りんさんの相談

カテゴリ:抜歯について

埋没犬歯 側切歯歯根吸収

  • 投稿者 りん さん [8才 女性 ] 2022/08/31/ 05:55
  • カテゴリー 小児矯正 抜歯について 治療中
  • お悩みの歯 上あご右2番 上あご右3番 上あご左2番 上あご左3番

8歳の娘についてです。
6歳前から歯が抜けはじめ顎のスペースも足りなかった永久歯が生える際はまだ抜ける予定ではない隣の歯も一緒に抜けている状態でした。
1年ほど前に矯正歯科に通い始め拡大していたのですが、今回装置を外し検査をすると、右上犬歯の埋没歯が発見されました。側切歯の歯根吸収がされ、前歯に向かって進んでいるので残すのは難しいとのこと、顎のスペースが全然足りず一本抜歯しても並び切らないこと、なので側切歯の抜歯となりました。
左側の犬歯はスペースがあれば下りてきそうなのですが、拡大前に側切歯の歯根に触っていたようで素人の私が見ても歯根吸収された跡があり、歯根はあるが、根が曲がっている状態です。
こちら口腔外科の先生にはもたないから抜いた方がいいと言われております。
一度大きく歯根吸収されてしまうと歯を残すことは難しいのでしょうか?
女の子なのでできれば、片側だけでも2番を残して4番を抜歯にできればと思うのですが…
2番抜歯で見た目的にキレイになるのでしょうか?

初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答え致します。

埋伏犬歯によって側切歯歯根が吸収されており、保存が困難である。側切歯抜歯による見た目の問題はあるのか?歯根吸収歯を残すべきか抜歯すべきか、ということですね。
犬歯埋伏により側切歯がダメになってしまうのはよくあります。適切な処理をすれば、中切歯、犬歯、第一小臼歯と並んでも問題はありません。

隣の歯のスペースを奪って永久歯が生えてくるレベルとなると、拡大治療をしていてもおそらく抜歯ケースだったのではないかと思います。通常は上下左右の第一小臼歯を4本抜くのがセオリーです。でこぼこの度合いや顎の曲がり、出っ歯具合によって抜歯本数や抜歯部位は変更になります。
側切歯が歯根吸収され、短根となってしまった場合、歯冠歯根比というのが悪くなります。歯は釘と一緒で、深く埋まっている方が安定します。歯槽骨が減ったり、歯根が短くなることで、生えている部分と埋まっている部分の割合が悪化します。浅く埋まっている釘が抜けやすいように、歯冠歯根比の悪化した歯の寿命は短くなります。健康な第一小臼歯よりも短根の側切歯の方が長持ちしないことが明白である場合、抜歯部位を側切歯にすることがあります。
歯根吸収以外にも、矮小歯(小さい)、失活歯(神経が死んでいる)、骨性癒着歯(歯と骨がくっついている)、補綴歯(被せ物をしている)の場合に側切歯を抜歯しますし、そもそも先天欠如で生まれつき側切歯が無い人もいます。側切歯抜歯というのは、割とポピュラーな方法となります。理由があれば、中切歯や犬歯なども抜歯対象となります。

側切歯抜歯となると、前歯の並びが通常は「中切歯、側切歯、犬歯」となるところを「中切歯、犬歯、第一小臼歯」となります。尖った犬歯が中切歯の横にくるのは違和感を生じます。なので、犬歯の尖端を削り、大きさが合わなければ側面部を削り、犬歯の側切歯化を行います。やってみると意外に見た目はおかしくありません。
また、第一小臼歯が犬歯の位置にくると咬み合わせに不調和をきたす事があります。具体的には、小臼歯は咬頭というお山が2つあり、舌側の咬頭が咬み合わせに干渉を生じます。なので、舌側咬頭を削って干渉しないように調整する必要がある可能性があります。
側切歯抜歯はよくあるので、ちゃんと並べる方法も確立されています。担当する矯正歯科医師がそれを熟知しているならば、仕上がりは問題なくなるはずなので心配せずとも大丈夫かと思います。

犬歯埋伏によって側切歯歯根がダメージを受けてしまうケースは、たまにお見かけします。可能であれば拡大したり乳犬歯を抜歯して犬歯の萌出方向を変えようと試みることもありますし、場合によっては開窓牽引によって骨の中から直接検査を引っ張ることもあります。発見が遅れたり、早期に発見できても位置が悪すぎて犬歯の位置を変えようが無いことがあり、その場合には側切歯を抜歯せざるを得なくなります。
右上は側切歯抜歯が確定している様子ですが、左上に関しては何とも言えませんね。レントゲンを見ていないので側切歯抜歯すべきか、側切歯を残して第一小臼歯を抜歯すべきかは明確に判断しかねます。言えることは、短くなった歯根は元に戻らないということです。あまりにも短いと、側切歯の寿命が短かくなってしまっているでしょう。少し短くなっている程度であれば、そこまで寿命に影響がないかもしれません。まだ側切歯と、比較される第一小臼歯の歯根の長さは確定しておりません。実際に抜歯矯正が始まるであろう12歳前後の頃に、また検査して抜歯部位を決めることになると思います。左上の犬歯の位置がやはりあまり良くなくて生えにくい場合は、右上同様に早期に側切歯を抜く判断となります。

右上は1・3・4と並ぶのが確定しています。左も側切歯を抜けば左右対称になります。対称性をとるか、1・2・3の並びにこだわるか。どちらが見栄えするのか、実際の前歯の形や歯根の形態に左右されると思いますので、担当の先生とよく話し合って決定しましょう。正中の位置や奥歯のずれなどによっても治しやすさや治療期間に影響します。抜歯部位を決めるのは、さまざまなファクターが複雑に入り混じっています。実際に左上の歯の歯根を見ている先生が抜歯を推奨しているのであれば、最終的にどれだけ長く歯を残すかを考えた時に、やはり左上も側切歯抜歯が有効かもしれませんね。問題は無いかと思います。

以上を、ご質問への回答と致します。よろしくお願いします。
  • りん(8歳 女性 )
  • 2022年09月02日05時48分
お忙しい中ありがとうございます。
やはりスペースがなく、抜歯をする場合は問題のある歯から検討されるのですね。
前歯なので、できれば残したいと思いましたが
寿命の短い歯を残して将来インプラントにするよりは自分の歯で並べてあげて、ある程度はキレイにみえるように仕上げてもらうしかないですね。
歯が生え始めてから定期的に歯科に連れて行ってただけに抜歯になることに、まさか歯根吸収がおきて抜歯になるとは、なんとも言えない気持ちでいました。
また上2本は抜歯しても下の歯はまだ抜歯の予定ではないようなのですが、その点は噛み合わせ的に大丈夫なのでしょうか?
永久歯の位置というのは、生まれた瞬間からほぼ決まっています。
8歳で側切歯歯根が吸収しているとなると、だいぶ早い段階から犬歯の位置が悪かったのだと思います。
犬歯が生えてくる10歳ころに、なかなか犬歯が生えて来ず、レントゲンで撮影して発覚することが多いです。
レントゲンを撮影しないと骨の中の永久歯を把握することができず、把握できたとて治しようもありません。
かなりのでこぼこ度合いかと思われますので、どの時期にわかっていても、どれだけ早く矯正を行っても、
骨の中の犬歯の位置を動かすことは出来なかったと思います。お子様のケースに関しては。
結果的に良い歯並びにするためには抜歯矯正ありきであったと思いますので、
今までお子様の歯に関して気にかけつつも抜歯せざるをえなくなったことを残念に思うことはありません。
抜歯する歯が側切歯になっただけであり、担当の先生はよく早期に気づき、対応できたと思います。
一般歯科や矯正歯科に通院してても見過ごされて手遅れになっているパターンもあります。

担当医からは明言されていないと思いますが、おそらく下も2本抜歯すると思います。
基本的には上下の歯の本数を合わせる必要があり、上を2本抜歯するならば、
本格矯正で下の歯を2本抜歯して24本の咬み合わせにする予定なのではないでしょうか。
側切歯を抜歯するのは、犬歯の萌出経路を獲得するためであり、今やる必要があります。
下に関してはスペースが不足しているものの、永久歯がでこぼこでも生えられるなら生え切るのを待ちます。
一般的には永久歯がすべて生え切る12歳前後が本格矯正治療の開始時期ですので、
12歳以降に下の歯もおそらく第一小臼歯を2本抜歯して、上下左右の歯の本数をそろえると思います。
出っ歯のケースで上だけ抜歯して下を抜かないⅡ級仕上げという治し方もありますが、
そもそも適応症でない可能性が高いですし、8歳の段階でⅡ級仕上げを確定することもありません。
現段階で下の抜歯をする必要が無いので、抜歯の話題が出てないものと思われますが、
今後のお子様の矯正治療がどのような流れで進んでいくか気になるようでしたら、
担当の矯正歯科医師に確認されると良いと思います。無策で上の歯を抜歯することはないはずです。
りんさんこんにちは。
京都のさわだ矯正歯科クリニックと申します。
右上側切歯の歯根吸収が認められ、抜歯をすすめられているのですね。
質問にあるように、2番ではなく4番抜歯ができないかということですが、やはり、歯根吸収が認められる2番を抜歯し、4番は残しておくのがいいと思います。
2番抜歯でも、犬歯の形態修正を行い、側切歯の形態に近づけることも可能です。
左側については実際にレントゲンや口腔内を見ていないため、ここで判断するのは難しいと思われます。
矯正治療は今後も続いていくため、不安なことがあれば、担当の先生と相談されるのがよろしいかと思います。
りんさんにとってよい方向に向かうことをお祈りしています。

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