ぽんさん(青森県)の相談

カテゴリ:抜歯治療との違い

こんにちは。
前歯が出てる為、矯正をしたいと考えております。
抜歯、非抜歯による後戻りはどちらが多いのでしょうか?
また、非抜歯はやはり全体的に出っ歯になりやすいのでしょうか?
また、抜歯による後戻りがあるとすると、隙間があくのでしょうか?
今、抜歯するか非抜歯でいくかの選択をして、矯正にはいる予定です。
すごく悩んでいます。
せっかく矯正したのに、出っ歯っぽくなるなら抜歯したいと思ってますが…抜歯すると、逆に口元が老けた感じになると聞いたこともあり…
悩んでいます。
参考になる専門家の意見を聞きたいと思っています。
お願いします。

ぽん 様

こんにちは。
すでに検査と診断を終えられているのでしたら、担当の先生とよく相談してメリットとデメリットを考慮して決められるとよいでしょう。
見た目を重視するなら抜歯、多少の見た目に目をつぶっても歯を多く残したいのであれば非抜歯ということになるでしょうか。
抜歯(おそらく小臼歯だと思いますが)してもそこまで口元は老けたようにはならないと思います。
いずれにしろ、実際のお口を診たわけではないので、あくまでも参考程度に考えて頂けると幸いです。
  • ぽんさん[青森県 34才 女性]
  • すごく丁寧にお答えいただきありがとうございます。
    私の文章にもれがあり、うまく伝わらなかったことがあり申し訳ありません。
    もうレントゲンや歯形はとり、話し合いも終わった段階なのです。
    初めは前歯2本をさげるなら非抜歯でと言われ、非抜歯で進める予定だったのが、よく話を聞いていくと、全体的に前歯を下げたいのなら抜歯しかないと言われたのです。
    要するにどちらでもありだが、仕上がりに違いがあるということでした。
    それで、どちらも選べるので悩んでいたのです。
    文章がうまく伝わらず申し訳ありませんでした。忙しいと思いますが、アドバイスがあればお願いいたします。
    ぽん 様

    こんにちは。
    矯正治療の方針で、抜歯か非抜歯で悩んでおられるようですが、こればかりは実際のお口を診てみないことには、残念ながらどちらがいいとアドバイスすることはできません。矯正の治療計画で歯を抜くか抜かないかは実に多くの要因を考慮して決定されるものですし、ご存じのように抜歯・非抜歯にはどちらにもメリットとデメリットがありますから。ですが、矯正専門医の立場からできるだけ参考になるように意見を述べさせて頂きます。

    まず、文章の内容からすると、最初に抜歯か非抜歯と決めてから矯正治療の流れに入る予定とのことですが、残念ながらこの考え方は誤っていると言わざるを得ません。というのは、上述したように通常は矯正歯科医が初回の精密検査をした上で、口元の審美的・機能的観点、顎の骨と歯の数や大きさとのバランス、術後の安定性、患者様の希望などを熟慮した上で、抜歯治療が可能なのか、非抜歯治療が可能なのか、それとも両方とも可能なのかを判断するからです。最初に歯は絶対抜かないと決めて歯科医院に行っても、検査の結果抜歯治療しか選択肢がないということも往々にしてあることになります。

    また、同じく文章の内容からすると、矯正治療をしたときに抜歯か非抜歯かで口元の印象が変わってしまうとお考えのように拝察されます。これがそもそもおかしい点です。矯正の治療計画を立案する際は、最初に、歯をどこまで動かすかという治療ゴールを設定します。通常は上の前歯の前後的垂直的位置が基準になります。ゴールを決定する要素は上述のように側貌(横顔のプロファイル)においてバランスのとれた口元、上口唇に対する上の前歯の露出度(スマイルライン)等を考慮します。
    そして、そのゴールを達成するために抜歯が必要なのか非抜歯でも可能なのかを判断するのです。ですから本来の矯正治療の理想的な考え方でいくと、抜歯でも非抜歯でも口元の印象は変わらないはずなのです。
    ですが、現実的には矯正治療の技術的限界によって治療ゴールが左右されてしまうことも少なくありません。

    私たち矯正専門医も、できることなら健康な歯は抜きたくありません。しかしながら、治療ゴールを達成し、治療後の安定性(後戻り)も考慮したときに、抜歯した方が良い場合もあります。抜歯か非抜歯かで後戻りに差がでるかどうかは、最初の診断と治療計画によって変わります。抜歯治療の後戻りとしては歯列に隙間があいてしまうこともあります。

    現在では矯正の治療技術も格段に進歩しました。特にインプラント矯正という治療技術はめざましい発展を遂げています。このインプラント矯正を用いることによって、治療ゴールを確実に達成できるようになりました。従来なら抜歯しなければ治療不可能と言われていたケースも非抜歯でできるようになってきたり、治療が難しいケースでも比較的容易に治療できるようになってきたのです。分かりやすく言うと、非抜歯でも出っ歯になることもなく、抜歯しても口元が老けたような感じになることもなくなってきたのです。
    ただし、現在のところこのインプラント矯正を確実に行える矯正歯科はだいぶ限られてしまうというのが現実です。

    矯正治療における抜歯・非抜歯の論争はかなり昔からずっと続いてきました。できることならやみくもに抜歯する矯正歯科や、やたらと非抜歯を謳う矯正歯科は避けて頂き、どちらが良いかを公平に判断できる矯正歯科を選ばれると良いと思います。

    かなり長文になってしまい、大変恐縮ですが、少しでも参考になれば幸いです。




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