ありママさんの相談
前歯の歯根吸収について
10歳の子供の矯正治療で悩んでいることがあるので質問させてください。
受け口の改善のために3カ月前から、6歳臼歯に固定したバンドから口角側に伸ばしたフックにゴムをかけて上あごの前方けん引を始めました。口腔内には歯の裏側に沿うアーチの金属が入っています。
それと同時に前歯4本の表側にブラケットをつけて、前歯を揃えることもしています。最初の一カ月は、前歯4本のみをワイヤーで固定していましたが、翌月からはワイヤーを6歳臼歯までつなげました。
前方けん引によって前歯は裏側のアーチから前に押し出す力を受けながらも、表側はワイヤーで止められていることになり、前歯に過大な力がかかっているようで不安です。というのも最初医師から、「前歯を一塊にしてけん引したいので前歯が揃うまでは前方けん引はしない。一番不安定な状態なのでジグリングを起こすから、前歯が揃うまで前方けん引は待ちます。」と言われていたのですが、結果としては同時進行してしまっているからです。治療が始まってからの説明が最初の説明と違い戸惑っています。
同時進行を始めて3カ月過ぎましたが、医師の最初の説明のように、「6歳臼歯からの前方けん引とワイヤーで前歯を揃えることを同時に行うとジグリングなどが起きて歯根にダメージを与える」ということはないでしょうか? 前歯の歯根に悪影響がないかととても怖いです。
今からでも、前方けん引は一旦中止し、前歯を揃え終わった後に、前方けん引を再開してほしいと頼んだ方がいいか悩んでいます。専門家の先生方のご意見をお聞かせいただけると有り難いです。よろしくお願いします。
- 医療法人愛美会 アイ矯正歯科クリニック
- ( 神奈川県 横浜市鶴見区 )
- 2016-09-30 10:12:00
現在行われている治療を整理させていただくと上顎骨前方牽引装置を上顎にはめられたバンドから行っている。そのバンドの内側にはぐるっと歯列の裏側に沿わせて直径0.9mmのワイヤーがある。そして前歯にだけブラケットをつけて前歯を排列している。ところが最近ブラケットを6からすべての歯につけて排列を始めた。という理解でよろしいですか?
お口の中に入っている6から出ているワイヤーで作られた装置は舌側弧線装置(リンガルアーチ)と言います。これは前方牽引装置を牽引するために上顎に装着した装置です。前方牽引装置は6から牽引していると6が前方に移動してしまいます。そこで他の歯も固定源に加えるための物です。上顎骨を一塊にして牽引するとお考えください。
表側についている装置はこれは単純に歯を配列している装置だと思ってください。これと前方牽引装置は直接の関係はありません。少し私のやり方とは違いますが理解できます。
10歳という年齢は上顎骨の前方成長の終わりの時期になります。早めに上顎を前方へ牽引したかったのではないでしょうか?成長の時期が終われば上顎骨はいくら牽引しても前に成長しません。
ジグリングというのは例えば一度前に出した歯を後ろに引っ張るような事を言います。すなわち無駄な動きです。前に出す必要はなかったのに雑な治療をしてしまったという事です。これには当たらないと思います。
通われている医院が矯正専門歯科医院で経験がある先生なら大丈夫だと思います。治療が成功する事を祈っています。
- ありママ(40歳 女性 主婦 )
- 2016年09月30日13時31分
現在行われている治療ですが、
顎骨前方牽引装置を上顎にはめられたバンドから行っている。そのバンドの内側にはぐるっと歯列の裏側に沿わせて直径0.9mmのワイヤーがある。そして前歯にだけブラケットをつけて前歯を排列している。
ところまではその通りです。
最初の3週間は、4本の前歯につけたブラケットに4本分の短いワイヤーを通していましたが、徐々にワイヤーが斜め(右下がり)になってしまい、右の2番目が伸びてきてしまいました。
次の受診日に、ブラケットをつけている歯は前歯4本で変わりませんが(まだ犬歯が生え変わっていないので)、長いワイヤーに変えて6番のバンド(チューブ?)までつなげました。
福井先生のご説明は、6から前方けん引をしながら、表側には6〜6へワイヤーを通して前歯を揃えても、前歯の歯根にダメージはないということで理解すればよろしいでしょうか?
前歯が舌側弧線装置(リンガルアーチ)から受ける力と、前歯をブラケットで配列する力は、逆の動きにはならないので併用してもよいということでしょうか?
理解力が乏しくてすみません。
- 医療法人愛美会 アイ矯正歯科クリニック
- ( 神奈川県 横浜市鶴見区 )
- 2016年09月30日14時23分
まず歯列の中に入っているワイヤーは牽引している6番(第一大臼歯)から出ているもので前歯や側方歯群(小臼歯)などの縁を通ってぐるっと回っています。前方牽引に加えられる力の一部が確かに前歯にも加えられます。その力の方向は内側から外側です。これに対してブラケットによって排列ですが、当初は4前歯だけにブラケットを着けていたがワイヤーの長さが短くその中で回転したりしてしまうので安定化させるために6番まで延長したと考えられます。これはジグリングではありません。4前歯だけの時と同じ力の量です。安定化させただけだとお考えください。
どちらにしても受け口だった。そして上顎骨の劣成長があったと推察できます。そこで前方牽引装置と前歯の排列をして反対咬合を改善しながら同時に前歯を排列する予定だと思います。計画では将来永久歯を抜かずに治療を行う予定ではありませんか?それでしたら前に出した前歯を再び小臼歯(4番目か5番目)の歯を抜いて後ろに移動させる治療をするわけではないのでジグリングではありません。方向は一定です。
歯根吸収が起きるか?ご心配だと思います。しかし、歯根吸収が起きる原因は様々です。元々歯の根尖が細く弱い場合や皮質骨など硬い骨と当たってしまった場合、さらにこのジグリングや強い力を加えたという事だと思います。現在行っている力がどれほどかは実際に拝見していないのでわかりませんが、私が判断するには問題はないと思います。
担当されている先生もきちっと力を測って使用されているはずです。ご心配は要らないかと思います。治療が成功する事祈っています。
- プロ矯正歯科
- ( 東京都 墨田区 )
- 2016-10-02 13:30:00
大切なお子様の治療ですから御悩みも多々あると思います
上顎の成長が旺盛な時期は7から9歳と言われてます
つまり、現在10歳という御年齢では治療を中断するのはいかがかなと思います
一方で、治療計画がタイトなスケジュールになるのも仕方ないかと思います