歯周病と関連する怖い病気とは?

2021年11月11日 掲載
2021年11月11日 更新

歯周病と関連する怖い病気とは?

歯周病とアルツハイマー病の関連性を示す研究結果が発表されました。

ニューヨーク大学歯学部とワイルコーネル大学医学部の共同研究によると、歯周病傾向にある高齢者はそうでない場合に比べ、アルツハイマー病になりやすい可能性が高いことがわかりました。

ニューヨーク大学歯学部の歯周病学・インプラント歯科学准教授で、本研究の筆頭著者であるAngela Kamer博士によると、歯周病の炎症を引き起こす細菌とアルツハイマー病のバイオマーカー(病状の変化や治療の効果の指標となる体内物質)との間に関連性があることを示した初めての研究だといいます。

アルツハイマー病のバイオマーカーとされる物質は、アミロイドβとタウの二種類があります。今回の実験では歯周病とアミロイドβとの関係性が示されました。

研究チームは、65歳以上の認知機能が正常な健康な成人48名を対象に調査を行いました。実験では参加者の歯茎の下の細菌と、腰髄から髄液を採取してアミロイドβとタウの濃度を測定しました。

その結果、歯茎の下の有害な細菌よりも、健康な細菌の比率が高く歯周病傾向が低い人ほど脳脊髄液(CSF)内における、アミロイドレベルの低下がみられる可能性が高いことがわかりました。

研究者によると、健康な細胞が多いと細菌のバランスが保たれるため、炎症が抑えられアルツハイマー病の予防になるのではないかと考察されています。

今後は、歯茎の下に付着した歯垢や歯石を除去する「ディープクリーニング」によって歯周病を改善することで、アルツハイマー病を予防できるかどうかを検証する研究と臨床試験を行うことを計画しているとのことです。

参照記事