たまおさん(神奈川県)の相談
カテゴリ:その他
現在歯列矯正中です。矯正を始めるときに、耳に棒みたいなものを突っ込んで、写真かレントゲンを撮った気がするのですが、あれは何だったのでしょうか??
私は左右耳の位置が微妙に違う高さについており、もしあれで顔の傾きやらを判断し顔の中心を定めたのなら、間違いが生じるのではと不安になってきました。
いろいろ教えてください。よろしくお願いします。
- イデア矯正歯科
- ( 神奈川県 川崎市中原区 )
- 2012年04月18日19時00分
たまお様
はじめまして。イデア矯正歯科の布留川 創(ふるかわ はじめ)です。
矯正治療検査時に耳に棒をいれて頭の位置を制限固定して写真撮影やレントゲン撮影を行なうことは一般的です。
頭部X線規格写真、あるいはセファログラムといいますので、そのような単語で検索をされても良いかもしれません。頭部、顔貌の形態計測や発育などの診査に利用されるものです。
横顔を見るように側面を撮影した場合、上顎と下顎の骨の形や前突度合い、前歯の傾斜角度や口唇の形態、突出度合いなどがよくわかります。
正面から見るように撮影した場合、頭蓋骨にたいしての左右の目の位置、耳の位置、顎関節の場所、左右の下顎骨の長さ、噛み合わせの面の傾斜、上下顎前歯の位置などを計測し、左右でのゆがみに関して考慮を行ないます。
人は大体左右対称が機能的で良いのですが、完全な対称系はありえません。
ですので、レントゲンの検査を行なった場合、多少耳の位置が違うこともありますし、目の位置だって左右異なることもあります。矯正治療を必要とする患者さんの中にはお耳が無い方だってありますので、耳の穴はあくまで基準のうちのひとつでしかありません。
また、正面からのレントゲンでは骨の中心を仮に定めるのですが、私たちがお顔を見るときはそのうえに乗っかっているお肉:軟組織を観察していて、骨は見ていません。
大体、骨の上には同じ厚さでお肉がのっていると考えてもらってよいのですが、お鼻の形や唇の傾斜などは骨の形とぴったり同じではなく、首が傾斜しているときなどは骨では歯が右にずれているのに、お顔全体からすると、逆にずれて見えるというような難しい場合もあります。
ですので、単純にレントゲンに線を引いただけで治療方針が完全に決定して、それにあわせて矯正治療が計画通りに進むということではなく、
レントゲンの資料を参考にしながら、全体を観察しつつ、治療目標を設定して進めるのが矯正治療の本来の形です。
また、治療技術は進歩してきていますが、患者さんの個々の歯の形や治療前の骨のゆがみの程度によってはお顔の中心と歯の中心が完全に一致はしなくとも、「個性正常咬合」と考えて治療ゴールを設定するものです。
*****
腕の右利き、左利きがあるように、目も「利き目」というのがあるのをご存知ですか?自分で鏡を見て「ここが顔の中心」と思っていても、それは利き目にあわせて少し右(あるいは左)から自分の顔を観察しているので、他人が客観的に見ているお顔の中心とは実は異なっています。
通常上の前歯は下の前歯よりも少し前方に位置しています。例えば右目で見ていて上下の前歯の中心が一致して見えた場合、左目で見ると中心はかならず少しずれます。ですから、右目で見ても、左眼で見ても、中心が合うような治療は存在しません。
ですので、もし、先生が説明してくれた内容とご本人さんが鏡で自分を観察して感じている事柄が少しずれていた場合、どちらかが間違えているということではなく、認識の違いの範囲でしかないこともありますので、不安が大きい場合には、内にためずにご質問してみていただくのが良いでしょう。
*****
余談が多くなってしまいましたが、まとめますと
「耳の位置が左右違うことは矯正専門医にとっては良くあることですから、大丈夫だと思いますよ。でも、心配なら担当の先生に聞いてみると良いでしょう」です。
多少ご参考となりましたでしょうか??回答に対するご意見、ご感想もお願いいたします。
はじめまして。イデア矯正歯科の布留川 創(ふるかわ はじめ)です。
矯正治療検査時に耳に棒をいれて頭の位置を制限固定して写真撮影やレントゲン撮影を行なうことは一般的です。
頭部X線規格写真、あるいはセファログラムといいますので、そのような単語で検索をされても良いかもしれません。頭部、顔貌の形態計測や発育などの診査に利用されるものです。
横顔を見るように側面を撮影した場合、上顎と下顎の骨の形や前突度合い、前歯の傾斜角度や口唇の形態、突出度合いなどがよくわかります。
正面から見るように撮影した場合、頭蓋骨にたいしての左右の目の位置、耳の位置、顎関節の場所、左右の下顎骨の長さ、噛み合わせの面の傾斜、上下顎前歯の位置などを計測し、左右でのゆがみに関して考慮を行ないます。
人は大体左右対称が機能的で良いのですが、完全な対称系はありえません。
ですので、レントゲンの検査を行なった場合、多少耳の位置が違うこともありますし、目の位置だって左右異なることもあります。矯正治療を必要とする患者さんの中にはお耳が無い方だってありますので、耳の穴はあくまで基準のうちのひとつでしかありません。
また、正面からのレントゲンでは骨の中心を仮に定めるのですが、私たちがお顔を見るときはそのうえに乗っかっているお肉:軟組織を観察していて、骨は見ていません。
大体、骨の上には同じ厚さでお肉がのっていると考えてもらってよいのですが、お鼻の形や唇の傾斜などは骨の形とぴったり同じではなく、首が傾斜しているときなどは骨では歯が右にずれているのに、お顔全体からすると、逆にずれて見えるというような難しい場合もあります。
ですので、単純にレントゲンに線を引いただけで治療方針が完全に決定して、それにあわせて矯正治療が計画通りに進むということではなく、
レントゲンの資料を参考にしながら、全体を観察しつつ、治療目標を設定して進めるのが矯正治療の本来の形です。
また、治療技術は進歩してきていますが、患者さんの個々の歯の形や治療前の骨のゆがみの程度によってはお顔の中心と歯の中心が完全に一致はしなくとも、「個性正常咬合」と考えて治療ゴールを設定するものです。
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腕の右利き、左利きがあるように、目も「利き目」というのがあるのをご存知ですか?自分で鏡を見て「ここが顔の中心」と思っていても、それは利き目にあわせて少し右(あるいは左)から自分の顔を観察しているので、他人が客観的に見ているお顔の中心とは実は異なっています。
通常上の前歯は下の前歯よりも少し前方に位置しています。例えば右目で見ていて上下の前歯の中心が一致して見えた場合、左目で見ると中心はかならず少しずれます。ですから、右目で見ても、左眼で見ても、中心が合うような治療は存在しません。
ですので、もし、先生が説明してくれた内容とご本人さんが鏡で自分を観察して感じている事柄が少しずれていた場合、どちらかが間違えているということではなく、認識の違いの範囲でしかないこともありますので、不安が大きい場合には、内にためずにご質問してみていただくのが良いでしょう。
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余談が多くなってしまいましたが、まとめますと
「耳の位置が左右違うことは矯正専門医にとっては良くあることですから、大丈夫だと思いますよ。でも、心配なら担当の先生に聞いてみると良いでしょう」です。
多少ご参考となりましたでしょうか??回答に対するご意見、ご感想もお願いいたします。