rさんの相談
カテゴリ：抜歯について
はじめまして。
中学生の頃、上下4本抜歯し歯列矯正を行いました。
10年ほど経って後戻りし、噛み合わせの悪さと前歯の傾きと顎が人より小さい分、口元の突出感が気になり、再度歯列矯正を検討しております。
※外科的矯正はするつもりございません。
臨床指導医の先生より、親知らずを抜いて矯正した方がいいと思うと告げられました。(検査・診断はまだ未実施)
つきましては、2点ご質問です。
�／特里蕕困鯣柑�した場合、口元が下がりすぎてしまうことはあるのでしょうか。最大何ミリ下がる可能性があるか、分かる範囲でご教示いただけますと幸いです。
�⊃特里蕕困鯣柑�することで、歯茎が痩せてしまうことはありますでしょうか。
それぞれの質問経緯は下記となります。
�，砲弔い討蓮�顎が小さい分、そこにEラインを合わせるとのっぺりとした顔の印象になってしまう気がして、1mmから3mm程度下げられればと考えております。
�△砲弔い討蓮�抜歯をすると歯茎が痩せて、口元がたるむという記事を目にしたので、気になりご質問させていただきました。
お忙しい中恐れ入りますが、ご確認いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
-
- マロニエ矯正歯科クリニック
- （ 埼玉県 草加市 ）
- 2022-06-06 20:22:00
初めまして、マロニエ矯正歯科クリニックの栗田です。
ご質問にお答えいたします。
一度抜歯矯正を行い、後戻りを期に再矯正をご希望で、その際にできれば口元を下げたいということですね。
すでに小臼歯抜歯矯正を行っているので、これからは非抜歯矯正を行っていくことになります。
さらに小臼歯を追加抜歯するわけにはいきませんし、親知らず抜歯は抜歯矯正扱いにはなりません。
でこぼこを治す、前歯を後退させるためにはスペースを作る必要があります。
スペースを作る方法の中に、抜歯があり、最もスペースを獲得できます。
抜歯以外の方法が、顎を拡げる、歯の側面部を削る、歯を後方移動する、の３つです。
歯を後方移動（遠心移動と言います）するには親知らずが邪魔なので、抜歯する必要があるわけですね。
遠心移動は、治療も難しく、時間もかかる方法となります。
質問者様の前歯を下げたいという希望がなければ取り入れないと思います。
やり方は大きく分けて２つ。
・歯科矯正用アンカースクリューを使用して、後方移動する
・マウスピース矯正（特にインビザライン）を使用して、後方移動する
このどちらかになります。先生の好みでどちらかを提案されるでしょう。
遠心移動は、さほどスペースを作ることが出来ません。後方移動しても２ｍｍ程度が限界です。
また、後戻りを起こしやすく、リテーナーでも後戻りを防げません。
後方移動した分の半分くらいは戻ると言われています。
質問者様が心配せずとも、口元が下がりすぎることはありません。
むしろ、わざわざ遠心移動したものの、思ったよりも引っ込まなかったなと感じるかもしれません。
難しいし時間もかかるし、親知らずも全部抜かないといけないので、やらない先生もいるでしょう。
前歯の後退量は、作ったスペースに比例します。
（作ったスペース − でこぼこ量） ÷ ２ ＝ 前歯の後退量
となります。前歯の後退量を決める際の簡単な計算式です。
例えば、６ｍｍスペースを作り、２ｍｍのでこぼこを治した後、余った４ｍｍ÷２の２ｍｍ分前歯が後退します。
つまり、どれだけ前歯を下げたいか、から逆算してどれくらいスペースを作るべきかが決まります。
遠心移動は、片方で１〜２ｍｍくらいスペースが作れます。左右で２〜４ｍｍほど。
遠心移動だけで望むほど前歯が引っ込まないと予想されるなら、他の方法を追加します。
歯の側面部は、１歯あたり最大０．５ｍｍほどまで削って大丈夫です。
前歯６本を限界まで削れば３ｍｍ、奥歯まで削れば５ｍｍほどスペースが作れます。
ディスキング、ストリッピング、ＩＰＲ、などと言われますが、人間の歯は少しであれば削って大丈夫です。
中には神経もあり、細くし過ぎると見た目も変なので、削る量には限界があります。
削りすぎなければ歯にダメージもなく、知覚過敏などになることはないでしょう。
１度目の矯正ですでに削っていたら、あまり削ることは出来ません。
ブラックトライアングルを消失させることもできますが、やらない先生もいます。
もう一つの方法として、顎を横に拡げるという方法があります。
顎を拡げる装置を使うか、マウスピース矯正で横に歯を動かすとスペースが作れます。
すでに成人していらっしゃるので、顎が成長することはなく、拡げる量には限界があります。
だいたい２〜３ｍｍスペースが作れたら良い方でしょう。
無理に拡げてしまうと、歯が骨の外に飛び出し、奥歯の頬側歯肉が下がってしまいます。
また、拡げた幅をリテーナーで維持しないとまた顎が狭くなるため、やらない先生もいます。
抜歯出来ないとなると、上記の３種の方法を組み合わせてスペースを作ります。
なるべく前歯を下げたいなら、全部組み合わせて最大限にスペースを作るべきです。
あまり下げたくないなら、１種か２種にしてほどほどにすれば良いわけです。
矯正治療の治療計画を立案するときは、必ずセファロレントゲンを撮影し、
スペース量を計算して、前歯の後退量や口元の後退量を設定します。
臨床指導医の先生なら、ちゃんとプランニングしてくれると思うので、下がりすぎるプランにはしないとは思います。
真っ当な矯正歯科医師であれば、とりあえずスペース作って、とりあえず前歯下げた、
思ったより下がりすぎてしまったな、とはならないと思います。
治療上のいろいろなファクターから、計画通りにならないこともありますが、
狙った位置に前歯を設定できるように、検査・診断を行うのです。
まだ、検査・診断を行っていなければ、どれくらい前歯が引っ込むかはわからない、となります。
という前置きのもと、ご質問に回答いたします。
�／特里蕕困鯣柑�した場合、口元が下がりすぎてしまうことはあるのでしょうか。最大何ミリ下がる可能性があるか、分かる範囲でご教示いただけますと幸いです。
前述のとおり、計算して前歯を下げる量が決められます。
親知らず抜歯のみで、でこぼこが無いと仮定したなら、約２ｍｍほど前歯が下がるでしょうね。
思ったより下がらなかったり、下がり過ぎた時は、計算が間違っていたということです。
下がり過ぎたものを戻すことは出来ませんが、より下げたいのであれば、
あとから歯の側面部を削ってあげればもう少し前歯を後退することができます。
前歯の後退量と口唇の後退量は、必ずしも比例しないので、そこも担当医のプランニング次第ですね。
非抜歯矯正であれば、そもそもそんなに前歯が下がらないので、引っ込み過ぎを心配しないでもいいと思います。
ちなみに、小臼歯抜歯すると１本あたりで７〜８ｍｍ、左右で１５〜１６ｍｍもスペースが作れます。
抜歯矯正を行えば、大量にスペースを作れますが、色々頑張っても非抜歯では最大でも６〜９ｍｍほどです。
２回目に行うこれからの矯正は、１回目の抜歯矯正ほどの変化量ではないでしょう。
�⊃特里蕕困鯣柑�することで、歯茎が痩せてしまうことはありますでしょうか。
親知らず抜歯と歯茎が瘦せることは無関係です。ですが、矯正治療を行うと必ず歯茎は下がります。
矯正治療は骨を溶かしながら歯を動かすので、歯茎周りの歯槽骨が減ってしまいます。
それも成人してから行うと、より痩せやすく、歯の移動量ともある程度比例していきます。
つまり、質問者様が再矯正を行うと、必ず歯茎が今よりも減るということです。
なるべく減らさないように治療をすることもできますが、多少は減ってしまうものです。
矯正治療を行うリスクの中に、必ず「歯茎が下がる」というものがあり、それを承知でやりましょう。
歯茎が下がるのが嫌ならば、再矯正はしない方が良いでしょう。
不適切な治療でなければ、下がるとしても０．５ｍｍ程度です。
歯茎が下がると歯と歯の間にブラックトライアングルが生じてきますが、
これは前述のディスキングを行い、歯冠を四角形にして並べると、ブラックトライアングルを消すことが出来ます。
減った歯茎は基本的には再生せず、ディスキングがしたくなければ、ブラックトライアングルもそのままです。
口元がたるむ、というのは歯茎とまったく無関係の事象となりますが、人によってはそうなります。
これは、抜歯矯正によって前歯を後退させているから生じることです。
歯が前に出ていると、口が閉じにくくなり、口元が突っ張り、口ゴボ状態になります。
前歯を後退せると、口が閉じやすくなり、突っ張りが減った結果、口元がたるむことになります。
なので、「抜歯矯正のせいで口元がたるんだ、老け顔になった」のではなく、
「もともとたるんでた口元が出っ歯により伸びていた、それが前歯が引っ込んで元に戻った」というのが正解です。
Eラインよりも口元が出ていると幼く見えます。これも、口元が引っ込むと年相応になります。
また、矯正は数年かかるので、純粋に矯正治療期間中に老けています。
よくネットでは抜歯すると老け顔になるというのを見かけますが、
「出っ歯で童顔になっていたのが、正しい前歯の位置にしたら魔法が解けた」ということです。
プランニングのミスにより、抜かないでいい人を抜歯矯正すると、
Ｅラインよりも口元が後退し、年齢以上に見られるようになってしまうでしょう。
Ｅラインがすべてではないですが、最終的にどんな顔になるかは、矯正歯科医師のプランニング次第ということです。
以上を、ご質問の回答といたします。よろしくお願いいたします。
ご質問にお答えいたします。
一度抜歯矯正を行い、後戻りを期に再矯正をご希望で、その際にできれば口元を下げたいということですね。
すでに小臼歯抜歯矯正を行っているので、これからは非抜歯矯正を行っていくことになります。
さらに小臼歯を追加抜歯するわけにはいきませんし、親知らず抜歯は抜歯矯正扱いにはなりません。
でこぼこを治す、前歯を後退させるためにはスペースを作る必要があります。
スペースを作る方法の中に、抜歯があり、最もスペースを獲得できます。
抜歯以外の方法が、顎を拡げる、歯の側面部を削る、歯を後方移動する、の３つです。
歯を後方移動（遠心移動と言います）するには親知らずが邪魔なので、抜歯する必要があるわけですね。
遠心移動は、治療も難しく、時間もかかる方法となります。
質問者様の前歯を下げたいという希望がなければ取り入れないと思います。
やり方は大きく分けて２つ。
・歯科矯正用アンカースクリューを使用して、後方移動する
・マウスピース矯正（特にインビザライン）を使用して、後方移動する
このどちらかになります。先生の好みでどちらかを提案されるでしょう。
遠心移動は、さほどスペースを作ることが出来ません。後方移動しても２ｍｍ程度が限界です。
また、後戻りを起こしやすく、リテーナーでも後戻りを防げません。
後方移動した分の半分くらいは戻ると言われています。
質問者様が心配せずとも、口元が下がりすぎることはありません。
むしろ、わざわざ遠心移動したものの、思ったよりも引っ込まなかったなと感じるかもしれません。
難しいし時間もかかるし、親知らずも全部抜かないといけないので、やらない先生もいるでしょう。
前歯の後退量は、作ったスペースに比例します。
（作ったスペース − でこぼこ量） ÷ ２ ＝ 前歯の後退量
となります。前歯の後退量を決める際の簡単な計算式です。
例えば、６ｍｍスペースを作り、２ｍｍのでこぼこを治した後、余った４ｍｍ÷２の２ｍｍ分前歯が後退します。
つまり、どれだけ前歯を下げたいか、から逆算してどれくらいスペースを作るべきかが決まります。
遠心移動は、片方で１〜２ｍｍくらいスペースが作れます。左右で２〜４ｍｍほど。
遠心移動だけで望むほど前歯が引っ込まないと予想されるなら、他の方法を追加します。
歯の側面部は、１歯あたり最大０．５ｍｍほどまで削って大丈夫です。
前歯６本を限界まで削れば３ｍｍ、奥歯まで削れば５ｍｍほどスペースが作れます。
ディスキング、ストリッピング、ＩＰＲ、などと言われますが、人間の歯は少しであれば削って大丈夫です。
中には神経もあり、細くし過ぎると見た目も変なので、削る量には限界があります。
削りすぎなければ歯にダメージもなく、知覚過敏などになることはないでしょう。
１度目の矯正ですでに削っていたら、あまり削ることは出来ません。
ブラックトライアングルを消失させることもできますが、やらない先生もいます。
もう一つの方法として、顎を横に拡げるという方法があります。
顎を拡げる装置を使うか、マウスピース矯正で横に歯を動かすとスペースが作れます。
すでに成人していらっしゃるので、顎が成長することはなく、拡げる量には限界があります。
だいたい２〜３ｍｍスペースが作れたら良い方でしょう。
無理に拡げてしまうと、歯が骨の外に飛び出し、奥歯の頬側歯肉が下がってしまいます。
また、拡げた幅をリテーナーで維持しないとまた顎が狭くなるため、やらない先生もいます。
抜歯出来ないとなると、上記の３種の方法を組み合わせてスペースを作ります。
なるべく前歯を下げたいなら、全部組み合わせて最大限にスペースを作るべきです。
あまり下げたくないなら、１種か２種にしてほどほどにすれば良いわけです。
矯正治療の治療計画を立案するときは、必ずセファロレントゲンを撮影し、
スペース量を計算して、前歯の後退量や口元の後退量を設定します。
臨床指導医の先生なら、ちゃんとプランニングしてくれると思うので、下がりすぎるプランにはしないとは思います。
真っ当な矯正歯科医師であれば、とりあえずスペース作って、とりあえず前歯下げた、
思ったより下がりすぎてしまったな、とはならないと思います。
治療上のいろいろなファクターから、計画通りにならないこともありますが、
狙った位置に前歯を設定できるように、検査・診断を行うのです。
まだ、検査・診断を行っていなければ、どれくらい前歯が引っ込むかはわからない、となります。
という前置きのもと、ご質問に回答いたします。
�／特里蕕困鯣柑�した場合、口元が下がりすぎてしまうことはあるのでしょうか。最大何ミリ下がる可能性があるか、分かる範囲でご教示いただけますと幸いです。
前述のとおり、計算して前歯を下げる量が決められます。
親知らず抜歯のみで、でこぼこが無いと仮定したなら、約２ｍｍほど前歯が下がるでしょうね。
思ったより下がらなかったり、下がり過ぎた時は、計算が間違っていたということです。
下がり過ぎたものを戻すことは出来ませんが、より下げたいのであれば、
あとから歯の側面部を削ってあげればもう少し前歯を後退することができます。
前歯の後退量と口唇の後退量は、必ずしも比例しないので、そこも担当医のプランニング次第ですね。
非抜歯矯正であれば、そもそもそんなに前歯が下がらないので、引っ込み過ぎを心配しないでもいいと思います。
ちなみに、小臼歯抜歯すると１本あたりで７〜８ｍｍ、左右で１５〜１６ｍｍもスペースが作れます。
抜歯矯正を行えば、大量にスペースを作れますが、色々頑張っても非抜歯では最大でも６〜９ｍｍほどです。
２回目に行うこれからの矯正は、１回目の抜歯矯正ほどの変化量ではないでしょう。
�⊃特里蕕困鯣柑�することで、歯茎が痩せてしまうことはありますでしょうか。
親知らず抜歯と歯茎が瘦せることは無関係です。ですが、矯正治療を行うと必ず歯茎は下がります。
矯正治療は骨を溶かしながら歯を動かすので、歯茎周りの歯槽骨が減ってしまいます。
それも成人してから行うと、より痩せやすく、歯の移動量ともある程度比例していきます。
つまり、質問者様が再矯正を行うと、必ず歯茎が今よりも減るということです。
なるべく減らさないように治療をすることもできますが、多少は減ってしまうものです。
矯正治療を行うリスクの中に、必ず「歯茎が下がる」というものがあり、それを承知でやりましょう。
歯茎が下がるのが嫌ならば、再矯正はしない方が良いでしょう。
不適切な治療でなければ、下がるとしても０．５ｍｍ程度です。
歯茎が下がると歯と歯の間にブラックトライアングルが生じてきますが、
これは前述のディスキングを行い、歯冠を四角形にして並べると、ブラックトライアングルを消すことが出来ます。
減った歯茎は基本的には再生せず、ディスキングがしたくなければ、ブラックトライアングルもそのままです。
口元がたるむ、というのは歯茎とまったく無関係の事象となりますが、人によってはそうなります。
これは、抜歯矯正によって前歯を後退させているから生じることです。
歯が前に出ていると、口が閉じにくくなり、口元が突っ張り、口ゴボ状態になります。
前歯を後退せると、口が閉じやすくなり、突っ張りが減った結果、口元がたるむことになります。
なので、「抜歯矯正のせいで口元がたるんだ、老け顔になった」のではなく、
「もともとたるんでた口元が出っ歯により伸びていた、それが前歯が引っ込んで元に戻った」というのが正解です。
Eラインよりも口元が出ていると幼く見えます。これも、口元が引っ込むと年相応になります。
また、矯正は数年かかるので、純粋に矯正治療期間中に老けています。
よくネットでは抜歯すると老け顔になるというのを見かけますが、
「出っ歯で童顔になっていたのが、正しい前歯の位置にしたら魔法が解けた」ということです。
プランニングのミスにより、抜かないでいい人を抜歯矯正すると、
Ｅラインよりも口元が後退し、年齢以上に見られるようになってしまうでしょう。
Ｅラインがすべてではないですが、最終的にどんな顔になるかは、矯正歯科医師のプランニング次第ということです。
以上を、ご質問の回答といたします。よろしくお願いいたします。
