たんけんさんの相談
カテゴリ:装置・治療法
6歳の小学1年生です
かかりつけ医で反対咬合の指摘を受け矯正歯科に行きましたが、上の前歯4本が生え揃う3年生位の矯正で良いと診断されました
その時にレントゲンを撮って、右上の第一大臼歯が前向きに生えていて、この先前の歯を押してしまうので先に第一大臼歯を矯正した方が良いと言われました
後日、定期検診でかかりつけ医にその旨相談したところ、3年生以降に反対咬合と第一大臼歯の矯正を一緒にやった方が子供の負担が少なくて済むんじゃないかと言われました
矯正を専門にされてる先生とそうでない先生では考え方など色々と違うとはおもいますが、反対咬合と第一大臼歯の同時矯正は可能なのでしょうか?
そもそも矯正方法が違うので、別々に行った方が良いのでしょうか?
※内容を一部修正しました(運営部)
- マロニエ矯正歯科クリニック
- ( 埼玉県 草加市 )
- 2024-09-06 19:52:00
初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えいたします。
第二乳臼歯に第一大臼歯が引っかかっていることを「異所萌出」と言います。
異所萌出と反対咬合の治療の適切な時期についてのご質問ということですね。
反対咬合の程度と異所萌出の程度によりますが、あまり放置しない方が良いかと思います。
また、かかりつけの一般歯科の先生の意見ですが、同時に行う方が治療が複雑化してお子様の負担となります。
反対咬合と異所萌出のどちらを優先するかは実際の状態次第ですが、両方後回しは得策ではありません。
一般歯科の先生は基本的に矯正治療に精通していないので、あまり参考にならないと思ってください。
矯正治療というジャンルはとてもマニアックであり、歯科医師になってから専門機関でしか学ぶことが出来ません。
なので、一般歯科の先生と一般人はさほど知識レベルに差が無かったりしますのでご注意ください。
まず、反対咬合の治療が8才からで良いのかという点ですが、基本的には反対咬合については早ければ早い方が良いです。
矯正歯科医師によって開始時期は意見が分かれるところであり、前歯が生えてから始めるとしている先生は多いですが、
こと反対咬合に関しては適齢期を過ぎると手遅れになってしまうので、軽度でない限りは放置すべきではありません。
理由はいくつかあります。
まず、6歳以降、反対咬合は悪くなる一方です。
上顎骨と下顎骨の成長スピードの問題で、6歳までは上顎の方が伸びますが、6歳以降は下顎の方が伸びます。
また、上の歯が下の歯よりも前に出ていればある程度下顎の成長を抑えられますが、
反対咬合のままでいると抑えが効かないので伸び放題です。
また、反対咬合の人は必ず舌の悪習癖があります。反対咬合のままでいると舌で下の歯を押す癖が出続けて
より下の歯の方が前に出てしまいます。
そして、反対咬合の治療では上顎前方牽引装置(フェイシャルマスク)を使用することが多いですが、
上顎骨を引っ張れる伸びしろが6〜8才なので、8才スタートだと上顎が伸びずに治せなくなる可能性があります。
骨格の要素の少ない軽度の反対咬合であれば、簡単に治せるためしばらく放置で良いかも入れませんが、
骨格性の要素のある反対咬合の場合、放置していると適齢期を過ぎてしまい、治しにくい、治せなくなるかもしれません。
担当の矯正歯科医師がどういう思想と予測をもって反対咬合を放置しているのかわかりませんが、
もし誤診であるなら、2年後に治療を始めてもうまくいかない可能性があります。
反対咬合以外の治療の開始時期は少し遅くても良いのですが、反対咬合は早ければ早い方が良いです。
次に、異所萌出についてですが、これも手をつけるタイミングが重要になります。
ポイントは、第一大臼歯の位置と第二乳臼歯の歯根吸収の度合いです。
第一大臼歯があまり出てきていないのであれば始められませんし、一部生えてきているなら始められます。
第二乳臼歯の歯根吸収が進んでいないのであれば、第二乳臼歯を残すために早めに始めるべきです。
第二乳臼歯の歯根吸収が進んでいる場合、逆に第二乳臼歯が抜けてからやった方が治しやすくなります。
第一大臼歯を正しい位置に戻すために後方移動が必要となりますが、色々な方法があります。
第一大臼歯の後方移動を行った後、第二乳臼歯が抜けてしまった場合、
第一大臼歯が前に移動しないように何かしらの装置で抑えておく必要があります。
第一大臼歯の後方移動と反対咬合の治療は同時に行うことが出来ませんので、
反対咬合の重症度と第二乳臼歯の歯根吸収度合いを見て、どちらを優先すべきかを判断する必要があります。
また、異所萌出と反対咬合以外にも叢生(でこぼこ)などの問題もおそらくあるはずです。
普通の子よりもやることが多く、治療期間も長期化するので、普通の子よりも早めに開始しておくべきと思います。
早く始めて損することはありませんし、せっかくこの年齢で矯正歯科を受診しているので、8歳まで待たない方が良いでしょう。
そもそも本格矯正治療が必要かどうか、永久歯を将来的に抜歯すべきかどうかも含めて
総合的に見て今何をするべきかを判断して矯正治療に臨みましょう。
以上を、ご質問の回答といたします。よろしくお願いいたします。
ご質問にお答えいたします。
第二乳臼歯に第一大臼歯が引っかかっていることを「異所萌出」と言います。
異所萌出と反対咬合の治療の適切な時期についてのご質問ということですね。
反対咬合の程度と異所萌出の程度によりますが、あまり放置しない方が良いかと思います。
また、かかりつけの一般歯科の先生の意見ですが、同時に行う方が治療が複雑化してお子様の負担となります。
反対咬合と異所萌出のどちらを優先するかは実際の状態次第ですが、両方後回しは得策ではありません。
一般歯科の先生は基本的に矯正治療に精通していないので、あまり参考にならないと思ってください。
矯正治療というジャンルはとてもマニアックであり、歯科医師になってから専門機関でしか学ぶことが出来ません。
なので、一般歯科の先生と一般人はさほど知識レベルに差が無かったりしますのでご注意ください。
まず、反対咬合の治療が8才からで良いのかという点ですが、基本的には反対咬合については早ければ早い方が良いです。
矯正歯科医師によって開始時期は意見が分かれるところであり、前歯が生えてから始めるとしている先生は多いですが、
こと反対咬合に関しては適齢期を過ぎると手遅れになってしまうので、軽度でない限りは放置すべきではありません。
理由はいくつかあります。
まず、6歳以降、反対咬合は悪くなる一方です。
上顎骨と下顎骨の成長スピードの問題で、6歳までは上顎の方が伸びますが、6歳以降は下顎の方が伸びます。
また、上の歯が下の歯よりも前に出ていればある程度下顎の成長を抑えられますが、
反対咬合のままでいると抑えが効かないので伸び放題です。
また、反対咬合の人は必ず舌の悪習癖があります。反対咬合のままでいると舌で下の歯を押す癖が出続けて
より下の歯の方が前に出てしまいます。
そして、反対咬合の治療では上顎前方牽引装置(フェイシャルマスク)を使用することが多いですが、
上顎骨を引っ張れる伸びしろが6〜8才なので、8才スタートだと上顎が伸びずに治せなくなる可能性があります。
骨格の要素の少ない軽度の反対咬合であれば、簡単に治せるためしばらく放置で良いかも入れませんが、
骨格性の要素のある反対咬合の場合、放置していると適齢期を過ぎてしまい、治しにくい、治せなくなるかもしれません。
担当の矯正歯科医師がどういう思想と予測をもって反対咬合を放置しているのかわかりませんが、
もし誤診であるなら、2年後に治療を始めてもうまくいかない可能性があります。
反対咬合以外の治療の開始時期は少し遅くても良いのですが、反対咬合は早ければ早い方が良いです。
次に、異所萌出についてですが、これも手をつけるタイミングが重要になります。
ポイントは、第一大臼歯の位置と第二乳臼歯の歯根吸収の度合いです。
第一大臼歯があまり出てきていないのであれば始められませんし、一部生えてきているなら始められます。
第二乳臼歯の歯根吸収が進んでいないのであれば、第二乳臼歯を残すために早めに始めるべきです。
第二乳臼歯の歯根吸収が進んでいる場合、逆に第二乳臼歯が抜けてからやった方が治しやすくなります。
第一大臼歯を正しい位置に戻すために後方移動が必要となりますが、色々な方法があります。
第一大臼歯の後方移動を行った後、第二乳臼歯が抜けてしまった場合、
第一大臼歯が前に移動しないように何かしらの装置で抑えておく必要があります。
第一大臼歯の後方移動と反対咬合の治療は同時に行うことが出来ませんので、
反対咬合の重症度と第二乳臼歯の歯根吸収度合いを見て、どちらを優先すべきかを判断する必要があります。
また、異所萌出と反対咬合以外にも叢生(でこぼこ)などの問題もおそらくあるはずです。
普通の子よりもやることが多く、治療期間も長期化するので、普通の子よりも早めに開始しておくべきと思います。
早く始めて損することはありませんし、せっかくこの年齢で矯正歯科を受診しているので、8歳まで待たない方が良いでしょう。
そもそも本格矯正治療が必要かどうか、永久歯を将来的に抜歯すべきかどうかも含めて
総合的に見て今何をするべきかを判断して矯正治療に臨みましょう。
以上を、ご質問の回答といたします。よろしくお願いいたします。
- たんけん(42歳 女性 )
- 2024年09月07日06時18分
お忙しい中、とても分かりやすいご説明ありがとうございます。
反対咬合に関しては私が反対咬合の為、早急に対応して欲しい思いで通院したところ、3年生からで大丈夫との返答に不安を抱いていたのですっきりしました。
矯正歯科が少ない地域ですが、セカンドオピニオンも検討したいと思います。
反対咬合に関しては私が反対咬合の為、早急に対応して欲しい思いで通院したところ、3年生からで大丈夫との返答に不安を抱いていたのですっきりしました。
矯正歯科が少ない地域ですが、セカンドオピニオンも検討したいと思います。