まきまきさんの相談

カテゴリ:治療後・アフターケア

矯正後のリテーナーについて

約2年半矯正治療し、2023年12月より上顎の歯にフィックスタイプのリテーナー(上顎の左右の中切歯から犬歯)+ベッグタイプのリテーナー(上顎全体)で保定をしています。
ベッグタイプのリテーナーがクリニックから貰った当初より、右の第1大臼歯から第2臼歯のあたりがプラスチック部分を押してもぴったりとはまりません。装着できるにはできているのですが、その部分をぐっと押しても少し下にリテーナーが下がってきます。
左側はぴったりとはまるので、多分そっちの力でなんとか全体が装着できているのかと思っています。
クリニックに問い合わせたのですが、寝ている間に外れていなければ大丈夫といわれてしまい、何も対応はしてもらっていません。
ネットなどをみるとプラスチックの部分はすべてぴったりとはまるものと記載されていたので不安です。
この場合もう一度作り直してもらったほうがいいのでしょうか?

こんにちは、お気持ちわかります。せっかく約2年半も頑張って、きれいになった歯並びが、リテーナーの不適合で崩れてしまわないかと心配ですよね。それは自然だと思います。やはり主治医に遠慮せず相談されることを、お勧めします。
初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問に回答いたします。

矯正治療終了後のリテーナーの装着具合が気になるということですね。
まずは各リテーナーの特徴について説明します。
ベッグタイプリテーナーは正直ずれやすいですが、フィックスタイプリテーナーと併用しているのであれば問題ないでしょう。

ベッグタイプリテーナーの特徴は、歯の咬む面を覆っていないので壊れにくく、ワイヤーを屈曲することで調整性が高いです。
矯正治療後にある程度歯をフリーしておいた方がより咬み合わせが良くなるとも言われています。
ただ、装置が変形しやすく、装着できているか患者さんが変別しにくく、だんだんとずれてしまいやすいです。
また、全体的にふんわりと触れている程度なので、多少歯並びが変化してしまうこともあります。
その弱点を、フィックスタイプリテーナーと併用することでカバーしています。

フィックスタイプリテーナーは接着されている部位の歯をしっかりと抑えてくれますが、前歯しか抑えることが出来ません。
また、接着剤でくっつけているので外れてしまう可能性があり、外れたまま放置していると歯並びが崩れてしまいます。
その弱点を、ベッグタイプリテーナーと併用することでカバーしています。

それぞれの短所を補ってくれるので、ベッグとフィックスを併用するとかなりガッチリ歯並びを抑えてくれます。
ベッグタイプリテーナー単独の場合は、適切に装着されていない場合、歯並びが崩れてしまいます。
フィックスタイプリテーナーと併用していれば、多少甘くても歯並びは崩れにくいかもしれません。
ただ、抜歯矯正であったり、歯列の拡大などを行っている場合は奥歯を抑える必要があるので、ベッグが重要になります。
理想は口蓋部に装置が密着している状態ですが、多少浮いてしまうこともあります。
少し浮いているなら大丈夫、かなり浮いているならフィックスがあっても崩れてしまうでしょう。
気になるようでしたら矯正治療を行った歯科医院で調整してもらい、バッチリ装着できるようにしてもらいましょう。
変形するし調整できる装置なので、修正できると思います。修正し切れない場合は再作製でしょう。

もうひとつ、インビジブルリテーナーというリテーナーがあります。透明な薄いマウスピースタイプです。
歯を全体的に覆っているので、歯並びを抑える力が強く、単独でも歯並びが崩れにくいリテーナーとなります。
ただ、歯の咬む面を覆っているので上下のマウスピースどうしが接触し、壊れやすく消耗品です。
また、矯正後に歯並びがより咬み合うようになるのを阻害してしまうため、好まない歯科医師もいます。
インビジブルリテーナーは壊れることはあってもずれにくい装置なので、再作製時にこちらにしてもいいかもしれません。

治療を行った歯科医院が大丈夫(フィックスがある、そこまで浮いていない)と判断しているので大丈夫でしょう。
不安であれば、早期に予約を取り調整してもらうのが良いと思います。
以上を、ご質問への回答と致します。よろしくお願いいたします。

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