jさんの相談

カテゴリ:抜歯治療との違い

第一大臼歯抜歯について

こんにちは!

第一大臼歯について質問があります。
矯正で抜歯が必要となり、第一大臼歯が抜髄してる場合、第一大臼歯を抜歯して治療することは可能なのでしょうか?

ネットで調べると親知らずを使って並べると知りましたが、第一大臼歯はかみ合わせ上大切な歯なので抜歯する先生、抜歯しない先生もいると思うのですがメリットデメリットなどを教えていただけると幸いです。

jさま
上顎第一大臼歯を抜歯することは可能かというご質問ですが、これは矯正の先生からのご提案でしょうか? それともjさまご自身のアイデアでしょうか。
上顎第一大臼歯抜歯はかつてはそう頻繁にではありませんが行われました。大きさが10ミリ以上あるので、重度の上顎前突で小臼歯の抜歯だけでは前歯がじゅうぶんに引っ込められない場合、また抜髄されていたり位置や形態がよくなかったりする場合には考慮すべき選択肢のひとつです。
現在では矯正用アンカースクリューが普及したので、選択される頻度は減っているのではないかと思われます。
ただ第一大臼歯はjさんもおわかりのとおり頬骨弓の付け根に位置しており、咬む力を大きく負担している歯です。抜歯したあとの不快感は大きいですし、スペースの閉鎖にも時間がかかります。片方だけ抜く歯を変えるのは治療が複雑化して期間が延長します。治療を最後までやり遂げなければ悩みが残るでしょう。
もし先生からの提案であるならそれなりの根拠と経験に基づいての判断だと思いますので受け入れてみてもよいのではないでしょうか。
もしjさんがまだご自分で個人的に考えているだけで先生と相談されていないのであれば、「抜髄してある歯を抜くようにして健全な歯を残したい」と意見を伝えてみてください。
そして自分の意志と違う選択がされたとしても、実際に診察してくださった歯科医師の判断を尊重してください。
jさんがよい治療結果を得られますよう祈念申し上げます。
jさん、初めまして、福岡市のクリア矯正歯科の下川と申します。
メリットとデメリットですが
メリットの方は矯正治療後の歯が神経のある歯になるということでしょうか、もちろん処置をしていない歯であれば、金属色などありませんので、見た目の部分でもメリットはあると思います。
デメリットとしては2つ考えられるかと思います。
一つ目としては親知らずの大きさや形態によりますが、噛み合わせが、第一大臼歯同士、第二大臼歯同士の場合に比べて、少し甘くなる可能性があること、二つ目は第一大臼歯は歯の大きさが最も大きいので、それだけ歯を動かす距離が長いので、治療に時間がかかることです。
以下に参考までに抜歯についての見解を書かせていただきますので、ご参考になりましたら幸いです。

主治医の先生がどの歯を抜かれる前提でお話をされていらっしゃるのかわかりませんが、抜歯部位はガタガタの程度や、前歯の位置、奥歯の位置、上下の顎の骨の位置など様々な要素を考慮して決定します。
その中で、第一小臼歯、第二小臼歯が抜歯部位として選択されることが多くなります。
もちろん第一大臼歯や第二大臼歯が抜歯対象になることもありますが、多くは根の先に細菌感染があり、根管治療を行なってもなかなかよくならない場合や根にヒビが入っており、慢性的な病巣があるなど、歯を残すことが難しい場合です。
ですので、抜髄してあるからということだけでは、第一大臼歯を抜歯することは多くはないと思います。

疑問に思われることは主治医の先生とお話をして、不安なく治療がすすめられるように願っております。
初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えします。

第一大臼歯抜歯に関しては、意見は分かれるところだと思います。
親知らずが無くとも、治療上問題なければ選択することもあります。
第一大臼歯が無髄歯でも、抜いていいケースと抜けないケースがあります。
結局は、診てもらう先生の考え方次第にはなってくると思います。


まず、抜歯部位の選択について説明しましょう。
多くの場合は、第一小臼歯を抜歯して治療しますが、理由は一番価値が低いからです。
でこぼこや出っ歯の原因はスペース不足であり、スペース獲得のために抜歯することがあります。
中切歯・側切歯・犬歯は見える位置にあるので、見た目を考えて残します。
第一大臼歯や第二大臼歯は、大きな歯であり、咬合力を支えるために残すべきです。
消去法で小臼歯を抜歯しますが、第一小臼歯の方が前にあるので、そちらを抜きます。
出っ歯やでこぼこは前歯近辺で生じているので、より前にある方を抜いた方が治療がやりやすいです。
よって、ほとんどの場合は、第一小臼歯もしくは第二小臼歯を抜歯します。
ただ、第一小臼歯よりも価値が低い歯がある場合は、そちらを抜歯することもあります。

次に、無髄歯に関してですが、一般的に健全歯と比べると寿命が短いです。
歯の神経まで虫歯が到達し、神経を取らざるを得なくなると、抜髄します。
この際に、神経とともに血管も無くなるため、歯に血流が無くなります。
歯は生きていて、血管から栄養が供給されていますが、抜髄することで栄養が通わなくなります。
死んだ歯は枯れ木の様に脆く、壊れやすいです。根管治療で歯が薄くなっているのも原因です。
抜髄後は根管充填し、差し歯になりますが、補綴物と歯の間には隙間があります。
隙間をセメントで埋めますが、セメントは必ず劣化し、隙間から菌が入り込みます。
根尖性歯周炎になり、再発と再根管治療を繰り返すうち、保存不可となります。
歯は無傷が理想で、虫歯が出来た瞬間に、将来的な抜髄・抜歯のカウントダウンが始まります。
なので、出来れば健全歯よりも無髄歯を抜くのが理想です。

では、歯が無くなった後はどうなるのでしょうか。
矯正治療のための抜歯であれば、抜歯した後のスペースは閉じきります。
矯正と無関係で歯が無くなると、そのスペースを入れ歯・ブリッジ・インプラントで補います。
いわゆる人工物を歯の代わりとしますが、補綴物は一生もつものではありません。
だいたいもって20〜30年程度でダメになり、また歯を入れることになります。
保険であれば安く済みますが、自費となると高額ですので、生涯の歯科医療費総額に影響します。
天然歯には劣るので、出来れば人工物を入れない方がいいのですが、歯を失えば仕方ないです。
生涯を終えるまでに、一本でも多く天然歯を残すべきで、矯正治療がプラスに働きます。


健康な第一小臼歯と、寿命の短い第一大臼歯のどちらを抜歯するのか。
これは、ケースバイケースでもありますが、担当する矯正歯科医師の思想によります。
一生単位の口の中の健康を考えた時にどちらが正解となるでしょうか。

・大臼歯を抜くべきと考える歯科医師
やはり無髄歯と、その後の補綴物を少なくするために大臼歯を抜歯すべき。
第一大臼歯でなくとも第一小臼歯が残り、咬む力を負担できる、親知らずがあればなおよい。

・大臼歯を残すべきと考える歯科医師
大臼歯は一番大きな歯であり、大事である。抜歯したらもったいない。
いつ無くなるかもわからないし、大臼歯がダメになったら、その時にインプラントすればいい。

という意見に分かれます。どちらも正解ですし、質問者様の希望もあります。
矯正後にどのように歯が失われていくかは正直なところ誰もわかりません。
補綴しないで済むようにと考えるか、普通に治すか。
第一大臼歯を抜いて治すのは、治療期間もかかりますし、難易度もあがります。
矯正歯科医師が楽なのは、第一大臼歯を抜かない方です。抜いた方が楽なケースもあります。
無髄歯を処分してあげようとする先生の方が、患者さんの将来を考えている人が多いでしょう。

ただ、第一大臼歯抜歯の矯正はうまく治さないと失敗する可能性もありますし、期間は長いです。
抜歯部位をどうするかも大事ですし、それ以上に誰が治すのかの方が大事です。
矯正歯科医師選びを失敗するとプランも仕上がりも失敗しかねません。
信頼できる先生を見つけ、無髄歯をどうするかを相談し、納得して治療を受けられるといいと思います。

以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。

相談を投稿する