あおさんの相談

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抜歯矯正について

抜歯矯正をして下の歯が下がりすぎてしまいました。
まだ抜歯窩が完全には埋まっていないのでこれ以上下がってしまうのが心配です。主治医に相談しましたが、全て埋めてしまってから検討すると言われました。
口元が下がりすぎてしまった場合、前に出すことは可能なのでしょうか。上の歯は下がりすぎず、抜歯窩も残りわずかです。

初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えします。

おそらく上下抜歯の矯正中かと思いますが、何をもって「下がり過ぎ」としているのでしょうか。
基本的に矯正治療は治療前にセファロ分析を行い、シュミレーション通りに進めていくものです。
検査診断時にどのように歯を動かし、最終的にどのような顔になるかは説明があったのではないでしょうか。
下がり過ぎていると感じるのは質問者様の主観や思い込みであり、実際は計画通りかもしれません。
担当医が特に対策を講じようとしていないのも、治療的に順調だからではないでしょうか。
計画通りに進んでいる治療に対して不満があるとしたら、事前のコンセンサスが得られていなかったということでしょう。
担当医の説明不足か、質問者様の理解不足か、もしくはその両方かもしれません。
矯正治療というものは治療途中の路線変更が困難であり、出来ても大幅な方針転換は出来ません。
歯を抜かない矯正治療から抜く治療に移行するのは簡単ですが、上下抜いた状態であり治療の後半では難しいでしょう。
なので、矯正治療は誤解の無いように検査・診断がとても重要なのです。

となると話が終わってしまうので、実際に下がり過ぎている場合にどうすべきか説明します。
まず、前歯が下がり過ぎている（と患者さんが感じている）時にスペースを閉じきるのはダメです。
隙間が完全に閉鎖してしまった後では、下の前歯を前に出すことも出来なくなりますし、
隙間を閉鎖するときにいかに前歯が引っ込まないようにするかが重要なので、
今よりも引っ込めたくない、今よりももっと前歯を前に出したいのなら、今治療方針を変えるべきです。
おそらく、担当の先生は質問者様の希望を無視し、予定通りに治療を終えるつもりかもしれません。
もちろん、それが矯正治療として最適ならば変更したがらないでしょうし、路線変更は治療の長期化につながります。
質問者様が前歯を下げたくないようでしたら、もう一度担当医と話し合う必要があるでしょう。

抜歯したスペースを閉鎖するときには、「前歯を下げる」か「奥歯を前に出す」かのどちらかの動きをします。
パワーチェーンやループや顎間ゴムなどを使用しながら、最終的にちょうどよくなるように計算しながら治療します。
おそらく、診断時に「前歯を何ミリ引っ込めて、奥歯を何ミリ前に出し、このような顔にする」と説明があり、
その上で「この歯を抜き、この装置を併用しながら治療していく」という治療方針の説明があったのではないでしょうか。
最初にプランニングしたものと実際の歯の動きは異なるので、計画通り進めるために軌道修正しながらスペースを閉鎖します。
もし、前歯が下がり過ぎてしまったなら、計画のミスか、相互理解のミスか、空隙閉鎖のミスでしょう。
下唇の圧力が強すぎる場合は押されて下の前歯が下がり過ぎてしまうこともありますし、
パワーチェーンの力やかけ方を間違えたり、患者さんが顎間ゴムの使用を怠ったりしても思い通りいかなくなります。

まだスペースが開いている状態であれば、そのスペースを全部「奥歯を前に出す」ことで閉鎖する必要があります。
前歯と奥歯でパワーチェーンをかけてしまうと、前歯が後退してしまうので、禁忌となります。
なので、下の前歯部にアンカースクリューを併用したり、�教薐楷屮乾爐里澆納�すのが正解となります。
また、今の下の前歯の位置よりも前に出したいなら、オープンコイルやユーティリティーアーチなどを併用すべきでしょう。
何も考えずに空隙を閉鎖したら下の前歯は今よりも下がりますし、空隙を閉鎖してから前歯を前に出すなら、
今の前歯の位置から閉鎖し切ったところまで前歯が後退したのは純粋に無駄になります。
なので、下の前歯を今よりも下げたくない、今よりも前に出したいのなら、今すぐに方向転換が必要です。
寝過ごして降りたい駅を過ぎしまった時に、すぐに隣の駅で反対方向の電車に乗り換えた方が良いですよね。
いったん終点まで行ってからどうするか考えましょう、というのはおかしな話です。
担当の先生は、前歯が下がり過ぎたと思っていないか、思っていてもそのまま進めるつもりでしょう。

最終的な上下の前歯の位置が、最終的な口元・顔立ちに影響してきます。
今はブラケットを装着していて、本来の口元よりも口元が出ているので正確には把握できないと思いますが、
口元を引っ込めたくないのであれば、残りのスペースは「奥歯を前に出す」ようにして閉鎖した方がいいでしょう。
最終的な咬み合わせを考えた時に、すでに軌道修正できない段階になっているかもしれませんし、
歯槽骨の状態から、たとえ口元が引っ込んでもなるべく前歯を後退させるべき状況かもしれません。
あくまで矯正治療は健康的で優良な咬み合わせを目的にやっているもので、見た目は副作用で変化しているに過ぎません。
歯の角度、口の閉じやすさ、歯槽骨や歯肉の状態、全体的な歯の接触状態を考慮して、
見た目としては歯が引っこみすぎて口元も引っ込んで老け顔になるとしても、前歯を下げなければいけない時もあります。
もちろん、顔立ちを軽視するわけにはいかないので、医学的に成立しつつ患者さんが喜ぶ容姿も追求します。
質問者様のように、治療途中や治療後に仕上がりに対して不満を感じることが無いように、治療前に話を詰めるべきでした。
下の前歯を引っ込めていることに対して、担当医の意図があるのか、実は何も考えていないのかはわかりませんが、
どのような仕上がりになるかは担当医にかかっているので、質問者様が納得するまで話し合った方がいいでしょう。

以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
歯の隙間の方がわかりやすいので、「歯が下がりすぎない」ことが優先の方よりも、「隙間が無くなる」ことを優先する方の方が多いです。だから普通はまず埋めることからはじめます。
下の隙間をうめることより、下の歯を前に出すことを優先することはできるので、今一度、そちらを優先したい旨、主治医の先生に伝えて相談しましょう。
下の歯が下がり過ぎたとは、歯が舌側内側に入りすぎて見え方が変わっているとのことでしょうか？多少は、唇側に出すことは可能かと考えますが？

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