ハルハルさんの相談
カテゴリ:抜歯について
7番の抜歯について
現在台湾に留学中で、上の歯が前に出ていることが気になっているので、現地での矯正を検討中です。
先生から埋まっている上下左右の親知らず、また上下左右の7番計8本の抜歯を提案されました。私の顎はとても小さく、また歯もとても大きいため、一般的な小臼歯の抜歯では十分なスペースを作れないことが理由です。
しかしながら、健康な奥歯を抜くことに抵抗があります。先生にもそのことを相談したところ、7番を抜いても将来的には問題がない、逆に今の歯の噛み合わせの状態で今まで全ての歯が健康だったことが不思議なくらいだと言われました。先生の説明は親身ですし、言っていることは理論的には理解できるのですが、やはり心情的に奥歯を抜くのには抵抗があります。
そこで質問なのですが、小臼歯の抜歯ではスペースが十分作れない場合7番を抜歯することは日本でもよくあることなのでしょうか?また、7番を抜歯することで、将来的に何か弊害が起きることはありますか?
日本と台湾では矯正方法や環境が違うのは重々承知ですが、日本の歯科医師の方の一般的な意見をお聞きし、今後どうするか参考にしたいと思っています。よろしくお願いいたします。
- マロニエ矯正歯科クリニック
- ( 埼玉県 草加市 )
- 2022-07-25 13:40:00
初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えします。
第二大臼歯を抜歯すると言われ、不安に感じているということですね。
一般的には小臼歯抜歯ですが、第二大臼歯抜歯をすることもあります。
ただ、「スぺースを獲得する」目的であるならば、小臼歯抜歯よりも効果が薄いと思います。
担当医はそもそも口元を引っ込ませるつもりがないか、別の理由があるのかもしれません。
顎が小さい、歯が大きいなどの理由から、スペース不足になり、でこぼこや出っ歯になります。
歯並びを改善するためにはスペースを作る必要があり、何本か歯を抜いて治ることもあります。
一般的には、第一小臼歯(4番)ですが、これには理由があります。
1・2・3番は、見える位置にあるため、見た目の問題から残します。
6・7番は、大きな歯で咬み合わせを支えるために重要なので、残します。
相対的に小臼歯が最も価値が低いとされていますが、5番よりも4番の方が前にあり、
でこぼこ出っ歯を治すには4番を抜いた方が口元も下がりますし、治療期間も短いです。
なので、ほとんどのケースで4番、場合によって5番を抜歯します。
ただ、例外もあり、4番よりも「価値が低い歯」があるのであれば、そちらを抜歯します。
例えば、神経を抜いた無髄歯は、寿命が短くなっているので、優先的に抜歯します。
また、削って被せている補綴歯も、健全歯よりも長持ちしないため、小臼歯が無傷なら補綴歯を抜くかもしれません。
歯肉がかなり下がっている歯肉退縮歯も、歯肉は再生しないので、審美性も含めて抜歯します。
その他、骨性癒着(アンキローシス)や、短根歯(根が短い)や、矮小歯(著しく小さい)も抜歯対象になりえます。
抜歯矯正が終わった後のことを考え、無傷の小臼歯よりも歯として劣る歯があれば、そちらを抜歯します。
もしかしたら、第二大臼歯が全部無髄歯であるとしたら、第二大臼歯抜歯もあり得ます。
ただ、質問文にそのことが書かれていないので、おそらく第二大臼歯は健全歯であると思います。
たしかに、4番よりも7番の方が大きな歯です。抜いた後に生じるスペースも大きいでしょう。
ただ、抜歯して生じたスペース全部を、前歯の後退に利用できるわけではありません。
むしろ、第二大臼歯を抜いた方が、時間もかかるし、前歯も引っ込まないと思います。
よって、担当医の言うスペースを作るために第二大臼歯抜歯をするというのは納得いきません。
4番を抜歯すると、まずでこぼこを治し、3番を下げ、前歯4本を下げて治療します。
平均的には2年半前後かかるでしょう。歯並びの状態や患者さん自身の歯の動きやすさによっても左右されます。
7番を抜歯すると、まずでこぼこを治し、6番を下げ、5番を下げ、4番を下げ、3番を下げ、前歯4本を下げます。
しかも、前歯を最大限後退させるために抜歯スペースをすべて後方移動させるなら、相当な時間がかかります。
おそらく、5年前後はかかると思います。通常の小臼歯抜歯と違って、すべて遠心移動で治すことになります。
アンカースクリューを併用したとして、時間は途方もなくかかりますし、数回打ち直すかもしれません。
さらに言うと、そもそも第二大臼歯抜歯分のスペース全部を後退させられるとは到底思えません。
「でかい歯を抜けばそれだけ前歯が引っ込む」などというのは絵空事です。絶対やめましょう。
第一小臼歯を全部抜いたうえで、さらに遠心移動を追加したいけれど、
第二大臼歯遠心部が歯肉がかぶっていて遠心移動が出来ないから、仕方なく第二大臼歯も抜く。
つまり、親知らずは含めないとして4番4本と7番4本を抜き、20歯咬合にして治す、
ということであれば、スペースが足りなさ過ぎて第二大臼歯を抜くという意味が分かります。
第二大臼歯を抜いても、時間は大量にかかってしまい、そのうえでさほど前歯も下がらない、
むしろ普通に第一小臼歯を抜いていた方が前歯が下がったんじゃないか、という結果になると思います。
第二大臼歯抜歯自体はやることもありますが、代わりに親知らずが使えそうなケースだったり、
第二大臼歯が第一小臼歯よりも状態が悪い時しかやりません。これは国は関係しないと思います。
担当の先生がなぜそれがベストプランと思うのか理解に苦しみますので、何か理由があるのかと思うほどです。
いい加減で無知なハズレドクターか、やたらこだわりが強い偏屈な先生か、想像を絶する名医かです。
あえて第二大臼歯抜歯を選択せざるを得ない情報が質問文から抜け落ちているのかもしれません。
ないと思いますが、第一小臼歯を抜かないで、マウスピース矯正でなるべく口元を引っ込めたいと言ったか。
また、留学期間はどれくらいでしょうか。通常の抜歯矯正でも3年弱はかかります。
留学期間中に確実に終了する目処が立つならば、現地でやってもいいかもしれません。
第二大臼歯抜歯の段階で絶対に無理なので、他の矯正歯科に行った方がいいです。
早く始めたい気持ちもわかりますが、であれば留学前に終わらせておくべきでした。
台湾で矯正が終わらなければ、日本に帰国後に治療を日本で継続することになります。
その際、治療のやり方も違いますし、使用装置も多少異なります。
下手な治療をしていたら、そのリカバリーからしないといけないので、総治療期間が延びます。
また、治療費に関しても、台湾の矯正歯科で返金されるか確認すべきですし、
日本の矯正歯科で継続するとなると、全額また費用が掛かるかもしれません。
ある程度治療費を割引してくれる先生もいると思いますが、国内でも2医院にかかって治療を受ける場合は、
1医院で治療を受けていた場合に比べて数十万円ほど多く総治療費がかかるケースがほとんどです。
数年単位で日本に帰国せず、現地で確実に矯正が終了するのであれば問題ありません。
そうでなければ、2国間で治療することになり、治療期間も長く、治療費も高くなるはずです。
そのことを理解したうえで、日本に帰国するまで治療を待てない、ということであれば現地で始めましょう。
台湾人と日本人は人種として差はあまりなく、歯並びも似たようなものですが、
治療レベルに関しては、少し異なってくると思います。
日本よりも台湾の方が劣っている、ではなく、ハズレを引く可能性が高いという意味です。
国や人種に関係なく、うまい矯正歯科医師と下手な矯正歯科医師がいます。
もちろん、日本でも下手な治療をする先生もいれば、台湾でも良い治療を先生がいます。
ただ、勝手なイメージですが、日本の方がハズレ率は多少少ないと思います。
台湾を含む外国で矯正治療を受けるなら、歯科医院選びにより慎重になるべきです。
留学中の患者に第二大臼歯抜歯を勧める先生は、私は良い先生とは思えません。
留学中に治療が終わらずに、返金するかしないかで金銭面でトラブルになり、
帰国後に日本の先生に「なんで第二大臼歯を抜いちゃったのか」と言われる未来が見えます。
現地で矯正をやるとしても、もう何件か相談して回ってもいいかと思いますし、
治療費、治療期間、治療の確実性を考えると、帰国後に日本で矯正した方がいいと思います。
どちらにせよ、良い先生選びが大事になりますから、慎重に探しましょう。
以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
ご質問にお答えします。
第二大臼歯を抜歯すると言われ、不安に感じているということですね。
一般的には小臼歯抜歯ですが、第二大臼歯抜歯をすることもあります。
ただ、「スぺースを獲得する」目的であるならば、小臼歯抜歯よりも効果が薄いと思います。
担当医はそもそも口元を引っ込ませるつもりがないか、別の理由があるのかもしれません。
顎が小さい、歯が大きいなどの理由から、スペース不足になり、でこぼこや出っ歯になります。
歯並びを改善するためにはスペースを作る必要があり、何本か歯を抜いて治ることもあります。
一般的には、第一小臼歯(4番)ですが、これには理由があります。
1・2・3番は、見える位置にあるため、見た目の問題から残します。
6・7番は、大きな歯で咬み合わせを支えるために重要なので、残します。
相対的に小臼歯が最も価値が低いとされていますが、5番よりも4番の方が前にあり、
でこぼこ出っ歯を治すには4番を抜いた方が口元も下がりますし、治療期間も短いです。
なので、ほとんどのケースで4番、場合によって5番を抜歯します。
ただ、例外もあり、4番よりも「価値が低い歯」があるのであれば、そちらを抜歯します。
例えば、神経を抜いた無髄歯は、寿命が短くなっているので、優先的に抜歯します。
また、削って被せている補綴歯も、健全歯よりも長持ちしないため、小臼歯が無傷なら補綴歯を抜くかもしれません。
歯肉がかなり下がっている歯肉退縮歯も、歯肉は再生しないので、審美性も含めて抜歯します。
その他、骨性癒着(アンキローシス)や、短根歯(根が短い)や、矮小歯(著しく小さい)も抜歯対象になりえます。
抜歯矯正が終わった後のことを考え、無傷の小臼歯よりも歯として劣る歯があれば、そちらを抜歯します。
もしかしたら、第二大臼歯が全部無髄歯であるとしたら、第二大臼歯抜歯もあり得ます。
ただ、質問文にそのことが書かれていないので、おそらく第二大臼歯は健全歯であると思います。
たしかに、4番よりも7番の方が大きな歯です。抜いた後に生じるスペースも大きいでしょう。
ただ、抜歯して生じたスペース全部を、前歯の後退に利用できるわけではありません。
むしろ、第二大臼歯を抜いた方が、時間もかかるし、前歯も引っ込まないと思います。
よって、担当医の言うスペースを作るために第二大臼歯抜歯をするというのは納得いきません。
4番を抜歯すると、まずでこぼこを治し、3番を下げ、前歯4本を下げて治療します。
平均的には2年半前後かかるでしょう。歯並びの状態や患者さん自身の歯の動きやすさによっても左右されます。
7番を抜歯すると、まずでこぼこを治し、6番を下げ、5番を下げ、4番を下げ、3番を下げ、前歯4本を下げます。
しかも、前歯を最大限後退させるために抜歯スペースをすべて後方移動させるなら、相当な時間がかかります。
おそらく、5年前後はかかると思います。通常の小臼歯抜歯と違って、すべて遠心移動で治すことになります。
アンカースクリューを併用したとして、時間は途方もなくかかりますし、数回打ち直すかもしれません。
さらに言うと、そもそも第二大臼歯抜歯分のスペース全部を後退させられるとは到底思えません。
「でかい歯を抜けばそれだけ前歯が引っ込む」などというのは絵空事です。絶対やめましょう。
第一小臼歯を全部抜いたうえで、さらに遠心移動を追加したいけれど、
第二大臼歯遠心部が歯肉がかぶっていて遠心移動が出来ないから、仕方なく第二大臼歯も抜く。
つまり、親知らずは含めないとして4番4本と7番4本を抜き、20歯咬合にして治す、
ということであれば、スペースが足りなさ過ぎて第二大臼歯を抜くという意味が分かります。
第二大臼歯を抜いても、時間は大量にかかってしまい、そのうえでさほど前歯も下がらない、
むしろ普通に第一小臼歯を抜いていた方が前歯が下がったんじゃないか、という結果になると思います。
第二大臼歯抜歯自体はやることもありますが、代わりに親知らずが使えそうなケースだったり、
第二大臼歯が第一小臼歯よりも状態が悪い時しかやりません。これは国は関係しないと思います。
担当の先生がなぜそれがベストプランと思うのか理解に苦しみますので、何か理由があるのかと思うほどです。
いい加減で無知なハズレドクターか、やたらこだわりが強い偏屈な先生か、想像を絶する名医かです。
あえて第二大臼歯抜歯を選択せざるを得ない情報が質問文から抜け落ちているのかもしれません。
ないと思いますが、第一小臼歯を抜かないで、マウスピース矯正でなるべく口元を引っ込めたいと言ったか。
また、留学期間はどれくらいでしょうか。通常の抜歯矯正でも3年弱はかかります。
留学期間中に確実に終了する目処が立つならば、現地でやってもいいかもしれません。
第二大臼歯抜歯の段階で絶対に無理なので、他の矯正歯科に行った方がいいです。
早く始めたい気持ちもわかりますが、であれば留学前に終わらせておくべきでした。
台湾で矯正が終わらなければ、日本に帰国後に治療を日本で継続することになります。
その際、治療のやり方も違いますし、使用装置も多少異なります。
下手な治療をしていたら、そのリカバリーからしないといけないので、総治療期間が延びます。
また、治療費に関しても、台湾の矯正歯科で返金されるか確認すべきですし、
日本の矯正歯科で継続するとなると、全額また費用が掛かるかもしれません。
ある程度治療費を割引してくれる先生もいると思いますが、国内でも2医院にかかって治療を受ける場合は、
1医院で治療を受けていた場合に比べて数十万円ほど多く総治療費がかかるケースがほとんどです。
数年単位で日本に帰国せず、現地で確実に矯正が終了するのであれば問題ありません。
そうでなければ、2国間で治療することになり、治療期間も長く、治療費も高くなるはずです。
そのことを理解したうえで、日本に帰国するまで治療を待てない、ということであれば現地で始めましょう。
台湾人と日本人は人種として差はあまりなく、歯並びも似たようなものですが、
治療レベルに関しては、少し異なってくると思います。
日本よりも台湾の方が劣っている、ではなく、ハズレを引く可能性が高いという意味です。
国や人種に関係なく、うまい矯正歯科医師と下手な矯正歯科医師がいます。
もちろん、日本でも下手な治療をする先生もいれば、台湾でも良い治療を先生がいます。
ただ、勝手なイメージですが、日本の方がハズレ率は多少少ないと思います。
台湾を含む外国で矯正治療を受けるなら、歯科医院選びにより慎重になるべきです。
留学中の患者に第二大臼歯抜歯を勧める先生は、私は良い先生とは思えません。
留学中に治療が終わらずに、返金するかしないかで金銭面でトラブルになり、
帰国後に日本の先生に「なんで第二大臼歯を抜いちゃったのか」と言われる未来が見えます。
現地で矯正をやるとしても、もう何件か相談して回ってもいいかと思いますし、
治療費、治療期間、治療の確実性を考えると、帰国後に日本で矯正した方がいいと思います。
どちらにせよ、良い先生選びが大事になりますから、慎重に探しましょう。
以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
- プロ矯正歯科
- ( 東京都 墨田区 )
- 2022-07-25 14:01:00
こんにちは 日本でも外国でも歯列矯正の上手な先生もいれば
口先だけの先生もおります。
台湾の矯正の先生は優秀ですし、可能であればアメリカや日本の留学経験のある先生がよろしいと思います
また、7番抜歯も選択肢としてあります
私がきになったことは,あなたがあと何年台湾にいるかです
23歳という年齢ですから1年程度で帰国するならば日本に帰ってきてからの治療がよろしいと思います
難しい症例の引継ぎは断られる可能性が高くなりますし
そういった受け入れの部分でも日本に留学経験のある先生であれば
いろいろと面倒見てくれるはずです
口先だけの先生もおります。
台湾の矯正の先生は優秀ですし、可能であればアメリカや日本の留学経験のある先生がよろしいと思います
また、7番抜歯も選択肢としてあります
私がきになったことは,あなたがあと何年台湾にいるかです
23歳という年齢ですから1年程度で帰国するならば日本に帰ってきてからの治療がよろしいと思います
難しい症例の引継ぎは断られる可能性が高くなりますし
そういった受け入れの部分でも日本に留学経験のある先生であれば
いろいろと面倒見てくれるはずです