第34回 日本顎咬合学会学術大会・総会
▲ 国際フォーラム会場入り口 | ▲ 東京国際フォーラム外観 |
2016年6月11日(土)・12日(日)の2日間、東京国際フォーラムにて、第34回日本顎咬合学会学術大会・総会が開催されました。全国の歯科医師・歯科従事者が一同に集まりました。
▲ 内観 | ▲ 内観 |
▲ 学会案内 |
今学会のメインテーマは、『新・顎咬合学が創る“健口”長寿』です。生涯にわたり噛んで食べる事は“健口”長寿の基本であり、それを国民に紹介し理解し実践していただく運動を展開したいという思いが込められています。
下記に、本学会で特に注目を集めたプログラムの一部をご紹介致します。
■ 注目を集めたプログラム
バイオ再生医療の高鳴る鼓動 〜斯界を救う無限のポテンシャル〜
座長:上原正先生
講演者:中原 貴 先生
iPS細胞と歯の幹細胞
現在の歯科医療は、虫歯ができたら歯を削りインレーなどを詰めて治すことから「材料学」であると述べられ、「再生医療」は細胞を用いる新たな医療であり、特定の遺伝子を皮膚の細胞に働かせると生まれるiPS細胞について講演されました。
iPS細胞は、自然界に存在しない細胞であり、研究者や化学者によって人工的に作られた細胞で、無限に増殖し移植や創薬ができることを述べられました。
また、iPS細胞だけでは個体を作ることができないこと、6〜7割の高頻度で腫瘍を作る可能性があり、腫瘍は良性であるため取り除けるが、悪性化ガン化するのも否定できないとお話されました。
また、今後のiPS細胞の普及については、日本人の国民性が遺伝子組換え食品などのような手が込まれたものを好まない傾向があるため難しいと仰られました。
また、それに対して歯の細胞は今迄ガンを作ったことのない安全な細胞であり、骨髄の細胞よりも治療用細胞を大量に得ることができること、ガン化の恐れがない歯の細胞への期待について強調されました。また、歯科医院向けに、歯髄細胞バンクを普及させるための、歯科医院でのアプローチ方法などについてもお話されました。
▲ 会場 |
■ ランチョンセミナー
座 長 : 鵜飼 誠/講演者:夏堀 礼二 先生
デジタルとアナログ印象採得とセンター方式での模型、補綴物作製の流れについて講演されました。
口腔内光学印象の優位性については、患者様の不快な負担(嘔吐反射)を軽減し、熟練度に左右された印象時間の短縮、確認と即時データの送信、石膏模型作製の必要性が無くなるということを述べられました。また、銀歯を白くする症例、インプラント治療の症例にオーラルスキャナーを使用する流れや手順についても説明されました。
また、今後は光学スキャナーの普及に伴い咬合器の必要性が無くなる可能性があることを述べられました。
▲ ランチョンセミナー |
【ポスター発表】
ポスター発表では、近年のデンタルIQの上昇に伴い、矯正治療患者の審美歯科治療への関心が高まってきたという内容が印象的でした。矯正治療中のプラークコントロールの徹底から、矯正治療後のホワイトニングのタイミングについての研究が掲載されており、歯並びを改善した後に歯の色を白くする患者様の症例が興味深い内容でした。
▲ ポスター展示 |
【テーブルクリニック】
テーブルクリニックでは、2日間で70分間の講演が6セッション、8テーブルで行われました。
各テーブルでは、多様な症例と治療報告が拝見でき、聴講者が後方まであふれておりました。
▲ テーブルクリニック |
【展示ホール】
展示ホールでは、多くの企業の展示や販売が行われていました。矯正歯科ネットの姉妹サイトである「インプラントネット」をはじめ、インプラント治療後の保証サービスを提供する「株式会社ガイドデント」もブースを出展致しました。歯科医師、衛生士、技工士、学生など幅広くお立ち寄りいただきました。また、遠方からいらっしゃる先生方にも多くお会いすることができました。
▲ インプラントネット 展示ホール |
レポート:矯正歯科ネット運営部
※講演の発表内容については、当サイトにおいて必ずしも保証するものではございません。