くまこさんの相談
カテゴリ:抜歯について
抜歯矯正におけるティースバンクの利用について
小臼歯4本抜歯の計画で矯正を開始しました。
上顎は治療歴のある歯を抜きましたが、
下顎は虫歯がなく健全です。
矯正で歯が減ってしまうのが心配なので、
将来のためにティースバンクを利用したいと考え始めました。
安心材料になるなら費用は問いません。
・ティースバンクを利用する方が一定数いらっしゃるのか
・どれくらい有用性があるのか
2点について教えてください。
-
- マロニエ矯正歯科クリニック
- ( 埼玉県 草加市 )
- 2022-07-21 20:40:00
初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えします。
ティースバンクを検討されているということですね。
私自身が扱っておらず、周囲の歯科医師もほとんど取り扱っていないので、
客観的に見た一般論だけになってしまいますが、想像してお話します。
冷凍保存した歯が本当に歯として使えるようになるのか、という点に関しては何とも言えません。
ティースバンクについて調べると、会社側は定着するとしていますね。
解凍後再利用可能であると仮定して、保存することに意味があるのかというお話ですね。
冷凍保存歯以前に、歯の移植自体の有用性について説明します。
まず、歯の移植についてですが、そもそも適応症が狭くてあまり行われておりません。
おそらく第一小臼歯を抜歯するのだと思いますが、第二小臼歯欠損時にはサイズが合うでしょう。
大臼歯とは大きさが違いますから代用できませんし、前歯に使う時も使いにくいです。
失う歯と小臼歯の形が対応していなければ、そもそも使い道がありません。
歯の歯根の形が一致していない時は、骨を削って小臼歯の形に合わせる必要がありますが、
ネジと同じ形のドリルで穴を開けるインプラントと比べ、骨の形と会いにくく、定着しにくいです。
歯冠の形もそもそも合うはずがなく、補綴物を被せる前提となります。
また、抜いた歯は神経を抜かざるを得ず、結局無髄歯になります。無髄歯は寿命が短いです。
移植というのは、神経を抜いた歯で、合わない穴の中に植えて、歯冠も結局被せます。
植えて直後にダメになることもありますが、10年もてばいい方とされています。
10年もたせられたとして、結局ダメになったら、そこに人工的な歯を入れることになります。
インプラントに抵抗のある人が、インプラントになる前にダメ元で試すもの、というイメージがあります。
様々なファクターによって成功率が左右され、技術力も必要で、失敗の原因が患者自身の要素にもよります。
大変さのわりに不確実な治療法であり、進んで移植を行う歯科医師はごく少数です。
適切な処置をしても歯が長持ちしなかったら、歯医者の腕が悪いからだと思われかねません。
比較して、インプラントはネジと穴の形が一致するため確実で、20〜30年もつとされています。
サイズも何種類もあり、欠損部に合わせて選択できますし、上物も作りやすいです。
インプラントメーカーの利益にも、歯科医師に利益にもなるので、技術も進歩しています。
移植はあまり儲けにならない割に成功しないので、トライする歯科医師も少なく、進歩はあまりない分野です。
歯科における再生医療分野は、需要が少なすぎてほとんど進化していません。
目や内臓などは失った時のダメージは甚大ですし、生命にも関わります。
非常に需要もあり、開発が進めば大変儲かるでしょうし、患者さん側もいくらでも払うでしょう。
歯も大事ではありますが、歯を失っても、保険で1万円もせずに回復できてしまいます。
保険で数千円、インプラントが数十万として、歯を復活させるのに数百万としたら、世間の人はやるでしょうか。
あまりにも簡単に安価で回復できてしまうため、歯の再生医療を受けたいと思う人はほとんどいないでしょう。
目一個、腎臓一個、歯全部のどれかを失うとしたら、歯を選ぶ人が多いのでしょう。歯は人工物で補えます。
利益にならないとわかっている研究にお金も出ませんし、研究者もいないのが研究が進まない原因です。
ティースバンクもかなり前からあるようですが、年間に抜歯される歯の本数と比較して、保存数があまりに少ないです。
これが何を意味するかというと、成功率が低い、適応症が狭い、などの点からほとんどの歯科医師が導入していないということです。
また、保存数と移植実施数のバランスが悪いのは、保存したものの使い道がないということでしょう。
いざ使うぞとなった時に、歯の形が合わない、骨が無くて移植が無理、年齢的な要素で出来ないのかもしれません。
抜いた歯を出来たら再利用したいと思う人はかなり多いと思いますが、それに対してのケース数が少なすぎます。
あまり現実的でない方法なのでしょう。抜歯して死んだ歯を植え替えて、インプラントと何が違うでしょうか。
保存費用と、移植費用と、補綴費用を合計すると、インプラントよりも高額になるのではないでしょうか。
冷凍保存する行為自体は、デメリットが無いので、ティースバンクを利用すること自体は問題はないでしょう。
しかし、結局使わなかったらお金の無駄になります。ほとんどの利用者が現状そうなっているように見えます。
お金を捨てるつもりで、うまく使い道があったらラッキーくらいの気持ちで利用するのが正しいと思います。
矯正で歯が無くなるのは、適切な治療が行われれば、問題がありません。
28歯咬合も、24歯咬合も、咬合力や最終的な残存歯数には差が無いとされています。
矯正と関係なく歯を失えば、歯を入れる必要があり、人工物を入れるのが良くないのです。
矯正での抜歯は、抜歯スペースを閉鎖し、良好な咬合を獲得するので、健康上問題はないのです。
矯正で歯が少なくなるから、1本でも多く歯を残したい、ということであれば、
ティースバンクを利用するよりも、歯を失わないように口腔ケアを気をつける方が大事です。
ちゃんとケアしていてもいつか歯を失うことになるかもしれませんが、その時に最善な方法で歯を入れれば大丈夫です。
移植歯に関しては、天然歯とは同様ではなく、自前のインプラントだと思ってください。
今回は、矯正治療のための抜歯なので、矯正歯科ネットでご質問をされていると思います。
移植やティースバンクについては矯正歯科医師は専門ではないので、
移植を得意にしている先生や、ティースバンクを使用している先生に直接質問をするのが確実かと思います。
歯の冷凍保存というものに関して、現在の技術的に有用に感じられないため、ネガティブな回答となりました。
実際に導入して、実際に解凍して移植した先生であれば、経験に基づいて説明が出来るのではないでしょうか。
以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
ご質問にお答えします。
ティースバンクを検討されているということですね。
私自身が扱っておらず、周囲の歯科医師もほとんど取り扱っていないので、
客観的に見た一般論だけになってしまいますが、想像してお話します。
冷凍保存した歯が本当に歯として使えるようになるのか、という点に関しては何とも言えません。
ティースバンクについて調べると、会社側は定着するとしていますね。
解凍後再利用可能であると仮定して、保存することに意味があるのかというお話ですね。
冷凍保存歯以前に、歯の移植自体の有用性について説明します。
まず、歯の移植についてですが、そもそも適応症が狭くてあまり行われておりません。
おそらく第一小臼歯を抜歯するのだと思いますが、第二小臼歯欠損時にはサイズが合うでしょう。
大臼歯とは大きさが違いますから代用できませんし、前歯に使う時も使いにくいです。
失う歯と小臼歯の形が対応していなければ、そもそも使い道がありません。
歯の歯根の形が一致していない時は、骨を削って小臼歯の形に合わせる必要がありますが、
ネジと同じ形のドリルで穴を開けるインプラントと比べ、骨の形と会いにくく、定着しにくいです。
歯冠の形もそもそも合うはずがなく、補綴物を被せる前提となります。
また、抜いた歯は神経を抜かざるを得ず、結局無髄歯になります。無髄歯は寿命が短いです。
移植というのは、神経を抜いた歯で、合わない穴の中に植えて、歯冠も結局被せます。
植えて直後にダメになることもありますが、10年もてばいい方とされています。
10年もたせられたとして、結局ダメになったら、そこに人工的な歯を入れることになります。
インプラントに抵抗のある人が、インプラントになる前にダメ元で試すもの、というイメージがあります。
様々なファクターによって成功率が左右され、技術力も必要で、失敗の原因が患者自身の要素にもよります。
大変さのわりに不確実な治療法であり、進んで移植を行う歯科医師はごく少数です。
適切な処置をしても歯が長持ちしなかったら、歯医者の腕が悪いからだと思われかねません。
比較して、インプラントはネジと穴の形が一致するため確実で、20〜30年もつとされています。
サイズも何種類もあり、欠損部に合わせて選択できますし、上物も作りやすいです。
インプラントメーカーの利益にも、歯科医師に利益にもなるので、技術も進歩しています。
移植はあまり儲けにならない割に成功しないので、トライする歯科医師も少なく、進歩はあまりない分野です。
歯科における再生医療分野は、需要が少なすぎてほとんど進化していません。
目や内臓などは失った時のダメージは甚大ですし、生命にも関わります。
非常に需要もあり、開発が進めば大変儲かるでしょうし、患者さん側もいくらでも払うでしょう。
歯も大事ではありますが、歯を失っても、保険で1万円もせずに回復できてしまいます。
保険で数千円、インプラントが数十万として、歯を復活させるのに数百万としたら、世間の人はやるでしょうか。
あまりにも簡単に安価で回復できてしまうため、歯の再生医療を受けたいと思う人はほとんどいないでしょう。
目一個、腎臓一個、歯全部のどれかを失うとしたら、歯を選ぶ人が多いのでしょう。歯は人工物で補えます。
利益にならないとわかっている研究にお金も出ませんし、研究者もいないのが研究が進まない原因です。
ティースバンクもかなり前からあるようですが、年間に抜歯される歯の本数と比較して、保存数があまりに少ないです。
これが何を意味するかというと、成功率が低い、適応症が狭い、などの点からほとんどの歯科医師が導入していないということです。
また、保存数と移植実施数のバランスが悪いのは、保存したものの使い道がないということでしょう。
いざ使うぞとなった時に、歯の形が合わない、骨が無くて移植が無理、年齢的な要素で出来ないのかもしれません。
抜いた歯を出来たら再利用したいと思う人はかなり多いと思いますが、それに対してのケース数が少なすぎます。
あまり現実的でない方法なのでしょう。抜歯して死んだ歯を植え替えて、インプラントと何が違うでしょうか。
保存費用と、移植費用と、補綴費用を合計すると、インプラントよりも高額になるのではないでしょうか。
冷凍保存する行為自体は、デメリットが無いので、ティースバンクを利用すること自体は問題はないでしょう。
しかし、結局使わなかったらお金の無駄になります。ほとんどの利用者が現状そうなっているように見えます。
お金を捨てるつもりで、うまく使い道があったらラッキーくらいの気持ちで利用するのが正しいと思います。
矯正で歯が無くなるのは、適切な治療が行われれば、問題がありません。
28歯咬合も、24歯咬合も、咬合力や最終的な残存歯数には差が無いとされています。
矯正と関係なく歯を失えば、歯を入れる必要があり、人工物を入れるのが良くないのです。
矯正での抜歯は、抜歯スペースを閉鎖し、良好な咬合を獲得するので、健康上問題はないのです。
矯正で歯が少なくなるから、1本でも多く歯を残したい、ということであれば、
ティースバンクを利用するよりも、歯を失わないように口腔ケアを気をつける方が大事です。
ちゃんとケアしていてもいつか歯を失うことになるかもしれませんが、その時に最善な方法で歯を入れれば大丈夫です。
移植歯に関しては、天然歯とは同様ではなく、自前のインプラントだと思ってください。
今回は、矯正治療のための抜歯なので、矯正歯科ネットでご質問をされていると思います。
移植やティースバンクについては矯正歯科医師は専門ではないので、
移植を得意にしている先生や、ティースバンクを使用している先生に直接質問をするのが確実かと思います。
歯の冷凍保存というものに関して、現在の技術的に有用に感じられないため、ネガティブな回答となりました。
実際に導入して、実際に解凍して移植した先生であれば、経験に基づいて説明が出来るのではないでしょうか。
以上を、ご質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
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- 成城学園KU歯科
- ( 東京都 世田谷区 )
- 2022-07-26 18:34:27
くまこさんがイメージされているよりティースバンクはまだそこまで一般的ではありません。たしかに将来のためにバンキングする先進医療は歯牙そのものだけでなく様々なものが出てきています。
バンキングしておいた歯を移植する際の話ですが、歯根が完成された歯においては歯髄をとらなければならない場合が多いです。歯根が未完成であれば神経はそのままで正着する確立は高いですが、抜歯してすぐに移植をしても歯髄にはダメージを与えてしまいます。歯髄というデリケートな組織が長期間の凍結保存に耐えられるか個人的にも疑問が残ります。
バンキング後の移植の成功率や費用を熟考したうえで検討されたほうが良いかと思います。
個人的には現時点ではまだ早いと思います。
バンキングしておいた歯を移植する際の話ですが、歯根が完成された歯においては歯髄をとらなければならない場合が多いです。歯根が未完成であれば神経はそのままで正着する確立は高いですが、抜歯してすぐに移植をしても歯髄にはダメージを与えてしまいます。歯髄というデリケートな組織が長期間の凍結保存に耐えられるか個人的にも疑問が残ります。
バンキング後の移植の成功率や費用を熟考したうえで検討されたほうが良いかと思います。
個人的には現時点ではまだ早いと思います。