インビザライン矯正でEラインを整える方法
2022年07月05日19時52分
この医院の回答一覧を見る初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えします。
非抜歯でインビザライン治療中ということですね。
開咬(オープンバイト)とインビザラインは非常に相性が良く、
私も開咬の方にはワイヤー矯正よりもインビザラインを勧めることが多いです。
開咬を改善するためには奥歯を圧下(歯を歯茎に沈める動き)させる必要があり、
インビザラインは装着時に上下のマウスピースの奥歯部分が接するため、
奥歯の圧下がとてもやりやすく、従来難症例であった開咬が簡単に治るようになりました。
インビザライン治療中に抜歯矯正に切り替えることは可能ですが、
本当に切り替えるべきか、というのは慎重に判断するべきだと思います。
抜歯以外の方法でもスペースを作ることが可能なので、多少はEラインを改善できます。
歯の側面部を削るディスキングもスペース獲得に有効ですし、
マウスピースで上下の顎を側方拡大したり、遠心移動することもできます。
また、開咬改善のための臼歯圧下は、オートローテーションを起こします。
奥歯の上下的な接触がなくなると、下顎骨全体が少し前に移動します。
下顎の先端も前方に移動するので、Eラインが移動して相対的に多少口元が下がります。
ただ、ディスキングも側方拡大も遠心移動もそこまで大量にスペースが作れるわけではありません。
前歯をたくさん後退させ、口元をドカンと引っ込めるにはやはり抜歯が有効です。
インビザライン治療で抜歯治療というのは、一般的には難しいとされています。
でこぼこが強めであれば、前歯の移動量が減り、難しくはありません。
でこぼこがほとんどない、いわゆる口ゴボ状態であるなら、やや難しくなります。
抜歯した空間は、歯を動かして閉鎖しますが、歯を平行移動して後退させます。
歯は釘と一緒で、まっすぐに直立している状態が咬む力を受けやすく、理想的です。
矯正治療が終わった後も、すべての歯がまっすぐ平行に並ぶようにします。
抜歯後に歯を後方移動させる際、平行移動させるのがマウスピース矯正は不得意となります。
歯は骨に埋まっていて、その重心(抵抗中心)は骨の中にあります。
重心を押せば、平行に移動できますが、骨の中の重心は押すことが出来ません。
生えている歯冠という部分しか押せないので、普通に歯冠を押すと、歯は倒れこんで移動します。
人間が立っていて、腰を強く押されると踏ん張れますが、肩を強く押されるとよろけてしまいます。
ワイヤー矯正であれば、ワイヤーがレールになってくれるので、歯が倒れずに平行に移動します。
マウスピース矯正は、上からマウスピースがハマっているだけなので、倒れこみやすいのです。
歯が倒れこんでくると、咬み合わせが悪化し、治療の立て直しが必要になります。
口ゴボタイプの抜歯矯正をインビザラインでやると、だんだんと歯が倒れてきます。
倒れこみとリカバリーを繰り返しながら、えっちらおっちら進めていくことになります。
「いかに倒れないようにするか、いかにリカバリーをするか」という知識や技術が、
インビザライン治療を行う矯正歯科医師に要求されます。
経験の浅い先生だとうまくいかないこともありますので、担当の先生に出来るか聞いてみましょう。
また、抜歯すべきか非抜歯で治すか、口元をどうするかということに関して、相談はしていないのでしょうか?
つまり、セファロレントゲンを撮り、セファロ分析を行い、VTO(治療プラン)の提示はなかったでしょうか。
インビザライン治療を行う歯科医院では、横着してセファロ分析を行わないところも多いです。
スキャンマシン(アイテロ)またはPC上で歯の動きを設定している、クリンチェックは診断ではありません。
矯正治療で歯を動かすと、前歯の位置が変わり、口元も変わり、顔も変わります。
最終的にどのような顔立ちにするか、前歯をどれだけ下げるかというのは、セファロ分析でしかわかりません。
矯正の知識がないからそもそもセファロ分析が出来ない、出来るけど面倒でやらない、
という歯科医師が散見され、そういう歯科医師がインビザライン治療をよく行っています。
何が言いたいかというと、下手に抜歯矯正を行うと、口元が下がりすぎるかもしれないということです。
セファロ分析から、顔立ちを基準としてどれだけ前歯を引っ込めるかを設定し、
前歯の後退量を決めたうえで、クリンチェックを行わなければ、狙った仕上がりにはなりません。
「ノープランでとりあえず抜歯して歯を引っ込めた」場合、どんな顔になるか誰もわかりません。
Eラインよりも口元が引っ込むと、印象として、老け顔で貧相な顔になります。
質問者様が本当に抜歯すべきなのか、抜歯したうえでベストに治すにはどうするべきなのか、
というのは、あてずっぽうではなく、正式なセファロ分析が必要です。
「だいたい前歯が引っ込めば顔がどんな感じでも受け入れられる」のであれば、
とりあえず抜歯して、とりあえずスペースを閉じても良いでしょう。
非抜歯で治療する方針に決定した時、セファロ分析があったか、非抜歯では口元がどうなるのか、
抜歯プランの提案があったのか、適切な説明と、それに対する同意はありましたか?
ワイヤー矯正をやっておらず、インビザライン治療しかやっていないような歯科医院では、
おそらくセファロ分析なども行っていないでしょうし、ほとんどのケースを非抜歯でやっているのではないでしょうか。
根拠なく抜歯矯正をするのは危険ですので、慎重になりましょう。
本来は、抜歯か非抜歯かというのは治療開始前に決めておくものです。
非抜歯矯正で前歯がある程度後退するという前提で治療を開始していて、
ある程度治療が進んでも思っていたよりも後退していないため、抜歯を希望するのであればわかります。
非抜歯で始まったばかりで質問者様が抜歯を考え出すとなると、
治療開始前の検査診断やディスカッションが十分でなかったのだろうと予想されます。
抜歯矯正を適切に治せる先生であれば、提案すれば抜歯矯正に切り替えることも可能だと思います。
しかし、抜歯して本当に希望通りの仕上がりになるのかどうか、
ということに関しての適切な検査があるかを確認した方が良いでしょう。
ネットを調べれば、抜歯矯正で口元が引っ込みすぎて残念に思っている方がたくさんいるはずです。
特に、インビザラインは流行に乗って利益のために導入する歯科医師が激増しています。
顔が変わるということは、一生を左右することなので、慎重に行動しましょう。
今度こそしっかりと担当医と話し合い、十分に納得したうえで選択しましょう。
抜歯矯正に切り替える際は、マウスピースを一から作り直すことになります。
抜歯矯正の場合や、マウスピースの再作製に関して別途費用を取る歯科医院もありますので、
その点についても注意しながら、担当の先生に聞いてみましょう。
以上を、質問への回答といたします。よろしくお願いいたします。
みさん [20歳 女性] からの返信
2022年07月05日22時21分
丁寧に返信していただき、ありがとうございます。
私は親知らずがまっすぐ綺麗に生えていて、顎も小さくなかったので、非抜歯矯正の方向で進めるという話でした。
親知らずを抜いた分、口元が下がるのか、それとも大きな変化は得られないのか。など相談不足だったと痛感しております。
私は鼻から顎まで指をつけると、唇がべったりとついてしまいます。親知らず分の移動では意味がないのではないかと不安になりました。
また、ネットの記事を見ると、非抜歯矯正でEラインを整えるのは難しいと出てきました。
とりあえず、担当の先生に相談してみようと思います。
そして抜歯をするかしないかよく考えたいと思います。
非抜歯矯正から抜歯矯正に切り替えるとなると、ワイヤー矯正に切り替えるべきなのでしょうか。
2022年07月05日22時57分
追加で回答致します。
どれくらい前歯が引っ込むかの説明もなく治療を開始するのは、
正直なところ矯正歯科医師の怠慢ではないかと思います。
世の全ての矯正歯科医師が、セファロ分析を含む適切な診断や説明を行うべきと思いますが、現状ではそうでないことが多いように感じます。
説明不足ゆえに、治療が始まってから患者さんに疑問や不満が生じてきてしまいます。
この矯正歯科ネットにおいても、矯正歯科医師の説明不足や診断ミスなどでトラブルになっている方をよくお見かけします。
インビザラインをやっている歯科医院は、矯正専門でしょうか?一般歯科でしょうか?一般歯科である場合、担当しているのは一般歯科医師でしょうか?矯正歯科医師でしょうか?
横顔のレントゲンを撮影して、分析しましたか?それともインビザラインの3Dシュミレーションだけでしたか?
医院の方針や、担当医の能力によっても今後の方針は変わるでしょう。
そもそも、抜歯矯正のインビザラインが出来ない先生で、ワイヤー矯正も出来ない先生なら、抜歯したいと言ってもあれやこれや理由をつけてやってくれないでしょう。明らかなる口ゴボであるなら、非抜歯ではあまり口元は引っ込みません。口ゴボ=抜歯と思ってください。どうしても抜歯矯正をやりたいなら転院なども視野に入れる必要もあるかもしれません。
抜歯のインビザラインが出来る先生なら、単純に再スキャンして抜歯プランに切り替えるだけで変更できます。私の患者でも、非抜歯インビザの途中で、口元を引っ込めたいからと抜歯インビザに切り替えた人もいます。スキャンするだけですぐに出来るので、簡単です。
一般歯科医師の場合、インビザはできるけどワイヤー矯正は出来ない人がほとんどです。矯正歯科医師である場合は、ワイヤー矯正への変更も出来るでしょう。抜歯インビザができる矯正歯科医師なら、わざわざワイヤーに切り替えさせたりしないでしょう。インビザラインが無駄になりますし、面倒です。
抜歯インビザができない矯正歯科医師なら、ワイヤー矯正への変更を提案されるかもしれません。その際は、別途費用がかかってきてしまうでしょう。インビザラインに魅力を感じてインビザラインを選ばれたと思いますが、インビザラインとワイヤー矯正はかなり毛色が変わります。移行せずに済むのであれば、インビザラインのまま抜歯矯正に切り替えた方がいいと思います。
上記のように、担当する歯科医師の能力によって今後のやり方は変わってくると思います。軽めの開咬ならば、抜歯のワイヤー矯正でも改善しますし、重度の開咬でもアンカースクリューを併用すれば治せます。まずは、担当の先生に抜歯矯正をやりたい意向を伝えるべきと思います。抜歯矯正に切り替えるならば早いに越したことはないですから。
また、現状の方針でもある程度は口元が引っ込むのではないかと思いますので、一旦非抜歯のまま進めて、担当医の方からこれ以上引っ込まないと言われた時に考えてもいいと思います。もしかしたら質問者様が満足するレベルまで口ゴボが改善するかもしれません。
計画通りに進めてから後で方針転換しても、治療上は問題はありません。しかし、非抜歯矯正が完了してから抜歯矯正に切り替えるのは、最初から抜歯矯正をやるよりも遠回りになり、治療期間が長くなります。
矯正治療は、顔をより良くするチャンスです。
望むと望まざるとに関わらず、顔が変わりますので、より良い方に変えていくべきと思います。
非抜歯矯正をやったけど、やっぱり口元を引っ込めたくてもう一回抜歯矯正をやる、という人がよく相談に来ます。出来れば矯正治療は人生に一回にした方がいいと思いますので、後悔のない仕上がりになるように担当の先生とよく話し合いましょう。言いくるめられて泣き寝入りすることもありません。
抜歯矯正をするなら、出来ればセファロ分析をすべきと思います。
みさん [20歳 女性] からの返信
2022年07月05日23時13分
お忙しい中、ご返信いただきありがとうございます。
こちらから質問しなかったので、説明してもらえなかったのかもしれないです。
私が通っている医院は、矯正歯科で、精密検査の際にレントゲンを取り、その後口の中に機械を入れて3Dシミュレーションを作ってもらいました。
レントゲンの時に横顔について説明はありませんでした。
私の開口は軽めで、歯並びも綺麗に並んでいます。開始1ヶ月で、歯がくっつくようになりました。
上下の歯がくっついたのに、横顔に変化がでないので、もうこれ以上口元が下がることはないのでしょうか?
それとも横顔に変化が出るのはこれからなのでしょうか?
今回栗田先生に相談させてもらい、先生とよく話し合うことが重要なのだと分かりました。
今まで不安に思っても、あまり言えずにいたので、これからきちんと説明して、どんな横顔になりたいのかしっかり伝えたいと思います。
2022年07月05日23時38分
回答します。
すでに開咬が改善しているということですが、開咬を治すということと前歯を引っ込めるというのは関係がありません。まだ1ヶ月ですし、ここから作ったスペース分だけ歯が後退していくことになると思います。そして、どこまで前歯が下がるかはすでにクリンチェックで決まっているはずであり、担当医は把握しているはずです。
矯正歯科ならば、ワイヤー矯正は可能だと思います。インビザライン専門医院は、矯正歯科ではありませんよ。一般歯科治療をやっておらず、ワイヤー矯正を取り扱っているのが「矯正歯科」です。
レントゲンは、顔を横広に拡げて表示するパノラマエックス線写真と、顔面全体をそのまま投射するセファロレントゲンの2種類があります。撮影したのはパノラマだけで、セファロは撮ってないかもしれません。
真っ当な矯正歯科であれば、撮影したセファロの値についての説明があるはずです。でなければ撮影した意味がないですからね。説明してないだけで、その先生の中ではちゃんと治療プランニング出来ているのでしょうか。
1ヶ月で治る程度の開咬はごくごく軽度です。むしろ、歯並びが綺麗に並んで口元が出ているのであれば、歯性上下顎前突と診断すべきではないでしょうか。これを俗に口ゴボと言います。歯性上下顎前突=ほぼ抜歯です。誤診とまでは言いませんが、普通にセファロ分析をしたら抜歯すべきという判断になりそうなものです。
相談時や診断時に、口元を下げたいという訴えが少なかったか、もしくは「できれば歯を抜きたくない」とか、「マウスピース矯正をやりたい」とか言っていると、口元はあまり下がらなくとも、患者さんの希望通りに治そうということで、非抜歯インビザになったのかもしれません。
質問者様の希望ではなく、インビザラインを薦めてきたのが歯科医師側であるなら、インビザの症例数を稼ぎたかった可能性があります。質問者様が他のクリニックに相談に行けば、抜歯でのワイヤー矯正を提案する矯正歯科医師が多いと思います。
なぜインビザかというと、インビザラインは症例数が多いと、発注に割引が効くのです。プラチナドクターとか、ダイヤモンドドクターとか、調べると出てくると思いますが、症例数に比例して、安くなっていきます。
なので、インビザラインを積極的に行っている歯科医院は、割引のためになるべくインビザラインに誘導しようとします。インビザラインの会社が発注数を増やすために仕向けているわけですね。担当医はインビザを増やしたい、インビザなら非抜歯が簡単、ということで非抜歯インビザになったのかもしれません。
どのような診断を下し、どのような意図をもって非抜歯インビザにしているかは担当医しかわかりません。話をすると意図がわかるかもしれません。色々な矯正歯科医師がいますので、絶対に小臼歯を抜かない主義の先生もいます。そういう先生は、Eラインはどうでもいいと思っています。非抜歯主義の先生でなければ、抜歯矯正も当然やるでしょうし、その際にインビザのままかワイヤーに切り替えるか話し合って決めるといいと思います。
聞かないと教えてくれない先生のようなので、気になることはこちらから何でも聞いていきましょう。
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