とらまるさんの相談
カテゴリ：治療の開始時期
3ヶ月ほど前から永久歯が生え始めたのですが、乳歯が抜ける前に永久歯が後ろから生えてきてしまい、二重歯の状態になってしまいました。近くの歯科へ相談、「乳歯が抜けたタイミングで永久歯が段々前に移動してくるので、そのまま放置して。」と伝えられました。ですがいざ乳歯が抜けても、永久歯は前にはきてくれず、現在ガタガタの状態になっています。また急いで同じ歯科に行きましたが「プレオルゾというマウスピース矯正をした方がいい」と言われました。コースは2つあり、1 25万…プレオルゾ本体やトレーニング、院長診察など手厚いコース(都度3,300円は別途必要)2保険適用…4万 ほぼプレオルゾのみのコースと説明されました。
1本当に矯正は必要でしょうか?自費だと手厚いですが高額になるので悩んで検索したところ、「成長と共に顎も広くなり、多少のガタガタは治る」と書いてある歯科医院のWebを発見しました。
2もし答えて下さる先生方の子どもさんや親近者の子どもさんが同症状だった場合、矯正を勧めますか?
少し説明時に圧があり、不信感があります。先生も経営者だし、本心で必要なのかご教授頂けたら嬉しいです。
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- マロニエ矯正歯科クリニック
- （ 埼玉県 草加市 ）
- 2022-09-08 18:36:00
初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えいたします。
歯並びがでこぼこになりそうだから矯正が必要なのかどうか、矯正を行うときにプレオルソでいいのか、ということですね。
まず、下の前歯は裏側から生えてくる事が多く、自然と前に移動する事が多いです。将来的に歯並びが自然にキレイに並ぶ方もそういう時期があることもあります。まだ下の歯が裏側にいるとしても、これから前に移動するかもしれません。なので、下の前歯が裏側に生えた、という情報だけではお子様が将来的にどんな歯並びになるかはわかりません。
歯並びがでこぼこになる原因は、スペース不足であり、顎が狭かったり歯が大きかったりすると、最終的に歯並びがでこぼこになります。また、でこぼこでなくても出っ歯になって口ゴボ状態になってしまうのもスペース不足が原因なので、でこぼこでなくてもゴリラ顔でいいのか、という話にもなります。でこぼこでもなく、出っ歯でも無い歯並び・顔立ちになるためには、スペースが足りている必要があります。
スペースが足りないかどうかを判定する方法はいくつかあります。
�．譽鵐肇殴鵑鮖�る
パノラマエックス線写真という顎全体を撮影するレントゲンを撮れば、歯がキレイに並ぶかどうかがわかります。歯の本数や位置が適切かどうかが判明しますし、このレントゲンを撮らずしてお子様の歯並びが大丈夫、だなんて言えません。
��乳歯の歯並びがすきっ歯でない
後から生えてくる永久歯の方が大きいので、乳歯の歯並びはすきっ歯が正解です。すべての乳歯と乳歯の間にスペースが空いていれば大丈夫。隙間が閉じている部分があると、必ずでこぼこになります。乳歯に隙間が無いとほぼ間違いなく歯並びが崩れるというのはデータが出ています。全体的にすきっ歯でも、永久歯が大きいと並びません。
��実際に生やしてみて
質問文の中で、多少のでこぼこでも自然に治る、という話がありますが滅多にそんなことはありません。歯並びがいい人というのは、最初から最後までずっと良い状態で生え変わります。少しでも崩れているのあれば、一生そのままか、もっと歯並びが悪くなります。
�た討了�並びが悪い
歯並びは骨や歯の大きさに左右されますが、遺伝的な要素が強いです。例外もありますが、ご両親の両方またはどちらかが歯並びが悪ければ、お子様の歯並びも悪くなることが予想されます。出っ歯の子供がしゃくれていたり、完全に遺伝するわけでもありません。
など、上記の情報から、ある程度お子様の歯並びが自然と良くなるのか、悪くなるのかを予想することが出来ます。特に、レントゲンの情報は絶大です。歯科医院でパノラマエックス線写真を撮ればどんな歯並びになるかをかなり正確に予測できますが、矯正治療に精通している矯正専門歯科医師以外の一般歯科の先生では、見落としや予測ミスもあるかと思います。気になるのであれば、矯正専門の歯科医院に相談に行くのが間違いが無いかと思います。ただ、日本人は大半の方が大なり小なり歯並びが崩れているので、矯正治療せずにいい歯並びになる人は、１割もいないと思います。歯並びが悪いまま生きていくか、矯正して良くするかのどちらかになるでしょう。
では、矯正治療をやるとした場合に、いつ、どこで、どのように行うべきでしょうか。これは間違いなく、本格矯正治療をやっている歯科医院でやりましょう。矯正治療というのは、一般的に前半・後半で分かれいています。まだ乳歯が残っている混合歯列期に行う早期矯正治療と、すべて永久歯が生えてから行う本格矯正治療です。プレオルソというのは、いわゆる子供の矯正とされる早期矯正治療で使用される装置です。基本的には、早期矯正治療だけで矯正治療が終わることはなく、ほとんどの場合、本格矯正治療が必要になります。なので、早期矯正治療だけで、プレオルソだけでお子様の歯並びが良くなるとは思わないでください。
プレオルソという装置は、メインは舌や唇の筋トレを行う装置ですが、顎を拡げたり、歯並びを整えたりする効果もあります。ただ、「ある程度」良くなるだけで、完全に良い歯並びになるわけではありません。でこぼこ歯並びもピッチリ綺麗に並んだりしませんし、顎も拡がりますが、拡がる限界もあるので歯が前に出て出っ歯になります。骨格性上顎前突・下顎前突なども治りませんし、先天欠如や歯の異常がある場合も治りません。かなり悪い歯並びが、まあまあ悪い歯並びになる程度のものです。また、お子様自身の協力度にも左右されますし、やらなければ全く効果はありません。プレオルソだけで綺麗な歯並びになることはほとんどないので、それ以降の治療が必ず必要になります。筋トレすれば誰もが良い歯並びになるわけないですよね。そもそもプレオルソという名前は「プレ（前に）オルソ（矯正）」という意味で、ちゃんとした矯正治療をやる前に、ある程度整えるだけの装置という位置づけです。本格矯正治療を前提としたものですから、プレオルソではゴールを迎えられません。
早期矯正治療は、あくまで本格矯正治療の前に行う準備でしかなく、それだけでは終わりません。あたかも早期矯正治療だけでパーフェクトになるような説明をしている歯科医院は、真実をぼかして治療へ誘導しようとしており、不適切であると言えます。早期矯正治療をやってもやらなくても、基本的には良い歯並びにするためには本格矯正治療が必要になるので、お子様の歯並びを良くしてあげたい、と思うのならば本格矯正治療までやるつもりで考えましょう。早期矯正治療だけでは中途半端に終わります。本格矯正治療をやるとなると１００万円程度の金額がかかります。最終的にそこまで支払うことを理解したうえで、早期矯正治療を始めなければならないということです。早期矯正治療から本格矯正治療に移行するときに、もう払えないから中断する、とならないようにしましょう。本格矯正治療が完了するまでは良い歯並びとは言えません。
ここで大事になるのが、早期矯正治療を行う歯科医院が、本格矯正治療をやっているのかという点です。通常、早期矯正治療も本格矯正治療もちゃんとやっている歯科医院であれば、やはり本格矯正治療ありきの早期矯正治療を行っており、本格矯正治療への移行の際は「差額」で移行としているところがほとんどです。早期矯正治療をやらずに本格矯正治療からスタートする場合も、早期矯正治療から本格矯正治療に移行する場合も、金額が同じになるように差額で移行としています。その上で、早期矯正治療を行う意義があるのであれば、早期矯正治療を勧めるとしています。逆に、早期矯正治療をやる意義が無い場合は、本格矯正治療からで良いと言われるでしょう。早期矯正治療を行うことに関して損しないシステムになっています。
では、早期矯正治療しか行っていない歯科医院ではどうなるでしょうか。早期矯正治療が終わったとして、ちゃんとした歯並び・咬み合わせになっていない状態で治療を打ち切られます。そのうえで、本格矯正治療は他の歯科医院でやってくれと言われます。ブリーチして髪が真っ白になった状態で、カラーは他の美容院に行けと言われるようなもので、突然放り出されます。そこで終わりにしたら当然ちゃんとした仕上がりではないですし、他の歯科医院で本格矯正治療を行うと、全額費用がかかります。つまり、早期矯正治療費用＋本格矯正治療費用がかかり、一個目の歯科医院で早期矯正治療をやった費用がまるまる損していることになります。二個目の歯科医院が多少値引いてくれることもありますが、最初から本格矯正治療をやっている歯科医院で全部やった方よりも、二か所で矯正治療を行う方が確実にお金がかかり、損します。
つまり、早期矯正治療しかやっていない歯科医院は、自院で最後までちゃんと治して責任を取るつもりが無く、本格矯正治療をやっているしか医院に行く前に、早期矯正治療費用を奪い取って、世間の患者さんに損をさせる存在、となります。「他の歯科医院で早期矯正治療を受けたが、ちゃんと治らなかったから本格矯正治療を受けたい」という患者さんが、当院にも頻繁にいらっしゃいます。最初から矯正専門歯科医院だけでやってれば無用な出費もなかったのに、と思います。早期矯正治療しかやっていない歯科医院は、「中抜き業者」みたいなものです。ただ顎を拡げるだけ、ただマウスピースを入れるだけで収益を上げようとする歯科医院が後を絶たないのは、世の患者さんのためにはならず、歯科界において良くない風習であると思います。
矯正治療をやった方がいいのか、という点に関しては、やらせたければ、とお答えします。
やった方がいいとなると、ほとんどの人が歯並びが悪いので、ほとんどの人がやるべきとなってしまいます。
英語はしゃべれた方がいい、幼少期に音楽をやった方がいい、毎日納豆を食べた方がいい、塩分は取り過ぎない方がいい、クーラーは定期的に掃除した方がいい、毎朝ジョギングをした方がいい、スマホばかり触り過ぎない、などなど、やった方がいいことをあげたらキリがありません。やった方がいいことだらけですが、やった方がいいことを全部やっているような超人はいません。やった方がいいとわかりつつも、費用的に、時間的に、体力的に出来ないことばかりだと思います。そのなかで、やるべきと思ったことはやる、出来ないことはやらない、として日々生きているはずです。
矯正治療も同じで、大半の人がやった方がいいとしたうえで、歯並びを良くしたいと思う人だけがやっているわけです。お金もかかり、時間もかかり、苦痛だらけで楽しくも何ともありません。その代わりに、美しい歯並び・顔立ち、健康的な咬み合わせを手にするわけです。前述のように天然物で良い歯並びの人はほとんどおらず、世の中の綺麗な歯並びだなと思われる人はだいたいが矯正治療を行っており、大変さを理解したうえで苦難を乗り越えた結果としてそうなってます。もしお子様が歯並びが悪かったとして、一生歯並びが悪くてよければ矯正治療をやる必要はありませんし、良い歯並びにしてあげたいと思うなら矯正治療を検討ください。ちょっとマウスピースをやればサクッと良くなるような生温いものでは無いので、矯正治療というものに関して正しい理解を得られるといいと思います。そんな美味しい話が転がっていたら、みんなワイヤーつけて、歯を抜いて、痛い思いをして、１００万円払って治療をしたりはしないわけです。本当に英語を習得させたいなら、オンライン英会話を一か月やるのではなく、１年間海外に語学留学をさせましょう。
という前置きのもと、質問にお答えします。
1本当に矯正は必要でしょうか?自費だと手厚いですが高額になるので悩んで検索したところ、「成長と共に顎も広くなり、多少のガタガタは治る」と書いてある歯科医院のWebを発見しました。
歯並びが良くなると、見た目も良くなり、咬み合わせも良くなり、歯が長持ちしやすくなります。やった方がメリットもありますが、時間もお金もかかるので、よく考えましょう。適切な説明もなく、やった方がいいと強く矯正治療を勧めてくるような歯科医院は、営利目的でお金を稼ぎたいだけなので警戒しましょう。デメリットもあり、それを理解したうえでやりたいと思える人だけがやるべきものです。選ぶのは患者さん自身なので、よほどヒドい歯並びで無い限り、背中を押す歯科医師には注意しましょう。
保険だから歯科医師が診ない、意味がわかりません。システムとして自費治療をして欲しいからあえて保険治療を落としているのだと思いますけど、保険だからといって治療の責任を負わないと宣言するのはいかがなものかと思います。やってる内容に差が無いなら保険で良いと思いますし、その上で将来他の歯科医院で本格矯正治療をした方がいいと思います。その歯科医院で早期矯正治療を受けるのなら、ですが。
成長とともに顎も拡がりますが、それはすべての子供がそうであり、それででこぼこが解消するならみんな良い歯並びかと思います。成長で顎が拡がっても足りないから、みんなでこぼこ出っ歯になっています。日本人はそもそも歯並びがキレイに並ぶようには出来ていません。
2もし答えて下さる先生方の子どもさんや親近者の子どもさんが同症状だった場合、矯正を勧めますか?
少し説明時に圧があり、不信感があります。先生も経営者だし、本心で必要なのかご教授頂けたら嬉しいです。
おそらく誤解をしていると思いますが、多くの歯科医師や医師は、身内と他人で方針が変わるような信念で仕事はしていないと思います。中には、他人である患者は割とどうでもいい、身内のことは真剣になるし、方針がブレるというような主観の強い先生もいるかもしれませんが。私も７歳のこどもがいて、歯並びが悪くなることは明白です。発達障害があるため、おそらく早期矯正治療は続けられないと思うのでやりませんが、本人は大人になったらやりたいと言っています。やるのは本人なので、本人が望まなければ歯並びが悪くてもやりません。矯正治療は歯科医師や親の意向でやらせるようなものでは無いからです。早期矯正治療をすれば抜歯せずに治せるかもしれませんが、おそらく本格矯正治療で抜歯矯正をするのではないかと思います。自分の子供だから抜歯しない、となったら抜歯矯正を患者さんに勧めている筋が通りません。
まず、不信感がある段階で絶対にやめましょう。矯正治療というのは、相談時にやるかやらないかが決まり、やるとなったら医院の収益になる、というシステムです。通常の歯科治療のように、通院している患者さんが来るたびに処置によって売り上げになるわけではなく、一人患者さんが増えたら収益に数十万プラス、となります。つまり、相談時にどれだけの数の患者さんを獲得できるか、という収益モデルなので、相談しかお金を生みません。何が言いたいかというと、「相談時が一番愛想がいい」ということです、相談の段階で対応が悪いとなれば、治療が始まったらもっともっと悪くなります。相談時に「違うな」と思った歯科医院では矯正をやるべきではありません。矯正治療は永く辛い治療ですから、本当に信頼できる先生以外のところではやらない方がいいです。治療が始まると中断もしない方がいいですし、転院も基本的に出来ません。やるかやらないかもそうですし、どこでやるかも大事にしましょう。ハズレの歯科医院を選ぶと大変なことになります。
以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
ご質問にお答えいたします。
歯並びがでこぼこになりそうだから矯正が必要なのかどうか、矯正を行うときにプレオルソでいいのか、ということですね。
まず、下の前歯は裏側から生えてくる事が多く、自然と前に移動する事が多いです。将来的に歯並びが自然にキレイに並ぶ方もそういう時期があることもあります。まだ下の歯が裏側にいるとしても、これから前に移動するかもしれません。なので、下の前歯が裏側に生えた、という情報だけではお子様が将来的にどんな歯並びになるかはわかりません。
歯並びがでこぼこになる原因は、スペース不足であり、顎が狭かったり歯が大きかったりすると、最終的に歯並びがでこぼこになります。また、でこぼこでなくても出っ歯になって口ゴボ状態になってしまうのもスペース不足が原因なので、でこぼこでなくてもゴリラ顔でいいのか、という話にもなります。でこぼこでもなく、出っ歯でも無い歯並び・顔立ちになるためには、スペースが足りている必要があります。
スペースが足りないかどうかを判定する方法はいくつかあります。
�．譽鵐肇殴鵑鮖�る
パノラマエックス線写真という顎全体を撮影するレントゲンを撮れば、歯がキレイに並ぶかどうかがわかります。歯の本数や位置が適切かどうかが判明しますし、このレントゲンを撮らずしてお子様の歯並びが大丈夫、だなんて言えません。
��乳歯の歯並びがすきっ歯でない
後から生えてくる永久歯の方が大きいので、乳歯の歯並びはすきっ歯が正解です。すべての乳歯と乳歯の間にスペースが空いていれば大丈夫。隙間が閉じている部分があると、必ずでこぼこになります。乳歯に隙間が無いとほぼ間違いなく歯並びが崩れるというのはデータが出ています。全体的にすきっ歯でも、永久歯が大きいと並びません。
��実際に生やしてみて
質問文の中で、多少のでこぼこでも自然に治る、という話がありますが滅多にそんなことはありません。歯並びがいい人というのは、最初から最後までずっと良い状態で生え変わります。少しでも崩れているのあれば、一生そのままか、もっと歯並びが悪くなります。
�た討了�並びが悪い
歯並びは骨や歯の大きさに左右されますが、遺伝的な要素が強いです。例外もありますが、ご両親の両方またはどちらかが歯並びが悪ければ、お子様の歯並びも悪くなることが予想されます。出っ歯の子供がしゃくれていたり、完全に遺伝するわけでもありません。
など、上記の情報から、ある程度お子様の歯並びが自然と良くなるのか、悪くなるのかを予想することが出来ます。特に、レントゲンの情報は絶大です。歯科医院でパノラマエックス線写真を撮ればどんな歯並びになるかをかなり正確に予測できますが、矯正治療に精通している矯正専門歯科医師以外の一般歯科の先生では、見落としや予測ミスもあるかと思います。気になるのであれば、矯正専門の歯科医院に相談に行くのが間違いが無いかと思います。ただ、日本人は大半の方が大なり小なり歯並びが崩れているので、矯正治療せずにいい歯並びになる人は、１割もいないと思います。歯並びが悪いまま生きていくか、矯正して良くするかのどちらかになるでしょう。
では、矯正治療をやるとした場合に、いつ、どこで、どのように行うべきでしょうか。これは間違いなく、本格矯正治療をやっている歯科医院でやりましょう。矯正治療というのは、一般的に前半・後半で分かれいています。まだ乳歯が残っている混合歯列期に行う早期矯正治療と、すべて永久歯が生えてから行う本格矯正治療です。プレオルソというのは、いわゆる子供の矯正とされる早期矯正治療で使用される装置です。基本的には、早期矯正治療だけで矯正治療が終わることはなく、ほとんどの場合、本格矯正治療が必要になります。なので、早期矯正治療だけで、プレオルソだけでお子様の歯並びが良くなるとは思わないでください。
プレオルソという装置は、メインは舌や唇の筋トレを行う装置ですが、顎を拡げたり、歯並びを整えたりする効果もあります。ただ、「ある程度」良くなるだけで、完全に良い歯並びになるわけではありません。でこぼこ歯並びもピッチリ綺麗に並んだりしませんし、顎も拡がりますが、拡がる限界もあるので歯が前に出て出っ歯になります。骨格性上顎前突・下顎前突なども治りませんし、先天欠如や歯の異常がある場合も治りません。かなり悪い歯並びが、まあまあ悪い歯並びになる程度のものです。また、お子様自身の協力度にも左右されますし、やらなければ全く効果はありません。プレオルソだけで綺麗な歯並びになることはほとんどないので、それ以降の治療が必ず必要になります。筋トレすれば誰もが良い歯並びになるわけないですよね。そもそもプレオルソという名前は「プレ（前に）オルソ（矯正）」という意味で、ちゃんとした矯正治療をやる前に、ある程度整えるだけの装置という位置づけです。本格矯正治療を前提としたものですから、プレオルソではゴールを迎えられません。
早期矯正治療は、あくまで本格矯正治療の前に行う準備でしかなく、それだけでは終わりません。あたかも早期矯正治療だけでパーフェクトになるような説明をしている歯科医院は、真実をぼかして治療へ誘導しようとしており、不適切であると言えます。早期矯正治療をやってもやらなくても、基本的には良い歯並びにするためには本格矯正治療が必要になるので、お子様の歯並びを良くしてあげたい、と思うのならば本格矯正治療までやるつもりで考えましょう。早期矯正治療だけでは中途半端に終わります。本格矯正治療をやるとなると１００万円程度の金額がかかります。最終的にそこまで支払うことを理解したうえで、早期矯正治療を始めなければならないということです。早期矯正治療から本格矯正治療に移行するときに、もう払えないから中断する、とならないようにしましょう。本格矯正治療が完了するまでは良い歯並びとは言えません。
ここで大事になるのが、早期矯正治療を行う歯科医院が、本格矯正治療をやっているのかという点です。通常、早期矯正治療も本格矯正治療もちゃんとやっている歯科医院であれば、やはり本格矯正治療ありきの早期矯正治療を行っており、本格矯正治療への移行の際は「差額」で移行としているところがほとんどです。早期矯正治療をやらずに本格矯正治療からスタートする場合も、早期矯正治療から本格矯正治療に移行する場合も、金額が同じになるように差額で移行としています。その上で、早期矯正治療を行う意義があるのであれば、早期矯正治療を勧めるとしています。逆に、早期矯正治療をやる意義が無い場合は、本格矯正治療からで良いと言われるでしょう。早期矯正治療を行うことに関して損しないシステムになっています。
では、早期矯正治療しか行っていない歯科医院ではどうなるでしょうか。早期矯正治療が終わったとして、ちゃんとした歯並び・咬み合わせになっていない状態で治療を打ち切られます。そのうえで、本格矯正治療は他の歯科医院でやってくれと言われます。ブリーチして髪が真っ白になった状態で、カラーは他の美容院に行けと言われるようなもので、突然放り出されます。そこで終わりにしたら当然ちゃんとした仕上がりではないですし、他の歯科医院で本格矯正治療を行うと、全額費用がかかります。つまり、早期矯正治療費用＋本格矯正治療費用がかかり、一個目の歯科医院で早期矯正治療をやった費用がまるまる損していることになります。二個目の歯科医院が多少値引いてくれることもありますが、最初から本格矯正治療をやっている歯科医院で全部やった方よりも、二か所で矯正治療を行う方が確実にお金がかかり、損します。
つまり、早期矯正治療しかやっていない歯科医院は、自院で最後までちゃんと治して責任を取るつもりが無く、本格矯正治療をやっているしか医院に行く前に、早期矯正治療費用を奪い取って、世間の患者さんに損をさせる存在、となります。「他の歯科医院で早期矯正治療を受けたが、ちゃんと治らなかったから本格矯正治療を受けたい」という患者さんが、当院にも頻繁にいらっしゃいます。最初から矯正専門歯科医院だけでやってれば無用な出費もなかったのに、と思います。早期矯正治療しかやっていない歯科医院は、「中抜き業者」みたいなものです。ただ顎を拡げるだけ、ただマウスピースを入れるだけで収益を上げようとする歯科医院が後を絶たないのは、世の患者さんのためにはならず、歯科界において良くない風習であると思います。
矯正治療をやった方がいいのか、という点に関しては、やらせたければ、とお答えします。
やった方がいいとなると、ほとんどの人が歯並びが悪いので、ほとんどの人がやるべきとなってしまいます。
英語はしゃべれた方がいい、幼少期に音楽をやった方がいい、毎日納豆を食べた方がいい、塩分は取り過ぎない方がいい、クーラーは定期的に掃除した方がいい、毎朝ジョギングをした方がいい、スマホばかり触り過ぎない、などなど、やった方がいいことをあげたらキリがありません。やった方がいいことだらけですが、やった方がいいことを全部やっているような超人はいません。やった方がいいとわかりつつも、費用的に、時間的に、体力的に出来ないことばかりだと思います。そのなかで、やるべきと思ったことはやる、出来ないことはやらない、として日々生きているはずです。
矯正治療も同じで、大半の人がやった方がいいとしたうえで、歯並びを良くしたいと思う人だけがやっているわけです。お金もかかり、時間もかかり、苦痛だらけで楽しくも何ともありません。その代わりに、美しい歯並び・顔立ち、健康的な咬み合わせを手にするわけです。前述のように天然物で良い歯並びの人はほとんどおらず、世の中の綺麗な歯並びだなと思われる人はだいたいが矯正治療を行っており、大変さを理解したうえで苦難を乗り越えた結果としてそうなってます。もしお子様が歯並びが悪かったとして、一生歯並びが悪くてよければ矯正治療をやる必要はありませんし、良い歯並びにしてあげたいと思うなら矯正治療を検討ください。ちょっとマウスピースをやればサクッと良くなるような生温いものでは無いので、矯正治療というものに関して正しい理解を得られるといいと思います。そんな美味しい話が転がっていたら、みんなワイヤーつけて、歯を抜いて、痛い思いをして、１００万円払って治療をしたりはしないわけです。本当に英語を習得させたいなら、オンライン英会話を一か月やるのではなく、１年間海外に語学留学をさせましょう。
という前置きのもと、質問にお答えします。
1本当に矯正は必要でしょうか?自費だと手厚いですが高額になるので悩んで検索したところ、「成長と共に顎も広くなり、多少のガタガタは治る」と書いてある歯科医院のWebを発見しました。
歯並びが良くなると、見た目も良くなり、咬み合わせも良くなり、歯が長持ちしやすくなります。やった方がメリットもありますが、時間もお金もかかるので、よく考えましょう。適切な説明もなく、やった方がいいと強く矯正治療を勧めてくるような歯科医院は、営利目的でお金を稼ぎたいだけなので警戒しましょう。デメリットもあり、それを理解したうえでやりたいと思える人だけがやるべきものです。選ぶのは患者さん自身なので、よほどヒドい歯並びで無い限り、背中を押す歯科医師には注意しましょう。
保険だから歯科医師が診ない、意味がわかりません。システムとして自費治療をして欲しいからあえて保険治療を落としているのだと思いますけど、保険だからといって治療の責任を負わないと宣言するのはいかがなものかと思います。やってる内容に差が無いなら保険で良いと思いますし、その上で将来他の歯科医院で本格矯正治療をした方がいいと思います。その歯科医院で早期矯正治療を受けるのなら、ですが。
成長とともに顎も拡がりますが、それはすべての子供がそうであり、それででこぼこが解消するならみんな良い歯並びかと思います。成長で顎が拡がっても足りないから、みんなでこぼこ出っ歯になっています。日本人はそもそも歯並びがキレイに並ぶようには出来ていません。
2もし答えて下さる先生方の子どもさんや親近者の子どもさんが同症状だった場合、矯正を勧めますか?
少し説明時に圧があり、不信感があります。先生も経営者だし、本心で必要なのかご教授頂けたら嬉しいです。
おそらく誤解をしていると思いますが、多くの歯科医師や医師は、身内と他人で方針が変わるような信念で仕事はしていないと思います。中には、他人である患者は割とどうでもいい、身内のことは真剣になるし、方針がブレるというような主観の強い先生もいるかもしれませんが。私も７歳のこどもがいて、歯並びが悪くなることは明白です。発達障害があるため、おそらく早期矯正治療は続けられないと思うのでやりませんが、本人は大人になったらやりたいと言っています。やるのは本人なので、本人が望まなければ歯並びが悪くてもやりません。矯正治療は歯科医師や親の意向でやらせるようなものでは無いからです。早期矯正治療をすれば抜歯せずに治せるかもしれませんが、おそらく本格矯正治療で抜歯矯正をするのではないかと思います。自分の子供だから抜歯しない、となったら抜歯矯正を患者さんに勧めている筋が通りません。
まず、不信感がある段階で絶対にやめましょう。矯正治療というのは、相談時にやるかやらないかが決まり、やるとなったら医院の収益になる、というシステムです。通常の歯科治療のように、通院している患者さんが来るたびに処置によって売り上げになるわけではなく、一人患者さんが増えたら収益に数十万プラス、となります。つまり、相談時にどれだけの数の患者さんを獲得できるか、という収益モデルなので、相談しかお金を生みません。何が言いたいかというと、「相談時が一番愛想がいい」ということです、相談の段階で対応が悪いとなれば、治療が始まったらもっともっと悪くなります。相談時に「違うな」と思った歯科医院では矯正をやるべきではありません。矯正治療は永く辛い治療ですから、本当に信頼できる先生以外のところではやらない方がいいです。治療が始まると中断もしない方がいいですし、転院も基本的に出来ません。やるかやらないかもそうですし、どこでやるかも大事にしましょう。ハズレの歯科医院を選ぶと大変なことになります。
以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
