リバーさんの相談

カテゴリ:装置・治療法

分析方法が違うことによる治療法の違いについて

小学4年生の息子の受け口の治療に関して質問します。
矯正歯科で検査を受けたところ、ANBがマイナスの数値でしたが、
10歳児の標準値はANB=4.7なので、上顎が後ろにあるタイプの下顎前突だと言われました。

念のため別の矯正歯科に資料を持って相談したところ、イイヅカの分析方法はよく使われているが古い分析方法でANBが4.7は大きすぎる。こちらの先生が使われている分析法の10歳児の標準値はANB=2で、尚且つ2.4の幅(SD)があるので、息子は標準偏差内だと言われました。上顎を前方に牽引する必要性もないし、そもそも奥歯の噛み合わせはいいのに引っ張るとずれてしまうとも言われました。

ANBの標準値が分析方法によって全く異なることに大変驚いています。
そして分析法の違いにより、一方では下顎前突の治療としてマスクで上顎の前方牽引、一方ではバイオネーターで歯槽骨の拡大の後下顎骨の成長抑制、と治療法も異なり戸惑っています。

どちらの治療(先生)を選択しても、最終的なゴールは同じになるのでしょうか?

またこれまでバイオネーターは出っ歯に使う装置だと認識していました。
上顎を骨格的に拡大した後、下顎の成長を抑制するために15歳頃までバイオネーターを使い続けるという治療はどうでしょうか?

ご意見よろしくおねがいします。

リバー 様

息子様は受け口なんですね。ANBはマイナスなんですね。結論から言うと私は前者の先生に従います。

お子様は10歳ですね。この年齢は上顎骨の成長時期です。これを過ぎると上顎骨はそれほど前方に成長せずに下方へ成長します。成人の方のお顔はお子さんの時代よりも面長に見えるのはこれからの成長によります。

そして13歳から15歳になると下顎が前下方に成長します。とするとお子様は今上顎骨を前に牽引しておかなければANBがマイナスの値のままです。それどころか悪くなる可能性があります。牽引したからと言っても出っ歯になるほど効果はありません。緩やかなものです。

前者の先生と後者の先生の大きな違いは、前者の先生は上顎骨の劣成長による下顎前突だと診断しました。後者の先生は骨格性ではなく前歯の問題だと歯の問題ですと言っているようです。バイオネータは反対咬合にも使いますが、一般的には骨格にはまったく作用もありません。

診断が両者の先生でまったく違うという事なんです。確かに飯塚先生の分析は古いです。しかし、10歳のお子様の正常咬合者のデータを取るのは大変難しいです。実際に正常咬合者を集めてしかも横顔のレントゲン写真の撮影が必要になります。今の時代保護者の方がこれを許可してくれるか?というのが障壁になって更新できないと思っていました。私も調べて見ます。確かに古い資料は対照群になったお子さんの栄養状態が違います。また正常咬合者に対する考え方も違うかも知れませんが、私の感覚では成人の方でANB2度は可ですが、10歳でANB2度は少し小さい感じを持っています。しかもお子様はマイナスです。

両者の先生の診断がまったく違いますが、前方牽引装置を使用しても出っ歯になる事はないと思います。私はやはり前者の方の診断に賛成です。10歳を過ぎると前方牽引装置を使用してもそれほどおおきな効果はありません。

以上です。長くなりました。ANBはセファログラムというレントウゲン上での計測値です。お子様のお顔を横から見られてどうですか?受け口に見えますか?レントゲン写真は実は横顔を計測しています。不安ならもう一軒お聞きに行かれたどうですか?重要な事です。治療が成就する事を祈っています。
はじめましてリバーさん。銀座矯正歯科の深沢と申します。
ご相談内容拝見致しました。

治療方法と治療目的が違うわけですからゴールは違いますね。
どういった根拠によるものか私はわかりません。

またバイオネーターが下顎の成長抑制効果があるのかは
私にはわかりません。
論文ではエビデンスが低いので
可能性としては少ないかと思います。

ですがその先生が診断結果とその先生の臨床経験によるデータで
息子さんにその装置が向いていると判断されたのであれば
その装置は効果があるのではないでしょうか。

ご参考になれば幸いです。

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