1.アンカースクリュー矯正の基礎知識
アンカースクリュー矯正の特徴
アンカースクリュー矯正の仕組みやメリット・留意点、患者様の気になる疑問についてご紹介します。
アンカースクリュー矯正とは?
小さなインプラントで歯を効率的に移動
アンカースクリュー矯正は、顎の骨に埋め入れた、小さなネジ(ミニスクリュー型)やプレート型のインプラントを使って、歯を効率的に動かす方法です。
矯正用インプラントは、抜けた歯の代わりとして埋め入れる「歯科用インプラント」とは違い、矯正期間中、一時的に顎の骨に植立して、歯の移動を助ける役割をします。矯正治療後は外しますが、跡が残るということはありません。
歯を効率的に動かすアンカースクリュー矯正の仕組み
ブラケットとワイヤーによる従来の矯正装置のみで治療する場合、装置をつけた歯と歯がお互いに引っ張り合いながら歯を動かすので、動かしたくない歯も動いてしまうことがあります。
アンカースクリュー矯正は、顎の骨に植えたインプラントを、歯を動かす支え(支点)にして治療します。このため、歯の移動がコントロールしやすくなって、治療期間が短縮できたり、抜歯をしないで治療できるケースが広がりました。
アンカースクリュー矯正のメリットと留意点
メリット
- 治療期間が早まるケースが多い
- 従来法よりも、歯を抜かずに治療できる
- 歯を効率的に動かすために使用していたヘッドギア(イラスト参照)を使わないで治療できる
留意点
- 矯正用インプラントを植立するための簡単な手術が必要
(例えるならピアスの穴を開けるようなものだと思ってください。) - 小さなインプラントを使用するので、治療中に外れることがある
- 手術後、不衛生にすると感染症*になる場合がある
当院では、従来のデメリット・留意点を改善するために開発したインプラント装置を使用しています。
→オリジナルアンカースクリュー矯正について
※腫れたり、膿みが出る場合がありますが、歯磨きをしっかり行い、お口の中を清潔に保てば、改善できる軽度のものです。
アンカースクリュー矯正の気になる疑問
アンカースクリュー矯正の痛み・手術時間は?
麻酔をするので、痛みはほとんど感じません。手術時間は、ネジ型インプラントの場合、1本あたり1分~5分程度で、術後の腫れや痛みはほとんどありません。
※医療機関や患者様の症例によって個人差があります。
※腫れや膿がでる場合があります。担当医に確認して適切な対応を行えば問題ありません。
どの矯正歯科医院でも対応してる?
アンカースクリュー矯正は、1990年代から広がりはじめた、新しい治療法です。医院によっては、アンカースクリュー矯正についての方針が異なる場合があります。治療計画が違えば、抜歯の選択や治療結果、治療期間も変わります。アンカースクリュー矯正を行っている矯正歯科のなかで、いくつかの医院のカウンセリングを受けて、ご自身が納得された方法で治療しましょう。