アンカースクリュー矯正で外科手術なしで治療した例 (叢生+開咬+下顎前突)
うまく噛めない歯並び…。短期間で受け口と歯のデコボコを治療したい!
患者様:成人女性(20代)
主訴:受け口・ガタガタ・八重歯・前歯で噛み切れない(下顎前突、叢生、開咬)
治療の希望:通院回数を少なくしたい。負担がかかる外科手術はしたくない。
治療方法:アンカースクリュー矯正、裏側(舌側)矯正(リンガルブラケット)
調整回数:12回
治療期間:1年7ヵ月
就職したばかりの大変忙しいなかで矯正治療をされた患者様の例です。
接客のお仕事とになったので、矯正治療を始めることにしたそうです。
上あごは重度の叢生(ガタガタ)、下あご全体は大きく前に突き出た下顎前突(受け口)の歯並びです。また、お顔の中心(顔面正中)に対して、歯列の中心(正中)が右にずれていて、奥歯の一部でしか噛むことができない状態でした。
通常であれば、下あごを外科手術で切って、かつ歯列矯正を行う「外科矯正」が適用されるケースです。しかし、患者様の強いご希望により外科手術は行わず、アンカースクリュー矯正での治療を検討することにしました。
精密検査・総合診断
治療計画をたてるために、レントゲン、歯型、口腔内写真などの精密検査を行います。
検査後、お口の状態、写真、治療方針が書かれた診断書を作成して、治療方法をご説明します。患者様が治療計画に納得したら、ご契約いただき、治療スタートとなります。
CDS分析による重ね合わせ
当院の精密検査は、平均顔面頭蓋図形(以下、CDS)を利用したCDS分析を行っています。
CDS分析とは、歯並びの良い人(成人正常咬合者)のデータから作成した平均的な骨格を図形化したデータを、治療前の患者様のデータと比較・分析して、治療計画の立案、検証に使います。
←患者様のCDS分析
赤いラインが、東北大学で算出した歯並びの良い人の平均値を表したものです。
黒いラインが、患者様のラインです。
CDS分析によると、患者様は「上あごは平均値より小さく、位置は標準的」、「下あごは平均値より大きく、位置はやや前方」ということがわかります。
治療後のイメージをわかりやすく伝えられる「3次元シミュレーション」
患者様の歯型を、コンピュータで3D画像として書き出し、矯正治療による歯の動きを再現したものを「3次元シミュレーション」といいます。
3次元シミュレーションであれば、治療中、治療後の患者様のお口の状態を予測して、縦、横、斜め、裏側(舌側)など、360度さまざまな方向から立体画像で再現することができます。
当院では、このシミュレーションを使って、患者様にわかりやすい治療計画書を作成しています。
平面的な写真や、言葉だけの説明では、自分の歯並びが改善していく過程が、想像しにくいかと思います。この映像を見ることで、キレイに治っていく様子が事前にわかるので、ご契約前・治療前の不安が解消し、患者様の矯正治療への期待も膨らみます。
オリジナルアンカースクリュー装置と裏側(舌側)矯正装置で治療開始
上あごには、装置が見えない「裏側(舌側)矯正装置」を装着し、もともと装置が目立ちにくい下あごには、表側矯正の装置を装着して治療しました。当初の「あごの骨を切る外科矯正は行いたくない」という患者様の希望を尊重し、かつ、しっかりと歯並び・かみ合わせを改善することができるように、アンカースクリュー矯正を行いました。
アンカースクリュー矯正とは
「アンカースクリュー矯正」は、あごの骨に小さなネジ(ミニスクリュー)やミニプレートを一時的に埋め入れ、
それを力の支点(固定源)にして矯正装置で歯を動かしやすくする方法です。
通常の矯正治療と併用することで、より効率的に歯を動かすことができます。
今回のケースは、当院オリジナルのアンカースクリュー装置を使用しました。
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※治療効果は、患者様によって個人差があります。
希望どおり、手術をしないでキレイな歯並び・機能的なかみ合わせに!
治療計画どおりに、矯正装置とアンカースクリュー矯正のみで治療が完了しました。治療開始から18ヵ月後には矯正装置を外すことができ、大変喜んでいただけました。
お仕事を始められたばかりでとてもお忙しく、1ヵ月に一度の来院が難しい時期もありましたが、治療期間は約1年半、調整の回数は12回という少なさで、患者様のご希望に応えることができました。
今後は、歯の後戻りを防ぐ「リテーナー」を装着していただき、定期検診で経過を見守ります。
改善のポイント
- ・激しい凸凹と八重歯があった上あご、下あごの歯列がキレイになりました。
- ・お顔の中心とずれていた、上下の歯列の中心(正中)がそろいました。
- ・突き出ていた下あごが改善し、上下のかみ合わせが正常になりました。
- ・奥歯は噛めても前歯に空間ができる開咬が改善しました。
※治療効果は、患者様によって個人差があります。
アンカースクリュー矯正の治療例紹介
CASE2
症状:受け口(下顎前突)、歯のでこぼこ
下あごが著しく出ていて、一般的にはあごの骨を切る外科手術を伴う「外科矯正」で治療する症例です。患者様のご希望で、外科手術をしないで、アンカースクリュー矯正と裏側(舌側)矯正で治療しました。アンカースクリュー矯正の中でも、難易度が高い症例です。
※治療効果は、患者様によって個人差があります。
CASE3
症状:出っ歯(上顎前突)、歯のでこぼこ、
前歯が歯列より後ろに大きく外れて生えて、ガタガタの歯並びになっている叢生と、著しい上顎前突(出っ歯)の症例です。奥歯のかみ合わせも悪いです。
あごの幅が狭いため、歯が生えるときに、歯が並ぶスペースが足りなかったことが原因の一つです。アンカースクリュー矯正と裏側(舌側)矯正で、歯列を全体的に動かして、美しい見た目と健康的な噛み合わせに改善しました。
※治療効果は、患者様によって個人差があります。
症例で使用した裏側(舌側)矯正「インダイレクト法」
大人になってから歯列矯正をする人が増えるにしたがって、「人に気づかれない・見えない治療」を希望する方が増えています。
当院は、矯正装置を歯の裏側(舌側)に接着する裏側(舌側)矯正の専門医院です。
患者様の不快感を極力軽減した治療ができるように、ブラケットを小型化し、また、アンカースクリュー矯正で使いやすい裏側(舌側)矯正装置「インダイレクト法」を開発しました。
インダイレクト法は、患者様の歯型模型上で、あらかじめ装置を作製・セッティングする方法で、実際に患者様のお口に装置を着けるときには、短時間で装着完了できることが特徴です。これにより、通院回数・通院時間の負担が大きく軽減できました。
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