けいたろうさんの相談

カテゴリ:抜歯について

抜歯と非抜歯の判断

過蓋咬合(II級2類)で治療を検討しています。

日本矯正歯科学会認定医・専門医のいる病院5ヶ所にカウンセリング
に行きました。

認定医のいる病院2ヶ所では、上4番を抜歯しないと治すのは
不可能と言われました。
一方で専門医のいる病院3ヶ所では抜歯をせずに治せるという
お話でした。(現状のかみ合わせを考えるとむしろ抜歯しないほうが良いそうです)

真逆の治療方針で困惑しています。
この治療方針の差は技術力に差なのでしょうか。
もしくは、一つのかみ合わせに対して真逆の治療方針が提示される
理由が何かあるのでしょうか。
ちなみに非抜歯専門のような矯正歯科には行っておりません。

今後の治療の参考にしたいので
もし、お分かりでしたら教えてください。

読ませていただきました。

この2種類の診断は真逆ではありません。よく行う方法です。

過蓋咬合の治療は深い噛み合わせをどう判断するかです。骨格性の原因があったとしても成人の患者様では骨格は治療の対象になりません。そこで歯の移動で治療します。

成人の患者様の過蓋咬合は上顎前歯の後方傾斜、下顎の前歯の挺出(伸びあがっているような状態)で起きる事があります。これによって過蓋咬合は起きている事があります。

そこで過蓋咬合の解消には上下前歯の前方傾斜、下顎前歯の圧下(下にさげる)で治療します。そこで重要なのは上下の臼歯の噛み合わせです。臼歯のかみ合わせが出っ歯と同じような噛み合わせの場合は、上顎前歯の前方傾斜によって今度はいわゆる出っ歯になる事が考えられます。この時点で出っ歯にならないと考えた先生が非抜歯です。この時点で出っ歯になるのでかみ合わせの深いのを解消した後、もし出っ歯になるようだったらそれを解消するために上顎第一小臼歯を抜歯して上顎前歯の前方傾斜を解消するという事です。

私たちからすると2つの方法ともよくおこなう方法です。治療が成功する事を祈っています。
過蓋咬合とは、かみ合わせが深い咬合で、咬む力が強い人が大半です。咬む力が強い人の歯を抜くと支える歯が減るのですから当然ながら噛み合わせの深いのは治りにくいです。ですから、歯を抜かないのがセオリーです。ですが、咬む力が弱い人でもそれに似た歯並びの方もおられるため判断が分かれます。普段から口が楽に閉じている人は抜かない方が良く、口が開いている方は抜いても構わないです。どちらにせよ最近はアンカースクリューを行えば抜かない治療が可能です。

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