監修医師
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
矯正治療の際に矯正装置の見た目を多くの人が気にしています。社会人の場合、仕事に影響してしまうのではないか、営業や接客を担当している人であれば、社外の人と関わる機会が多いため余計に仕事への影響が心配でしょう。
矯正治療によって仕事にどのような影響が出るのか、影響を抑える2つのポイントお伝えします。矯正治療をお考えの方はぜひ参考にしてください。
公開日:2024/11/21
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
目次
矯正治療期間は、仕事に影響が出ることは本当です。
矯正装置を付けたばかりや調整の度に痛みを感じる方は多く、痛みによって集中力が保てない、痛みで食事を取りづらいなど業務に支障が出る場合があります。
矯正治療では定期的な通院が必要で、通院する歯科医院の予約状況や装置が外れるなどのトラブルによっては仕事を休んで通院する可能性があります。
接客業や営業職の場合はお客様から矯正装置の装着に気が付かれる可能性が高いでしょう。矯正器具に慣れるまでは話すのに違和感を感じたり、料理人であれば矯正治療に慣れるまでは食事が取りづらかったり、痛みを感じて食事を避けてしまうこともあります。
矯正治療の仕事への影響をできるかぎり抑える2つのポイントを紹介します。
矯正中に自分が何を優先するかを明確にすることがポイントの1つです。
「矯正装置が目立たないこと」を優先する場合はマウスピース矯正か裏側矯正を選ぶ、「話しやすいこと」を優先するのであれば表側矯正、「食事しやすいこと」であればマウスピース矯正…など、優先することに合わせて治療方法を選ぶことで、仕事への影響を抑えることができるでしょう。
矯正治療中は、硬い食べ物を食べると痛みを感じる期間があります。また、繊維質のものは矯正器具に挟まったり、くっつきやすい食べ物は矯正器具にくっついたり、くっついて矯正器具が外れてしまうなどのトラブルが起きます。
矯正治療前に、矯正治療中に食べて良い物を確認しておくとよいでしょう。マウスピース矯正の場合は、食事の際にはマウスピースを外して通常通りの食事ができるため、食事の心配はありません。
自分に合った矯正方法を知りたいという方のために、職種別に仕事への影響を抑えやすい矯正方法を紹介します。
営業・販売・接客・受付など、人と話す機会が多い仕事をしていて「話しやすさ」を優先したい人には、表側矯正がおすすめです。裏側矯正に比べて滑舌への影響が少ないといわれています。
表側矯正とは、歯の表側(唇側)にブラケットという小さな器具を取り付け、ブラケットの間にワイヤーを通して歯を動かす矯正方法です。全体矯正の場合、治療期間は2年~3年程度、費用は60万円~130万円程度が目安です。
※マウスピース矯正の場合も数週間で話し慣れるのと、大切な会議の場で外せることが可能なので、滑舌の影響が抑えられます。
2023年10月 株式会社メディカルネット調べ
話しやすさよりも「見た目」を重視する人であれば、裏側矯正が適しています。
裏側矯正とは、歯の裏側(舌側)にブラケットとワイヤーを装着する矯正方法で、歯を見せて笑った場合にも周りの人から矯正装置が見えづらいです。全体矯正の場合、治療期間は2年~3年程度、費用は100万円~180万円程度が目安です。
2023年10月 株式会社メディカルネット調べ
会食などで飲食する機会が多く「食事の際に装置に食べ物が挟まる煩わしさを感じたくない」という人には、マウスピース矯正がおすすめです。
マウスピース矯正とは、マウスピース型の矯正装置を装着する矯正方法で患者さん自身で自由に着脱できます。会食などの際に外しておけば、普段どおりに飲食できます。全体矯正の場合、治療期間は2年~3年程度、費用は70万円~120万円程度が目安です。
2023年10月 株式会社メディカルネット調べ
矯正中は、矯正装置を装着していることが仕事相手へのマイナスイメージにつながったり、痛みを感じて集中できなったりするなどの影響が出るかもしれません。
生活や仕事への影響を抑えるには、矯正中に自分が「何を優先するか」を明確にして矯正方法を選ぶことが大事です。また、矯正中の食事方法を理解することでも仕事への影響を抑えられます。各職種や仕事内容に適した矯正方法は異なるため、歯科医師と相談して自分に合ったものを選ぶようにしましょう。