いそっぺさんの相談

カテゴリ:その他

保険適用での外科矯正期間中の転院について

ご相談失礼致します。
現在保険適用で外科矯正治療中で、リテーナー期間です。
東北地方の病院に通っているのですが、外科手術が終わったタイミングで会社都合により、東北から西日本へ転勤になりました。
保険適応で転院が難しいから、と主治医に言われ、転院に対して非常に難色を示されたため、現在も月一で東北地方の病院に通っているのですが、本当に転院ができないものなのでしょうか?

気になることがある時に次の通院まで相談できないことが不安です。
8月に口腔外科で外科矯正のプレート抜去予定のため、その後可能であれば現在の居住地周辺へ転院したいです。
質問をまとめると、
①保険適応での外科矯正治療中に、保険適応のまま別矯正歯科へ転院はできるのか?
②出来るのであればその際に必要な手続きは何か?
また、転院するタイミングはプレート抜去後で問題ないか?
③出来るのであれば担当矯正歯科医が転院させる事を渋るほど手続きが煩雑なのか
④転院する前に現在の居住地で転院先を見つける際に注意すべきポイントや伝えるべきことは何か
以上4点です。
お忙しいところ大変恐縮ではございますが、ご教授頂けますと幸いです。

初めまして、マロニエ矯正クリニックの栗田です。
ご質問にお答えいたします。

現在、術後矯正中ということですね。
プレート除去が今年の8月ごろということは手術後半年程度ということでしょうか。
結論から言いますと、転院は可能ですし、むしろ自費よりも簡単です。
質問者様に言えない、転院を渋る理由があるのだと思います。
往復の交通費もかなり負担が重いと存じます。転院した方がいいと思います。


保険治療というのは、国に保険点数が決められております。
やった処置に関して、合計何点だから、支払いはいくらです、と決まります。
国が決めているものなので、歯科医院によって金額は一緒です。

外科的矯正治療についても、細かく点数が設定されております。
各治療段階で、やった処置について今までも支払っていったと思います。
矯正治療はまだまだ続いていきますが、もし転院した場合、
転院先の歯科医院で残りの治療の点数分、転院先で払えばいいだけの話です。

自費治療の場合は、医院によって矯正料金の設定が異なりますし、だいたい先払いです。
返金するかしないか、いくら返金するのか、というのが転院前の医院の判断にゆだねられますし、
転院先の歯科医院が、いくら矯正料金を請求するのか、全額なのか、値引きするのかもややこしいです。
転院前の医院はあまり返金したくないでしょうし、転院先の医院も損したくはないわけです。

矯正治療は長期間に及ぶもので、治療期間内に転院になることはよくあります。
転院においてもっともハードルとなるのは、お金の問題になります。
多くの場合、2医院に対してお金を払っていくことになりますが、
1医院で継続していた時よりも金額が多くなるケースが多いです。
保険治療に関しては、治療の進行度合いで、キッチリ金額が決まっているので、すごくシンプルです。
なので、保険診療だから転院しにくい、というのは考えにくいです。



では、なぜ転院を渋っているのか。ありえるパターンを考察してみましょう。
あくまで可能性の話なので、実際は通院中の歯科医院さんと話し合うべきと思います。

・保険点数の取り方が間違っている

これが一番あり得ます。保険診療は処置によって点数が決まっており、厳密です。
本来取るべきでない点数まで取っていたとしたら、それはアウトです。
転院されるとそれがバレてしまうので、嫌がっているパターンです。
保険の矯正は、治療は大変ですが点数は高くなく、売り上げとしてコスパは良くありません。
なので、ズルして儲けるために余分に加算しようとする歯科医師もいるかもしれません。

あってはならないことですが、過去に大学病院勤めのころには散見されました。
他院から自院へ転院してくる患者さんの点数の取り方が間違っていると、こちらが点を取れなくなります。
わざとでなく、ミスとして間違っている場合も、ただ単に雑な取り方な可能性もあります。
本来できるはずの転院をさせない、というのは後ろ暗いことがあるからかもしれません。

・治療がうまくいっていない

矯正治療、または手術がうまくいっておらず、それを隠したいパターンです。
見栄の問題として、失敗症例を見られたくない気持ちというのはどの歯科医師も持っています。
転院先の先生に、治療がうまくいっていないと言われたら患者さんから翻ってクレームが入るかしれません。
なるべく自分が診ているうちに改善したい、おしまいにしてしまいたいと思っているのかもしれません。

・自分の症例にしたい

反対に、良く治っているからこそ、自分の実績にしたいと思っているのかもしれません。
保険の矯正をやっているということは、矯正専門の歯科医院であり、認定医なども持っているかもしれません。
資格の更新などのために良く治った症例が必要になったりもするので、手放しくないのかもしれません。

・転院先の歯科医院の売り上げにならないから申し訳ない

まっとうに治療を進めてきていて、正しく点数を算定してきたとしていたならば、
術後矯正を半年もしている場合、点数をほとんど取り切っているかもしれません。
これは制度上の問題ですが、今の質問者様の状態で転院すると、転院先はほとんど利益が出ません。
赤字になるかギリギリのレベルでしか点数を算定できないので、もしかしたら転院先も難色を示すかもしれません。
金銭面で受け入れ先が見つかりにくい、という点でもしかしたら転院が難しいと言っているのかもしれません。
しかし、それはあくまで転院先の判断で、大学病院などはちゃんと受け入れてくれるはずです。

・単純に、自分で治したい

矯正歯科医師はこだわりを強くもっている先生も多く、他人に治療させたくないと思っている先生もいます。
治療も終盤になっているので、どうせなら最後まで自分で治したいと思っているのかもしれません。
それに付き合わされることになる患者さんは大変ですから、自由に転院していいと思います。
また、術後矯正は実はとても難しく、どのような術前矯正を行い、どのような手術をしたかでやり方が変わります。
この時期に転院すると、転院先の歯科医師はどのようにすべきかわからないので、
最後まで同じ担当医が治療するのがベストではあります。

・手続きがめんどくさい

転院の手続きは、資料を作製するのが一般的です。単にそれが面倒なのかもしれません。
おひとりの資料を作製する際、丁寧に事細かくやると1時間はかかるでしょう。
保険か自費かに関わらず、転院は準備に時間がかかるので、矯正歯科医師としては望ましくは思わないでしょう。


考えうるのは、上記のパターンです。どのような理由にせよ、転院できないなんてことはありません。
通院のしやすさ、というのは安心して矯正治療に通っていただくうえでとても重要ですので、
積極的に転院する意向をお伝えした方が良いと思います。



前置きが長くなりましたが、質問にお答えします。

①保険適応での外科矯正治療中に、保険適応のまま別矯正歯科へ転院はできるのか?

できます。

②出来るのであればその際に必要な手続きは何か?
また、転院するタイミングはプレート抜去後で問題ないか?

保険点数をどこまで算定しているかが重要です。または検査の資料です。
転院はよくあることで、慣れているはずなので、元の矯正歯科医院に作成してもらいましょう。
先に転居先で矯正歯科をみつけ、そこの歯科医師に何が欲しいかを聞くのが確実です。
プレート除去前でも除去後でも問題はありません。

③出来るのであれば担当矯正歯科医が転院させる事を渋るほど手続きが煩雑なのか

それほど面倒ではありません。時間はかかりますが、どの矯正歯科でもやっています。

④転院する前に現在の居住地で転院先を見つける際に注意すべきポイントや伝えるべきことは何か

まず、申請を出している矯正専門歯科医院と大学病院しか保険の矯正をやっていません。
まずは、保険矯正をやっているかどうかを確認してから訪れると良いでしょう。
使用しているワイヤーやシステムが医院によって異なるので、注意しましょう。
旧医院で使用していたものが、新医院で使えない可能性があります。
大学病院などは、実力も安定していて、転院も断らず、どんな装置もそろっているので確実です。


通院に1時間、長くても2時間程度であれば、転院せずに通い続けましょう、となります。
それが新幹線の距離となるとなかなかそうもいかないと思います。




と、ここまで入力して気づきましたが、もうリテーナーになっているのですね。
まだワイヤー矯正治療中のものとして回答してしまいました。

であれば、月に一回通院する必要はありません。
数か月に一回の通院ですし、通院感覚も長くなっていきますので負担は軽くなるとと思います。
もとの歯科医院に年一回くらい通い続ける程度なら苦でないかもしれませんし、
負担であるならば転院しても何の問題もないと思います。

リテーナーの調整だけならばどの矯正歯科でも大して差は出てこないと思います。
転院先もほとんど再診料くらいしかとれませんが、コストもかからないので受け入れてくれるでしょう。
そもそも、自費のみの矯正歯科であっても、数千円の再診料だけで保定を見てくれるところはいっぱいあります。
保定になっているのであれば、ご自身で気に入った歯科医院を選べばいいと思います。

長々と見当違いな返信をしてしまったかもしれません。
以上を質問への回答とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
  • いそっぺ(24歳 男性 )
  • 2022年03月23日22時40分
栗田先生

詳細にご回答、アドバイスを頂き誠にありがとうございます。
昨年8月にオペをし、2月にブラケットオフし現在リテーナー1ヶ月です。
保険点数の計算を間違えたから、と後で返金されたことが3回ほどあるため、計算がルーズだなとは思っていたので点数をいじっていることもあり得るなと思ってしまいました。

また、基本初診以外はカウンセリングがなく、気になるところがあってもそれは大丈夫だからとか別に気にならないから、と言われてめんどくさそうに流されたりするのでそこに対する不信感もあります。
術後矯正についても、細かい調整を仕切る前に、通院大変だからここはもう妥協してリテーナーにします、と言われて外したのですが、外してから上の左の前歯が少し外旋していて噛むと下の歯に当たる状態であることに気づきました。
先日電話でそこが気になるので見て欲しい旨を伝えたのですが、リテーナーつけてれば大丈夫、そんな事は起こり得ない、リテーナー外してたんでしょ?
と言われ、かなり不信感が募ったため転院をしたいと思っていたので、ご意見を頂けて大変気持ちを後押し頂けました。

よろしければ追加でご質問をさせていただきたいのですが、転院となった場合に、歯の状態が悪ければ保険適応のまま転院先の病院で術後矯正をし直すことは可能なのでしょうか?

また、プレート抜去については元々オペをしていただいた東北の医療センターで受けたいと考えているのですが、オペ前に転院をし、オペは東北地方、矯正は現居住地というのは可能なのでしょうか?

また、大学病院は診療が平日のみで、仕事があるため通院が難しそうなため、個人医院にしたいと考えているのですが、やはり大学病院にしておいた方がいいものでしょうか?
前歯が当たる点と正中がずれている点以外は今の歯並びにおおむね満足しています。

質問ばかりで大変恐縮ではございますが、よろしくお願い致します。
回答いたします。

術後半年でブラケット除去は早すぎると思います。
手術後は切断した骨片同士が完全にくっついていないため、結構顎骨が動きます。
手術後3か月はかなり不安定ですし、6か月でもまだ動きます。
1年くらい経過すると骨と骨がほぼ完全にくっついて安定します。
ゆえに、固定するプレートを除去して大丈夫となります。
つまり、術後矯正は1年程度やらないと、顎の位置、そして咬み合わせがずれてしまうのです。

手術後7か月の今も、まだ顎がずれやすい状況です。まだ咬み合わせが変化するかもしれません。
術前矯正がすごくうまくいって、さらに手術もほぼ完璧に決まったならば、
術後矯正も半年くらいで終わらせられることもありますが、かなり稀な例です。
手術なしの自費矯正でも、良好な咬み合わせになり、それが安定するのを確認し、
ようやく矯正器具を除去して大丈夫だろう、という判断になります。
いろいろな事情によって、完全な仕上がりでなくでも矯正治療を終了することもあります。
ただ、それは患者さんからの要望があった際に妥協的に行われるものです。


今回の場合、質問者様が術後矯正期間中に転院を打診しても許可をせず、
質問者様が希望していないのに不完全な状態で矯正治療を終了させ、
通院のしにくさを理由に終了としたのに保定のための通院を要求する、
というまったく意味の分からない展開になっています。
担当矯正歯科医師が何をしたいのかもわかりませんが、
質問者様のことを大切に思っていないのは間違いないでしょう。
早々に転院すべきかもしれません。

術後半年程度で終了させたのは、取れる点数を取り切ったからだと思います。
もう質問者様から取れる点数はほとんど残っておらず、早々に切ったのかもしれません。
そして、現在の状況から再矯正を行うのは、困難だと思われます。
不可能ではありませんが、ボランティアみたいな善良歯科医院以外は断ると思います。
保険診療はルールがあり、そのルール上、再治療を行う際にはほとんど点数が発生しないのです。
検査料も、ブラケット装着料も、リテーナー代も、点数の算定がすでに出来ないからです。
大学を離れてから保険矯正をやっていないので細かいことはうろ覚えですが、
やっても材料費を考えると赤字にしかならないような点数にしかならなかった気がします。

一度、保険矯正をやっている歯科医院に尋ねてみるといいと思いますが、
点数が取れないので、自費での再矯正を勧められるかもしれません。
その際の費用については、歯科医院によって異なりますが、それなりにかかってしまうと思います。
ある程度安くやってくれるところもあれば、値引きなくやるところが多いでしょう。
正中がずれている、ということは、全体的にすれているということであり、全体矯正になると思われます。


前歯が当たるということですが、矯正治療が終了した瞬間から咬み合わせが変に当たっていたのではないでしょうか。
これはちゃんと咬み合わせが全体的にバランスよく咬みあわないままに外してしまった証拠です。
そして、当たっている場所には力がかかり、歯並びを崩す原因となります。
歯並びが崩れてきてしまったのは、ちゃんと咬んでいないからです。
リテーナーも万能ではありません。リテーナーを使っていれば崩れないはず、というのは虚言です。
そもそもリテーナーの選択も間違っているかもしれませんし、リテーナーの出来が悪い可能性もあります。

正しい咬み合わせで終了し、患者さんが適切に使用しても崩れてきたりするわけですから、
ちゃんと咬みあっていないのに終了したら崩れやすいのは明らかです。
遠方にあり管理下にない状態で、ちゃんと治ってないのに終了させるというのは、矯正歯科医師として無責任と言えます。
ちゃんと最後まで治すつもりが無いなら、術後矯正中に転院させるべきです。
もう矯正を終了してしまったので、今からどうこう出来るものではありませんが、良くない対応だったと思います。


大学病院が良い、というのは一定以上のモラルがあるからです。
医療機関であり、研究機関であり、教育機関である大学病院は、医療に対して厳密です。
日本の医療を支えるうえでの矜持ともいえますし、国から見張られているからでもあります。
若い先生も多かったり、待たされたり、通いにくさもあるかもしれませんが、ちゃんとしています。

外の世界の開業医の中で、となるとかなり当たりはずれがあります。
すごくいい歯科医院もあれば、最悪最低な歯科医院もあります。
保険矯正をやっている矯正歯科医院となると、数も限られてきますから、
近場で選べる選択肢がかなり限定されますし、はずれを引く可能性が高くなります。
余裕があるのであれば、複数の矯正歯科医院を回ってから転院先を見つけると良いと思いますが、
回ったところ全部はずれの可能性もあります。

特に、現状はほとんど利益にならない状態の患者さんを快く受け入れ、
良質な医療を提供してくれる歯科医院となると、地域に無いかもしれません。
大学病院のようなところは、最終処理場のような場所であり、断られるようなことはありません。
何とか都合をつけて大学病院にかかった方が、後悔のない選択を出来るかもしれません。
もちろん、大学病院でもちゃんとしていないところもありますし、担当医の当たりはずれもあります。



追加質問にお答えいたします。

①転院となった場合に、歯の状態が悪ければ保険適応のまま転院先の病院で術後矯正をし直すことは可能なのでしょうか?

出来なくはないですが、点数が取れないので断られる可能性が高いです。
保険診療はルールや金額がガチガチなので、サービスでやってあげる、が出来ません。
やってくれるところを探すか、自費でやるかになります。

②プレート抜去については元々オペをしていただいた東北の医療センターで受けたいと考えているのですが、オペ前に転院をし、オペは東北地方、矯正は現居住地というのは可能なのでしょうか?

可能です。どこで手術をやるか、どこで矯正をやるかは自由です。

③大学病院は診療が平日のみで、仕事があるため通院が難しそうなため、個人医院にしたいと考えているのですが、やはり大学病院にしておいた方がいいものでしょうか?

東北に通院するよりは大学病院の方が通院しやすいと思います。
個人医院でも良いと思いますが、医院選びは慎重に行いましょう。
義賊のような正義感あふれる先生もどこかにいるはずです。
最も大事なのは、ちゃんとした歯科医院、歯科医師を見つけ出すことです。

現状、しっかり治っていないので、再治療を行うのも良いとは思いますが、
保険矯正で、となると少し難しくなってくるかもしれません。
今のままで、となった場合は、歯を多少削ったり、リテーナーを調整するだけでも多少改善されるかもしれません。

ご回答とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

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