まっきー☆さんの相談

カテゴリ:装置・治療法

急速拡大装置(固定式)と拡大プレート(取り外し式)の違いについて

10歳の息子が出っ歯のため、矯正を考えています。
いくつかの病院に相談にいってるのですが、急速拡大装置しか扱わないとおっしゃる病院と取り外し式の拡大プレートを主に使われている病院がありました。どういった違いで、使い分けされているのでしょうか?
それぞれのメリット・デメリットがあれば教えてください。

「床(しょう)矯正」といって、矯正治療のほとんどを取り外し式拡大プレートだけで治療を行うことを推奨しているグループや、逆に急速拡大装置のみを好んで使われるグループもあるようですが、一般的に矯正治療を専門としている歯科医師(日本矯正歯科学会の専門医・認定医リストなどを参考にされるといいと思います。)は、ケースバイケースで装置を選択することが多いのではないでしょうか。
当院では、拡大したい量(多い場合は急速拡大)、年齢、上あごの「土台」まで広げたいのか、など目的により装置を選んでいます。
急速拡大装置のメリットは短期間で大きく広げられること、歯並びだけでなく、上あごの土台も拡げやすいこと。デメリットは取り外せない、清掃しにくい、痛みがやや出やすい。
拡大プレートのメリットは、食事や歯磨きの時に外せる、拡げる量が多くなければ問題なし、スプリングなどを足しやすい。デメリットは患者さんが使わないと拡がらない(長時間使うのはそれなりに大変)、歯が外側に傾斜しやすい。
などが挙げられます。
また、拡大装置と言うのは、最後に歯を移動して、上下のかみ合わせを完成させる道具とは言い難いですので、成長期に拡大した後、大人の歯並びを何を使ってどうするのか?、も重要なポイントだと思いますが・・・
私の回答が参考になれば幸いです。
  • まっきー☆(40歳 女性 主婦 )
  • 2015年01月13日23時07分
早速、ご回答ありがとうございます。
一日でも早く病院を決めて始めたいと思っているので、とてもわかりやすくご解説いただき、勉強になりました。
息子の場合、矯正をするには年齢が少し遅れ気味であること、上あご、下あご共小さいこと、下の前歯数本が内側に倒れ気味、臼歯が内側に倒れ気味ということがあり、相談をした病院で急速拡大装置の説明を聞いた時は、納得しました。ただ、そこの病院では、床矯正を全くされていないということでした。人それぞれ矯正の仕方は違うはずなのに、どうして選択肢の一つとして取り扱いをされていないのか、単純に疑問なんですが、それは気にしなくていいでしょうか?
あと息子は、面倒くさがりで、毎日の歯磨きもおろそかになることがあるぐらいなので、学校の給食時など、取り外してしまうとそのままになってしまうのでないかと心配です。本人の性格を考えると、固定式の急速拡大装置があうのではと思うのですが、いかがでしょうか?
こんにちは。はじめまして。

息子さんの矯正治療で、使用する装置に違いがあり悩まれていることとお察し申し上げます。

まっきー☆さんも薄々お気づきになられていることと思いますが、矯正治療というものは世界中日本中にいろいろな流派があり、矯正専門のドクターによっても、治療に対する考え方・使用する装置・治療のタイミングなどが異なるという現実があるのです。
目指すところは同じと思いたいのですが、そこに至るまでのプロセスに正解はないというのが矯正歯科という分野の特徴なので、患者様にとっては、何が良いのかを判断することはほぼ不可能だと思います。

ご質問の主旨は、急速拡大装置と取り外し式の拡大プレートの利点・欠点を知りたいとのことですが、どんな装置にも利点と欠点はありますので、大事なことはどちらが息子さんの出っ歯を治すのに適しているかどうかということです。 ですから、これは実際に息子さんの歯ならび・咬み合わせを診させて頂かないことには答えようがありません。

あえて一般論を申し上げるなら、息子さんの下顎の位置と前歯の咬み込み具合によって判断することが多いのですが、前歯の咬み込みが深い「過蓋咬合」という状態であればどちらでもいいかもしれませんが、咬み込みが浅い「開咬」傾向があるのであれば、急速拡大装置の方がまだマシです。 いずれにしても出っ歯とのことなので、おそらく上下の顎の関係は上顎前突傾向があると想像しますので、もしそうであるならどちらの装置もあまり奨励されません。 なぜなら上(もしくは上下)の歯列を拡大すると、下顎の位置が後下方に回転してしまい、出っ歯の治療が不利になってしまう可能性があるからです。 ですから、そもそもその二択しかないのもおかしな話であると感じます。
また、少々下衆な話をしますと、取り外し式の拡大プレートは一般的に「床矯正装置」と表現されることもある装置で、矯正歯科専門の歯科医院でなくともお手軽にできる矯正治療として広く一般歯科にて使われることの多い装置です。 逆に言うと、自分ができる治療法がそれしかないから提案している可能性もあるわけです。 急速拡大装置の方がまだ矯正歯科を専門にしている可能性が高いですが、上の顎を骨ごと広げる装置なので、過激と言えば過激ですが、適応であれば大きな効果が期待できますし、もし息子さんが鼻炎に悩まされているとしたら、鼻腔が拡がるので鼻が通りやすくなるというメリットもあります。

以上、長々と書いてしまいましたが、少しでも参考になりましたでしょうか?
もし可能であれば、もう少しインターネットなどでお近くの矯正歯科専門の歯科医院を検索して、いくつかまわってみて納得できる治療法を提示する歯科医院を探してみてはいかがでしょうか?(もうすでにいくつかまわっておられるとのことですが・・・)
どうぞよろしくお願い致します。

  • まっきー☆(40歳 女性 主婦 )
  • 2015年01月14日22時11分
お疲れのところ、ご丁寧にご説明いただきありがとうございました。
インターネットで色々調べるにつれ、なんとなく矯正のことがわかってきたような気がしてたのですが、どこかスッキリせず、モヤモヤしてたのですが、先生のご説明を読んで「やっぱりそうだったのか」と理解することができました。もう少し他の病院も探してみようと思います。
息子は、6歳臼歯のかみ合わせが臼歯半個分ずれていて、その分ぐらい上顎前突のようです。歯が明石家さんまさんのように前に突き出ているわけではなく、歯は下を向いてるのですが、上顎が前にでているようです。それに加え過蓋咬合と言われました。説明不足で申し訳ありませんでした。
相談に伺った矯正専門歯科の先生は、上顎の成長は、もう終わりかけだけれど、下顎はまだ成長途中なので、上顎を広げて、受けを大きくしてあげることで、下顎が成長してくると丁度良いようなことをおっしゃっていたように思います。私の説明では、不十分かもしれませんが、どういった治療が他にあるのか教えていただけないでしょうか?
急速側方拡大装置はネジの付いた固定式の装置で、特に上顎の真ん中の骨のつなぎ目(上顎正中口蓋縫合)を開いて新たな骨を作らせることで顎の幅を拡大する装置です。メリットは短期間で大きく拡げられることです。デメリットは固定式なので歯ブラシの仕方は少し難しく、使える年齢に限度(思春期前まで)があること、拡大する力で歯に負担がかかり易い(痛みが出やすい)ことです。

取り外し式拡大プレート装置は緩徐拡大装置とも呼ばれ、プラスチックの装置にネジが付いています。最大のメリットは、取り外しができるため清掃性に優れています。就寝時のみ使用していただく場合がほとんどですので、学校での生活に大きな変化が生じることはありません。デメリットとしては、ご自身で使うものですので、使用していただかないと全く効果がありません。

また上記の拡大装置はあくまで永久歯を並べる顎のスペースをつくるもので、最終的には全ての永久歯をしっかり並べて咬ませる成人矯正が必要な場合があります。

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