にＣＯ（前咬み）で咬めるのであればそれで問題はありません。
再矯正を行うのは大変ですし、再矯正で顎位のずれが完璧に改善する保障もありません。
なので、今の状態で困っていないのであれば再矯正をやらないという選択肢もあるかと思います。

すでに外科矯正を行える矯正歯科にて精密検査を行っているということですから、
検査データをもとに担当の先生とよく話し合って今後の方針を決定するといいと思います。
下顎後退の方が顎位のずれが生じ、下顎が後退するのはよくあります。
担当の先生も治療経験があれば、具体的な解決策などを持ち合わせていらっしゃるのではないかと思います。

以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
  • ゆき(23歳 女性 ）
  • 2023年08月06日12時20分
返信ありがとうございます。
おっしゃる通り、下の歯を下げてから2級ゴムで顎を出したことで結果的に前噛み(CO)での位置で噛み合わせができた様です。
歯だけ見ると奥歯〜前歯まで1体2咬合でしっかり噛めているのですが、食事のたびに顎が引っ張られて痛く良好ではありません。
上の歯を更に下げる件についても話があったのですが上の親知らずが片方しかないため追加で上奥歯を抜き遠心移動するのは難しいです。
もしよければ一つ追加で質問なのですが、
今すでに上下前歯を下げて噛み合わせがあっている状態で顎が出ているのに下顎を出す手術をしたら更にしゃくれて受け口になるのでは？と思いますが、それは術前矯正で顎の位置を本来の位置に戻してから手術すれば回避できるのでしょうか。
また、下顎の位置を本来の位置に戻すのはどうやるのでしょうか？
一時的に受け口になったとしても術後矯正などで戻るのでしょうか。。
いまいち4番抜歯矯正後に外科手術をした時の完成が予想つかず、心配です。
もうすぐ精密検査診断を聞くので詳しくは過去症例なども合わせて見せてもらい担当の先生と話し合ってみます
詳しく教えていただきありがとうございました。
上の親知らずがあるかどうかは遠心移動できるかどうかとあまり関係ありません。
後方余地がどれくらいあるかによって決まります。親知らずがあるとわかりやすいというだけでしょう。
上顎骨の後方限界がどれくらいあるのかはセファロやCTである程度判定できます。
遠心移動してみて、ある程度遠心移動出来る場合もあれば、まったく遠心移動出来ないこともあります。
生まれつき親知らずが無い人もいて、そのような方たちも遠心移動は可能です。
遠心移動は難しく、後戻りもしやすいので、咬み合わせのずれが強すぎる場合は無理でしょう。

「下顎を出す」という意味ですが、顎関節内で下顎頭が浮いているかどうかが重要です。
本来の顎の位置にはすでになっている状態です。一番下顎が引っ込んで出っ歯になっている状態がそれです。
下顎が下がって前歯が当たっていない状態が本来の顎の位置で、下顎頭は浮いていません（ＣＲ）。
下顎をしゃくれさせて全体的に咬み合わせているのが前咬み状態で、下顎頭が浮いています（ＣＯ）。
この二か所で咬んでいる状態を二態咬合と言います。下顎頭が浮いているから顎が辛いのです。
手術を行うことで下顎枝部と下顎体部を分断し、下顎頭のある下顎枝は顎関節にはまった状態で、
歯のある下顎体部は上の歯と全体的に咬み合った状態にして、骨片どうしを固定します。
そうすると、下顎骨自体の前後的な長さが延長され、下顎骨が長くなります。
なので、「下顎を出す」の意味を「顎関節を浮かせて骨全体を前に出す」とするのではなく、
「分断した骨をずらして固定して骨自体を大きくして、結果的に下顎全体的に前に出た」として理解してください。

つまり、今のしゃくれ咬みしている状態の顔と、手術後の顔は同じです（下顎のみの手術の場合）。
しゃくれ咬みの状態を起点と考えると、下顎枝部が後方に伸びて顎関節にハマった状態になる、ということです。
ＣＯとＣＲのずれが無くなり、顎を楽にして咬み合った時に、今のしゃくれ咬みと同じ咬み合わせになるということです。
なかなか理解するのが難しいとは思いますが、文字だけで説明するのはこれが限界でしょうか。
開咬になった原因が明らかにされていない状態で安易に手術を選択する方が危険なので、
前回説明したＰＣＲが否定されるかどうかも含めて、慎重に今後の方針を決定しましょう。
CO.CRのズレているケースは沢山ありますね。
私の患者さんでも見かけきれいなのに顎関節の痛み、頭痛、片測の調子の悪さなどの症状があります。
CO.CRのズレが原因なので、上顎をアンカースクリューで遠心方向に送り込みます。
それでCO.CRのズレがなくなると症状は消えてしまいます。
ユキさんの症例が適応かどうか分かりませんが、アンカースクリューによる上顎アーチの後方移動はムリでしょうか？
もう一つ、食いしばりがあれば症状が増加します。
可能であれば歯ぎしり食いしばりをとっておく方が良いと思います。
私の患者さんは全員食いしばりの除去から治療を開始します。
  • ゆき(23歳 女性 ）
  • 2023年08月06日12時23分
返信ありがとうございます。
アンカースクリューを取り扱っている病院なのでぜひ聞いてみたいと思います。
ただ、上の親知らずが片方しかないため追加で上奥歯を抜歯し遠心移動することは不可能とのことだったので、抜歯なしで歯を下げられないか聞いてみます。
食いしばりはないのですが、
食事中奥歯で噛むと歯に力がかかって痛みがあるため気をつけて生活してみますね。
回答ありがとうございました。
顎関節やCOCRに関しては先生によって診断や見解が異なるところですので、様々な先生の意見を聞いた方が良いかと思います。


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