うりこさんの相談
カテゴリ:治療の開始時期
5歳7か月の娘の矯正治療で、2軒の矯正専門歯科に相談しました。
2軒とも口腔写真のみの仮診断でしたが、どちらの意見を信頼すべきか悩んでいます。
A歯科
開院したての30代の先生です。過蓋咬合や出っ歯、上下ともに顎が小さいと言われました。口呼吸などの悪癖もあることから、今すぐにマイオブレースを使ったトレーニングを開始し、時期をみて、急速拡大装置やヘッドギアなどを使用すれば、抜歯せずに1期治療だけで改善できる可能性が高い。
B歯科
長年治療されてる60歳手前の先生です。
顎が小さく、下顎を見れば、多少顎を広げても抜歯は免れないのは判断できる。出気味の歯茎は、二次成長期に下顎が発達すれば気にならなくなる。
娘の場合、低年齢でむやみに顎を広げるのは、悪影響の方が多い。今できることは何もなく、一年生になった頃にまた来て下さい。
私としては、抜歯せずに顎の成長を助けられ、さらに悪癖なども矯正できることから、マイオブレースにとても惹かれていたのですが、B歯科で全面否定され、不安になってしまいました。
マイオブレースというのは、まだあまり効果が実証されていない治療法なのでしょうか?
- マロニエ矯正歯科クリニック
- ( 埼玉県 草加市 )
- 2023-05-29 11:57:00
初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えいたします。
早期矯正治療の方針について医院によって意見が異なり、迷っているということですね。
私は30代の矯正歯科医師ですが、どちらかというとB歯科寄りだと思います。
まず、お子様の歯並びで気になる点はどちらでしょうか。でこぼこか出っ歯でしょうか。
でこぼこはスペース不足が原因です。出っ歯jはスペース不足か骨格の問題です。
スペース不足を解消する方法は、全部で5種類あります。
抜歯する、顎を横に拡げる、歯の側面部を削る、歯を後方移動する、歯を前に出すの5種類です。
早期矯正治療は、この顎を拡げるのみを行うことになります。
そして、人間には限界がありますので、どこまでも顎が拡がるわけではないのがポイントです。
スペースを作っても足りない場合、歯が前に出て仕上がります。
抜歯しないで治療する場合は、歯が前に出て口ゴボ状態で終了することも多いです。
マイオブレースなどの小児用マウスピースは、多少顎を拡げてくれますが、そこまで拡がりはしません。
拡大プレート・クワドヘリックス・急速拡大装置などの従来の装置の方が拡大量は多いです。
お子様の顎の大きさ、永久歯の大きさ、口元の出具合によって左右されますが、
お子様がどれくらいスペース不足になっているかは、検査をしてみないとわかりません。
乳歯列の段階で歯と歯の間にスペースが無い、もしくはでこぼこになっていたり、
口呼吸になるくらい横から見て口元が出ているのであれば、かなりのスペース不足です。
限界まで拡大してもスペースが足りない場合は、今よりも前歯を前に出し、出っ歯にしなければなりません。
また、スペースが余らない限りは前歯を後退することは出来ませんから、口元は引っ込みません。
ただ単に抜歯しなければすべて患者さんで非抜歯矯正は可能です。
大事なのは、最終的に大人になった時にお子様の顔立ちをどうするのかを考えることです。
お子様の歯並びが悪くなるのはほとんど遺伝子の問題で、生まれつきです。
良くない癖によって歯並びも悪くなりますが、その癖を治せば歯並びが良くなるわけではありません。
また、人体ですからそう簡単に色々といじくれるわけでもなく、矯正で出来ることには限度があります。
小児用マウスピースに関してはネットを調べるとかなり誇張表現が目立つように感じます。
あたかもマウスピースを装着するだけで、歯並びも口呼吸も顔立ちも非抜歯で改善するように言われてますが、
実際は、単体では歯並びも咬み合わせもちゃんとは治らず、口ゴボの子供を量産してるに過ぎません。
本来はお子様に合わせて作製された装置を何個も組み合わせて治療するのが矯正治療であり、
一個いくらの既製品を使うだけで何もかもが治るのであれば、矯正歯科医師はいらないわけです。
また、基本的には舌や唇の筋トレを行うのが小児用マウスピースの基本的概念となりますが、
楽な筋トレは存在せず、お子様に負荷をかけて治療することになり、継続も大変です。
マイオブレースの装置としての良し悪しではなく、それ単体で治ることはないのと、
マイオブレースの選択が治療上正しいのかどうかの方が大事です。
安価でそこそこ良くなって、失敗したら患者のせいなので、一般歯科を中心に蔓延している側面があります。
A歯科はマイオブレースだけで治る、とは言っていないのでその点は問題ないでしょうか。
矯正治療というのは、あくまでもブラケットを使用して歯を動かすものであり、
ブラケット使用を前提とした説明があったかが重要です。
ブラケットを使用しないような説明があった場合、お子様の歯並びはちゃんと治りません。
矯正治療は歯や骨格を動かすので、必ず顔が変わります。
つまり、選んだプランによって顔が良くなることもあれば、悪くなることもあります。
なので、最終的にどんな顔でお子様が生きていくのか、というのを最重要に考える必要があります。
A歯科であろうとB歯科であろうと、他の矯正歯科であろうと、早期矯正治療には限界があります。
B歯科の言うように限界を超えて拡大すると、咬み合わせが悪くなり、将来的に歯茎も下がります。
最終的にお子様の顔立ちを良くしたいと考えるのであれば、抜歯前提で考えた方がいいかもしれません。
もちろん、お子様の顔立ちと口の中とレントゲンを見なければ確定的なことは言えませんが。
抜歯するかしないかはどちらでも可能であり、抜歯した顔と抜歯しない顔になるだけです。
お子様が抜歯すべき方なのか、抜歯しない方がいい方なのかは、検査診断をしないとわかりません。
抜歯すべき人を抜歯しないで治すと口元が飛び出し、口ゴボ状態で一生過ごします。
抜歯しちゃいけない人を抜歯して治すと口元が引っ込み、老け顔で一生過ごします。
適切に咬みあっていれば、抜歯も非抜歯もどちらも正解となりますが、
お子様が一生付き合っていく顔をどうしていくのか、ということを基準に考えるべきです。
A歯科の言うことが本当で、非抜歯で美しく仕上がるかもしれませんし、
B歯科の言うことが本当で、抜歯しないと美しく仕上がらないかもしれません。
レントゲンすら取らずに安易に非抜歯でいけますと言えるA歯科の方が、耳触りが良い発言をしているように思います。
抜きたくない、早期矯正で終えたい、ブラケットつけたくない、マウスピースは簡単そう、
という患者さんサイドのお気持ちが、甘い発言をする歯科医院を魅力的に見せてしまっていると思います。
世間では、ほぼ小児用マウスピースだけでは治らず、早期矯正治療だけでは治らず、
ブラケットを使用して治療する人が大半で、抜歯矯正をしている人が大半です。
綿密な計画のもと、非抜歯で顔立ちも含めてちゃんと治る前提で、
複数使用する装置の一つとしてマイオブレースを使うのであれば、問題はないかと思います。
治すのは矯正歯科医師なので、最も信頼できると感じた先生を選びましょう。
矯正治療というのはお金も時間もかかり、大変な思いをしてようやく良くなるというものです。
決して甘いものでは無いので、甘いことを言う先生は、あまり信用しない方がいいかと思います。
以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
ご質問にお答えいたします。
早期矯正治療の方針について医院によって意見が異なり、迷っているということですね。
私は30代の矯正歯科医師ですが、どちらかというとB歯科寄りだと思います。
まず、お子様の歯並びで気になる点はどちらでしょうか。でこぼこか出っ歯でしょうか。
でこぼこはスペース不足が原因です。出っ歯jはスペース不足か骨格の問題です。
スペース不足を解消する方法は、全部で5種類あります。
抜歯する、顎を横に拡げる、歯の側面部を削る、歯を後方移動する、歯を前に出すの5種類です。
早期矯正治療は、この顎を拡げるのみを行うことになります。
そして、人間には限界がありますので、どこまでも顎が拡がるわけではないのがポイントです。
スペースを作っても足りない場合、歯が前に出て仕上がります。
抜歯しないで治療する場合は、歯が前に出て口ゴボ状態で終了することも多いです。
マイオブレースなどの小児用マウスピースは、多少顎を拡げてくれますが、そこまで拡がりはしません。
拡大プレート・クワドヘリックス・急速拡大装置などの従来の装置の方が拡大量は多いです。
お子様の顎の大きさ、永久歯の大きさ、口元の出具合によって左右されますが、
お子様がどれくらいスペース不足になっているかは、検査をしてみないとわかりません。
乳歯列の段階で歯と歯の間にスペースが無い、もしくはでこぼこになっていたり、
口呼吸になるくらい横から見て口元が出ているのであれば、かなりのスペース不足です。
限界まで拡大してもスペースが足りない場合は、今よりも前歯を前に出し、出っ歯にしなければなりません。
また、スペースが余らない限りは前歯を後退することは出来ませんから、口元は引っ込みません。
ただ単に抜歯しなければすべて患者さんで非抜歯矯正は可能です。
大事なのは、最終的に大人になった時にお子様の顔立ちをどうするのかを考えることです。
お子様の歯並びが悪くなるのはほとんど遺伝子の問題で、生まれつきです。
良くない癖によって歯並びも悪くなりますが、その癖を治せば歯並びが良くなるわけではありません。
また、人体ですからそう簡単に色々といじくれるわけでもなく、矯正で出来ることには限度があります。
小児用マウスピースに関してはネットを調べるとかなり誇張表現が目立つように感じます。
あたかもマウスピースを装着するだけで、歯並びも口呼吸も顔立ちも非抜歯で改善するように言われてますが、
実際は、単体では歯並びも咬み合わせもちゃんとは治らず、口ゴボの子供を量産してるに過ぎません。
本来はお子様に合わせて作製された装置を何個も組み合わせて治療するのが矯正治療であり、
一個いくらの既製品を使うだけで何もかもが治るのであれば、矯正歯科医師はいらないわけです。
また、基本的には舌や唇の筋トレを行うのが小児用マウスピースの基本的概念となりますが、
楽な筋トレは存在せず、お子様に負荷をかけて治療することになり、継続も大変です。
マイオブレースの装置としての良し悪しではなく、それ単体で治ることはないのと、
マイオブレースの選択が治療上正しいのかどうかの方が大事です。
安価でそこそこ良くなって、失敗したら患者のせいなので、一般歯科を中心に蔓延している側面があります。
A歯科はマイオブレースだけで治る、とは言っていないのでその点は問題ないでしょうか。
矯正治療というのは、あくまでもブラケットを使用して歯を動かすものであり、
ブラケット使用を前提とした説明があったかが重要です。
ブラケットを使用しないような説明があった場合、お子様の歯並びはちゃんと治りません。
矯正治療は歯や骨格を動かすので、必ず顔が変わります。
つまり、選んだプランによって顔が良くなることもあれば、悪くなることもあります。
なので、最終的にどんな顔でお子様が生きていくのか、というのを最重要に考える必要があります。
A歯科であろうとB歯科であろうと、他の矯正歯科であろうと、早期矯正治療には限界があります。
B歯科の言うように限界を超えて拡大すると、咬み合わせが悪くなり、将来的に歯茎も下がります。
最終的にお子様の顔立ちを良くしたいと考えるのであれば、抜歯前提で考えた方がいいかもしれません。
もちろん、お子様の顔立ちと口の中とレントゲンを見なければ確定的なことは言えませんが。
抜歯するかしないかはどちらでも可能であり、抜歯した顔と抜歯しない顔になるだけです。
お子様が抜歯すべき方なのか、抜歯しない方がいい方なのかは、検査診断をしないとわかりません。
抜歯すべき人を抜歯しないで治すと口元が飛び出し、口ゴボ状態で一生過ごします。
抜歯しちゃいけない人を抜歯して治すと口元が引っ込み、老け顔で一生過ごします。
適切に咬みあっていれば、抜歯も非抜歯もどちらも正解となりますが、
お子様が一生付き合っていく顔をどうしていくのか、ということを基準に考えるべきです。
A歯科の言うことが本当で、非抜歯で美しく仕上がるかもしれませんし、
B歯科の言うことが本当で、抜歯しないと美しく仕上がらないかもしれません。
レントゲンすら取らずに安易に非抜歯でいけますと言えるA歯科の方が、耳触りが良い発言をしているように思います。
抜きたくない、早期矯正で終えたい、ブラケットつけたくない、マウスピースは簡単そう、
という患者さんサイドのお気持ちが、甘い発言をする歯科医院を魅力的に見せてしまっていると思います。
世間では、ほぼ小児用マウスピースだけでは治らず、早期矯正治療だけでは治らず、
ブラケットを使用して治療する人が大半で、抜歯矯正をしている人が大半です。
綿密な計画のもと、非抜歯で顔立ちも含めてちゃんと治る前提で、
複数使用する装置の一つとしてマイオブレースを使うのであれば、問題はないかと思います。
治すのは矯正歯科医師なので、最も信頼できると感じた先生を選びましょう。
矯正治療というのはお金も時間もかかり、大変な思いをしてようやく良くなるというものです。
決して甘いものでは無いので、甘いことを言う先生は、あまり信用しない方がいいかと思います。
以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
- 石原歯科・矯正歯科
- ( 大阪府 枚方市 )
- 2023-05-30 11:09:00
出来ることは、低年齢のお子様ですが、6才位から早期治療的には可能かと存じます。
口呼吸あり、舌挙上が弱いと上下顎歯列の歯槽骨の発育不足で、
遺伝的要因もありますが、いろいろな不正咬合の要因の一つとなります。 従って、歯並びの形態の改善とともに、機能も車の両輪のように、可能なら根気はいりますが、出来るだけ改善が必要です。
口呼吸に、過蓋咬合、前突があるなら、姿勢が猫背や、口呼吸は鼻閉やアレルギーなど万病のもとになります。 マイオブレース他の機能改善マウスピースや、あいうべ体操など鼻呼吸に改善して、ガムトレーニングなども行い歯列の発育不足を改善して、出来るだけ非抜歯で成長期であれば改善できる可能性があります。
口呼吸あり、舌挙上が弱いと上下顎歯列の歯槽骨の発育不足で、
遺伝的要因もありますが、いろいろな不正咬合の要因の一つとなります。 従って、歯並びの形態の改善とともに、機能も車の両輪のように、可能なら根気はいりますが、出来るだけ改善が必要です。
口呼吸に、過蓋咬合、前突があるなら、姿勢が猫背や、口呼吸は鼻閉やアレルギーなど万病のもとになります。 マイオブレース他の機能改善マウスピースや、あいうべ体操など鼻呼吸に改善して、ガムトレーニングなども行い歯列の発育不足を改善して、出来るだけ非抜歯で成長期であれば改善できる可能性があります。