どさんこさんの相談
カテゴリ:成人矯正
私は噛み合わせが深く、笑った時に上の歯が目立つ(出っ歯に見える)のが気になりカウンセリングを受けました。
Eラインがないこともコンプレックスです。
レントゲンを撮った結果上顎の位置は正常で、下顎が後退していると診断されました。
治療法は
①外科矯正で下顎を正常な位置に持ってくる
②上下抜歯でワイヤー矯正。この場合上顎も下げて下顎と噛み合わせる
この2つを提案されました。
①のように根本から治療する方が良いかとも思いましたが、ワイヤー矯正での治療しか考えていなかったため(まさか外科適応とは思いませんでした)なかなか手術に踏み切れません。2週間程度の入院も仕事の都合上厳しく、治療期間が比較的長めなのも気になりました。
かといって②のように正常な位置の上顎を下げて、後退してる下顎と噛み合わせるのが良いのかも不安です。
先生方からみてどちらの方が良いとかありましたら教えていただきたいです。
また②で治療した場合、横からの顎の見た目、Eライン、正面から見た口元に変化は見られるのでしょうか。
よろしくお願いします。
-
- マロニエ矯正歯科クリニック
- ( 埼玉県 草加市 )
- 2022-08-08 20:41:00
初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えします。
下顎後退の出っ歯を外科的矯正治療で治すか、非手術抜歯矯正で治すか検討中ということですね。
顔を治したいなら手術で、そこまで顔を変えたいわけでなければ非手術でいいと思います。
おそらく、相談時や診断時に顎を出したいというような要望を言ったのではないでしょうか。
下顎後退の方をEライン的に「完璧」にするのであれば、顎骨を動かし、オトガイ形成術も必要かもしれません。
質問者様が、どこまで自分の顔を理想値(平均値)に近づけたいか、がすべてです。ご自身のお気持ち次第です。
まず、「Eラインがある」というのは、ネットでよく見かける誤用です。単なる線なので、全員にあります。
鼻先と顎先を結んだ直線をEラインといい、Eラインと唇が接するのが日本人的に最も美しい横顔とされています。
ネットで横顔が美しい!とされている人は、だいたい下顎前突かオトガイが発達していて、Eラインよりも口元が引っ込んでます。
Eラインも顔立ちの美しさの基準の単なる一種に過ぎず、それがすべてではありません。
鼻が高く、顎がしゃくれていればEラインは前にあるので、出っ歯でもまあまあ整って見えます。
逆に、鼻が低く、顎が引っ込んでいると、出っ歯でなくても口元が出ているように見えます。
唇自体の厚みによっても左右されますし、加齢とともに唇は引っ込むので、Eラインがキレイな人は早く老け顔になります。
Eラインなんてものは比較的曖昧な基準であり、それを絶対とすると、下顎後退の人は不利です。
いわゆる完璧な顔になるためには、完璧でない骨格から動かさないと完璧になるはずがないので、
質問者様が別人のように顔立ちを変えたいと希望するなら、骨ごと動かすべきですし、
鼻も顎も色々といじらないと完璧にはなりません。プロテーゼとも必要かもしれません。
ただ、そういう完璧になりたいという思想の方は、整形を繰り返してしまいがちです。
女優やトップモデルのように完璧に変わりたい、ではなく今の自分を「自分の範疇で」今よりも良くしたいのなら、
そこまで色々動かす必要もないと思います。整形にも限界があるので、整形美人は天然美人には敵いません。
下顎枝矢状分割法というのが、ポピュラーな手術法になりますが、下顎後退の人はあまり骨を動かせません。
無理に下顎を前に出すと、後戻りやすく、顎関節への影響もあります。
なので、Eラインの改善を見込むなら、オトガイ形成術もセットで必要になると思います。
外科手術と矯正を同時に行えば、保険適応になり、オトガイ形成術も保険適応になります。
外科手術をしないで自費で矯正を行った場合は、オトガイ形成術も自費扱いとなりますが、
自費矯正後に顎を出したかったらオトガイ形成術かプロテーゼかヒアルロン酸をやってみてもいいと思います。
そもそも仕事で休みを取れない段階で、外科的矯正治療を選択すべきではありません。
外科的矯正治療も時間がかかりますが、非手術抜歯矯正も同様に時間はかかります。
②の表現も、おそらく誤っています。上の前歯を下げるのであって、上顎骨は下がりません。
カムフラージュ治療と言って、骨の位置は動かしていないので不変であり、歯だけで動かして治します。
咬み合わせを治し、前歯を引っ込めて口元を引っ込めていくのであれば、それで十分です。
おそらく、下顎後退で出っ歯であれば、口唇閉鎖不全でオトガイ筋が緊張していると思います。
俗に「梅干し」と呼ばれる顎先の筋緊張がある場合は、歯が引っ込むと顎が出ます。
出っ歯で口が閉じにくいと、力まないと口が閉じられず、力んだ分筋肉が盛り上がります。
顎先の筋肉をオトガイ筋と言いますが、オトガイ筋が盛り上がると、顎が無くなるのです。
顎が無いと言われる人はだいたいこの状態になっていますが、前歯が引っ込むと口が閉じやすくなり、
筋肉の緊張が無くなり、本来の顎の形になります。潰れた顎が元に戻るわけですね。
つまり、抜歯で出っ歯を改善することで少しだけ顎が出ることがある、ということです。
また、歯が引っ込むことでEライン的な改善も生じます。前歯の引っ込める量に限界があるので、
もともとの骨格や出っ歯度合い、鼻と顎の高さ、唇の厚みによっては理想値まで下がらない可能性があります。
どれだけ前歯を下げるかは、担当の先生とよく話し合って決めましょう。
質問者様のイメージする「Eライン」が、矯正歯科医師が用いるものと違う場合は何とも言えません。
「Eラインがあるとされる芸能人」はかなりの部分が鼻と顎の形に左右されている気はしますので、
芸能人のようになりたいのであれば、顎骨含むいろんなところをいじるべきでしょう。
正面から見た口元ももちろん引っ込んで自然な形になると思います。
外科矯正で治した顔と、非手術抜歯矯正で治した顔は当然異なります。
どちらの顔がいいかは、質問者様が決めるべきことです。
手術が大変そう、時間がない、ということでしたら仕上がりに関係なく非手術です。
どちらの仕上がりがいいかという点に関しては、検査結果から判別しましょう。
通常の矯正歯科医院であれば、セファロ分析からVTOという治療プランニングや
横顔のお写真からビフォーアフター画像を作製するモーフィングということをやっているはずです。
そのプランニングに関して、担当医とよく話し合い、希望する方を選びましょう。
すでに診断を終えていると思われますので、その説明内容が納得に足るものではなかったのでしょうね。
手術が第一プランというのは、おそらく担当医の思想か、質問者様の希望を叶えるベストプランなのでしょう。
「理想的に」となると、結局大半の人が骨の位置が理想的でないので、みんな手術になってしまします。
①がベスト、②がベターであるとして、ご自身の求めるものがどちらかを、ご自身で決めましょう。
一生付き合っていくご自身の顔ですから、ご自身の判断で決めるべきです。
手術を選ぶ人は、とてもとても顔へのコンプレックスが強く、手術したくてたまらない人です。
どれだけ負担があろうと、つらかろうと、当然仕事も休んで、顔を変えて人生を変えるのです。
そこまでの覚悟が無いのであれば、非手術で治した方が良いでしょう。
そのあとで、まだ顔が気に入らないのであれば、美容整形をしましょう。
本来、咬み合わせを治すのが矯正治療で、おまけで多少顔が変わるだけです。
あまり矯正治療での顔の変化に期待はし過ぎず、顔を治すなら顔を治す病院に行きましょう。
以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
ご質問にお答えします。
下顎後退の出っ歯を外科的矯正治療で治すか、非手術抜歯矯正で治すか検討中ということですね。
顔を治したいなら手術で、そこまで顔を変えたいわけでなければ非手術でいいと思います。
おそらく、相談時や診断時に顎を出したいというような要望を言ったのではないでしょうか。
下顎後退の方をEライン的に「完璧」にするのであれば、顎骨を動かし、オトガイ形成術も必要かもしれません。
質問者様が、どこまで自分の顔を理想値(平均値)に近づけたいか、がすべてです。ご自身のお気持ち次第です。
まず、「Eラインがある」というのは、ネットでよく見かける誤用です。単なる線なので、全員にあります。
鼻先と顎先を結んだ直線をEラインといい、Eラインと唇が接するのが日本人的に最も美しい横顔とされています。
ネットで横顔が美しい!とされている人は、だいたい下顎前突かオトガイが発達していて、Eラインよりも口元が引っ込んでます。
Eラインも顔立ちの美しさの基準の単なる一種に過ぎず、それがすべてではありません。
鼻が高く、顎がしゃくれていればEラインは前にあるので、出っ歯でもまあまあ整って見えます。
逆に、鼻が低く、顎が引っ込んでいると、出っ歯でなくても口元が出ているように見えます。
唇自体の厚みによっても左右されますし、加齢とともに唇は引っ込むので、Eラインがキレイな人は早く老け顔になります。
Eラインなんてものは比較的曖昧な基準であり、それを絶対とすると、下顎後退の人は不利です。
いわゆる完璧な顔になるためには、完璧でない骨格から動かさないと完璧になるはずがないので、
質問者様が別人のように顔立ちを変えたいと希望するなら、骨ごと動かすべきですし、
鼻も顎も色々といじらないと完璧にはなりません。プロテーゼとも必要かもしれません。
ただ、そういう完璧になりたいという思想の方は、整形を繰り返してしまいがちです。
女優やトップモデルのように完璧に変わりたい、ではなく今の自分を「自分の範疇で」今よりも良くしたいのなら、
そこまで色々動かす必要もないと思います。整形にも限界があるので、整形美人は天然美人には敵いません。
下顎枝矢状分割法というのが、ポピュラーな手術法になりますが、下顎後退の人はあまり骨を動かせません。
無理に下顎を前に出すと、後戻りやすく、顎関節への影響もあります。
なので、Eラインの改善を見込むなら、オトガイ形成術もセットで必要になると思います。
外科手術と矯正を同時に行えば、保険適応になり、オトガイ形成術も保険適応になります。
外科手術をしないで自費で矯正を行った場合は、オトガイ形成術も自費扱いとなりますが、
自費矯正後に顎を出したかったらオトガイ形成術かプロテーゼかヒアルロン酸をやってみてもいいと思います。
そもそも仕事で休みを取れない段階で、外科的矯正治療を選択すべきではありません。
外科的矯正治療も時間がかかりますが、非手術抜歯矯正も同様に時間はかかります。
②の表現も、おそらく誤っています。上の前歯を下げるのであって、上顎骨は下がりません。
カムフラージュ治療と言って、骨の位置は動かしていないので不変であり、歯だけで動かして治します。
咬み合わせを治し、前歯を引っ込めて口元を引っ込めていくのであれば、それで十分です。
おそらく、下顎後退で出っ歯であれば、口唇閉鎖不全でオトガイ筋が緊張していると思います。
俗に「梅干し」と呼ばれる顎先の筋緊張がある場合は、歯が引っ込むと顎が出ます。
出っ歯で口が閉じにくいと、力まないと口が閉じられず、力んだ分筋肉が盛り上がります。
顎先の筋肉をオトガイ筋と言いますが、オトガイ筋が盛り上がると、顎が無くなるのです。
顎が無いと言われる人はだいたいこの状態になっていますが、前歯が引っ込むと口が閉じやすくなり、
筋肉の緊張が無くなり、本来の顎の形になります。潰れた顎が元に戻るわけですね。
つまり、抜歯で出っ歯を改善することで少しだけ顎が出ることがある、ということです。
また、歯が引っ込むことでEライン的な改善も生じます。前歯の引っ込める量に限界があるので、
もともとの骨格や出っ歯度合い、鼻と顎の高さ、唇の厚みによっては理想値まで下がらない可能性があります。
どれだけ前歯を下げるかは、担当の先生とよく話し合って決めましょう。
質問者様のイメージする「Eライン」が、矯正歯科医師が用いるものと違う場合は何とも言えません。
「Eラインがあるとされる芸能人」はかなりの部分が鼻と顎の形に左右されている気はしますので、
芸能人のようになりたいのであれば、顎骨含むいろんなところをいじるべきでしょう。
正面から見た口元ももちろん引っ込んで自然な形になると思います。
外科矯正で治した顔と、非手術抜歯矯正で治した顔は当然異なります。
どちらの顔がいいかは、質問者様が決めるべきことです。
手術が大変そう、時間がない、ということでしたら仕上がりに関係なく非手術です。
どちらの仕上がりがいいかという点に関しては、検査結果から判別しましょう。
通常の矯正歯科医院であれば、セファロ分析からVTOという治療プランニングや
横顔のお写真からビフォーアフター画像を作製するモーフィングということをやっているはずです。
そのプランニングに関して、担当医とよく話し合い、希望する方を選びましょう。
すでに診断を終えていると思われますので、その説明内容が納得に足るものではなかったのでしょうね。
手術が第一プランというのは、おそらく担当医の思想か、質問者様の希望を叶えるベストプランなのでしょう。
「理想的に」となると、結局大半の人が骨の位置が理想的でないので、みんな手術になってしまします。
①がベスト、②がベターであるとして、ご自身の求めるものがどちらかを、ご自身で決めましょう。
一生付き合っていくご自身の顔ですから、ご自身の判断で決めるべきです。
手術を選ぶ人は、とてもとても顔へのコンプレックスが強く、手術したくてたまらない人です。
どれだけ負担があろうと、つらかろうと、当然仕事も休んで、顔を変えて人生を変えるのです。
そこまでの覚悟が無いのであれば、非手術で治した方が良いでしょう。
そのあとで、まだ顔が気に入らないのであれば、美容整形をしましょう。
本来、咬み合わせを治すのが矯正治療で、おまけで多少顔が変わるだけです。
あまり矯正治療での顔の変化に期待はし過ぎず、顔を治すなら顔を治す病院に行きましょう。
以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。